Jリーグのマスコット好きは何に入場券代を支払ったのか?濃密な120分+15分を終えて見えたものは「信用」。

マスコット好きが100名以上も集まると、空気が甘く濃厚になる。2019年2月10日に「宇都宮徹壱WMプレゼンツ 2019 Jリーグマスコットを語り尽くす!」がLOFT9Shibuyaで開催された。あいにくの雪模様の日の開催にもかかわらず、Jリーグクラブのマスコット好きが集まり熱気に包まれたイベントとなった。

私は、幸運にもキックオフトークとして15分の持ち時間を頂き、ささゆかちゃんとともに「マスコットは語る」をテーマに、壇上からマスコットのツイートのデジタル解析等のお話をさせていただいた。

大物ゲストもマスコットも登場しないトークイベントがファンを魅了する。

本番の出演は井尻真理子さん(ヴァンフォーレ甲府)、大場理恵さん(グッズデザイナー)、能田達規さん(漫画家)、そして平畠啓史さん(お笑いタレント)。MCは宇都宮徹壱さん。平畠さんはサポーターからの注目を集めるサッカータレントとしてのポジションがあるものの、目玉のゲストがいるわけではないこのイベントはキャパシティの110名を超える超満員。前売券は年明け早々には完売していたという人気。しかも入場券は3,000円。それにドリンク料金が加わるので、Jリーグならば1試合、なでしこリーグならば2試合は観戦できる価格設定となっているから驚きだ。

会場では、Jリーグマスコットのデザインされたシャツで着飾る人、被り物や耳等のアイテムで推しマスコットをアピールする人が多く、賑やかな雰囲気。いわゆる「オタクの内向的なムード」はなく、むしろ逆に押し付けられるくらいの強いアピール合戦が繰り広げられていた。

開場と同時に、ほぼ満席に。ステージが始まるまでに、どんどん盛り上がる。

テンションの高い、いわゆるオフ会のような集まりが各所で生まれる。記念撮影を交代でするシーンは、コミケのコスプレコーナーに近い印象もある。イベント本番は18:30からだったが、開場した17:30から、すでに本番のような盛り上がりであった。

上の写真の背景に写っているのは「祭壇」と呼ばれるひな壇。ここには、参加者が持参した推しのマスコットが置かれる。多くは何かしらの装飾が施されたりしており、ここもアピール合戦の場になっている。

この空間に流れる空気と時間がかけがいのないものであったイベント。

来場者は、このイベントの何に価値を感じて入場券を購入したのだろう。本番のトークセッションは面白かった。ここでしか聞けない話もたくさんあった。とは言っても、演出もなければ大物ゲストもいない。そして、トークセッションスタートからグッとムードが持ち上がったような空気感の変化もない。

おそらく、参加者は、トークセッションだけではなく、まず、この空間にいたかったのではないか。そして、この空間で、自分と同じようにマスコットを好きな人だけが集まって好きな話を思う存分にできる場を求めていたのではないか。井尻真理子さん(ヴァンフォーレ甲府)がステージで話をしていた際にもあったが「マスコット好きはマイノリティ」。毎週末に通うスタジアムでも「大のマスコット好き」という人と出会うことは稀だ。でも、ここには110名以上もいた。仲間との出会いがあった。

ささゆか ちゃんの名言「人間の男は信用できないけれどカモメなら信用できる」に共感する仲間が集まるための価値に相当するチケット料金だっと考えると合点が行く。

人それぞれで価値を感じるポイントは違う。ホリエモンは書いた「お金の本当の本質は『信用』だ。 お金は、信用を数値化したものにすぎない。」と。マスコットファンは、このイベント、宇都宮徹壱さん、そして何よりマスコットと仲間たちを信用しているから成立したイベントなのだと思う。


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石井和裕 @ece_malicia

+KeLサポーター研究所所長。元なでしこリーグ冠スポンサー担当者「『世界一の女子』好き」。著書「横浜F・マリノスあるある」「サポーター席からスポンサー席から: 女子サッカー 僕の反省と情熱」「日本のサポーター史」「サポーター3年生からの日本のサポーター論」。

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サポーターとは誰で何をしている人たちなのか。日本固有の文化とサッカーが融合して生まれたサポーターカルチャーを文章化した。日本のサポーター論の入口を紹介する。
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コメント2件

面白い企画ですね!記事シェアさせていただきました。
ありがとうございます。
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