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北海道のローカル番組だった「水曜どうでしょう」を全国区に引き上げたのはJリーグサポーターだった。

Jリーグサポーターのネットワーク力が、一つのローカル番組を全国人気に引き上げた。サイコロの目に従って移動を続ける「サイコロの旅」などをはじめ、常識はずれの旅を北海道で、全国で、海外で繰り広げてきた大泉洋と鈴井貴之(ミスター)。いまでは全国区の人気番組となった「水曜どうでしょう」。それどころか、onちゃんの中の人だった安田さん(ヤスケン)までが人気俳優に。番組放送に、イベントキャラバン、DVD発売も加え「水曜どうでしょう」は北海道テレビ放送(HTB)の稼ぎ頭となっている。

北海道ローカル放送だった「水曜どうでしょう」に、いちはやく目をつけたのはJリーグサポーターだった。

人知れずJリーグの試合会場でVHSビデオに録画された「水曜どうでしょう」が応援するクラブの垣根を超えて交換・貸し出されていた。

時は2000年。当時はインターネットの普及が本格化し、Jリーグ各クラブのサポーターもブログやウエブを続々と開設していた。その中でも「凶悪系」と呼ばれるサイト群があった。応援するクラブやサポーターを少し自虐的であったり皮肉を効かせた文章表現で紹介していくことを特徴としてるサイト群だ。代表的なサイトは「Jリーグをややイヤな目で見る方法。(千葉)」「鳥日新聞(大分)」「純喫茶グランパス君(名古屋)」「きたのくにから哀をこめて(札幌)」「切腹倶楽部(柏)」「malicia web(横浜)」ら。

「水曜どうでしょう」難視聴地域撲滅運動推進委員会を立ち上げたのは東京サポーターのミネ(峰村健司)さん。

VHSビデオの貸し出しだけにとどまらず、全国放送実現のために鈴井貴之(ミスター)を招いてイベントを開催したり韓国グルメの旅を敢行したり、テレビ朝日での放送を働きかけたり、「水曜どうでしょう」の魅力を多くの人に伝えるための活動を展開した。その結果、多くのJリーグサポーターが、全国放送が始まるより以前から「水曜どうでしょう」のファンとなり口コミで噂を広げて行った。

「水曜どうでしょう」にはJリーグサポーターを魅了する、サポーターの日常との親和性があった。

例えば、下記の4点がJリーグサポーターに当てはまるのだ。

1 過酷な旅程で全国各地をアウェイ遠征している。
2 ハプニングをエンターテイメントに転換する楽しみ方を知っている人が多い。
3 世の不条理への耐久性が強い。
4 マスコットとのコミュニケーション能力を有している人が多い。

「水曜どうでしょう」の魅力がJリーグサポーターから広がっていく様子は、今も残る「水曜どうでしょう」難視聴地域撲滅運動推進委員会サイトでうかがえる。

さて、当時の「凶悪系」と呼ばれるサポーターのウエブとは、どのようなものだったのだろう。実は、ミネ(峰村健司)さんの「凶悪系」サイトは、今も存在している。この機会に、ぜひご覧いただきたい。







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