試合当日・試合後に交流しやすそうと感じるサポーターは長崎、仙台、湘南、川崎、札幌。交流しにくそうなクラブはやはり・・・。

サポーターは全国各地のアウェイゲームに遠征の旅を続けている。Jリーグは「アウェイツーリズム」の概念を日本に生み出し、他のスポーツにも大きな影響を及ぼしてきた。

多くのサポーターは対戦相手のクラブのサポーターとの交流を希望している。

2018年11月にインターネット調査を実施。175人のサポーターからの回答を得た。その集計結果によると70%近くのサポーターは試合当日・試合前の交流を好んでいる。そして、その数値は試合当日・試合後の交流希望でもほぼ同じとなっている。

「V・ファーレンロード」でのおもてなし活動や、試合後の飲食店でのサポーター交流会が盛んなV・ファーレン長崎サポーター。

先日、回答者685名のご協力をいただいた「Jサポーター長崎アウェイ遠征についての意識アンケート調査」では、一般的に行政が大きな予算を費やして取り組む「観光地域づくり」や「関係人口の拡大」の課題解決がV・ファーレン長崎を通じて見事に前進しつつあるという明るい未来をレポートした。長崎サポーターや地元の事業者、市民がアウェイサポーターの来訪を歓迎し、ホームスタジアムのある諫早市を中心に、他のJリーグクラブでは見られない積極的なサポーター交流活動を展開したことで、日本全国に「長崎県は自分にとって大切な場所だ」と思うサポーターが増加している。「長崎県は自分にとって大切な場所だ」と思うサポーターは、再び長崎県を訪問する可能性が高いし、長崎県から離れていても長崎県産品を購入するなど、長崎県との関係を維持する可能性も高い。長崎県にとっては「関係人口の拡大」だ。

V・ファーレン長崎のホームゲームへの遠征後に「長崎県は自分にとって大切な場所だ」と思うようになりましたか?(回答者685名)

試合当日・試合後に交流しやすそうと感じるサポーターTOP5にはオリジナル10は含まれない。

試合当日・試合後に交流しやすそうと感じるサポーターランキング(J1)
1.長崎サポーター
2.仙台サポーター
3.川崎サポーター
4.湘南サポーター
5.札幌サポーター

その中でも前述のV・ファーレン長崎サポーターは特に多くの回答者が「試合当日・試合後に交流しやすそう」と回答している。諫早市をはじめとする長崎県内各所でのサポーター交流の成果からV・ファーレン長崎サポーターのイメージを形成しているといえる。

残念ながらJ2降格となったV・ファーレン長崎だが、サポーターは交流活動への手応えと将来への希望の光を感じている。

「せっかく遠征するのならサポーター同士でいがみ合う必要はないし、サッカーを通して訪れた町や人との触れ合いを楽しんでいいと思います。今シーズンのV・ファーレン長崎や市民、サポーターの様々な取り組みが、サポーターのあり方として言われてきたことに対して変革をもたらす礎となったら良いなと思います。」
2014年に会社員や自営業者ら諫早市の街づくり活動の仲間約10人で結成したサポーター団体KATARODE(長崎弁で「語ろーで」「加たろーで(仲間に入る)」)代表の平田聖子さん。サッカーを通じて「ひとを元気に!」「まちを元気に!」そして何より「自分を元気に」しようという思いと取り組みは仲間の輪を広げた。KATARODEの活動がきっかけに始まった、「お茶の間通り商店街」を中心にした「V・ファーレンロード」での「おもてなし活動」は諫早市の名物にまでなっている。そんな平田さんは、降格が決まった直後に、以下のようなメッセージを私に送られた。
「長崎県にとっても、クラブにとっても、サポーターにとっても素晴らしい一年でした。捨て身で前経営陣から守った甲斐がありました。J1に居たかったけど…前を向き新たなる夢に向かって歩き始めています。」

「代表選手もいないチームがゼイワンで大健闘‼︎残留できなかったのは残念で悔しいですが、長崎にはゼイワンで戦える力があると大きな自信になりました。長崎を背負って戦ってくれた選手には感謝しかありません。
また、長崎を訪れるサポーターの数もJ2の時よりも遥かに多くなり町にも活気が見られましたし、サッカーを話題にする人も増えました。私自身もたくさんのアウェイサポーターの方達と交流が出来ましたし、みなさん、とても好意的で自分のチームのように長崎を気にしてくださるようになりました。それに、アウェイ遠征時には『来てるなら会いたい』と連絡が来たり・・・素敵な交流が続いています。今後、KATARODEとして活動していく上での大きな力にもなっています。」

V・ファーレン長崎サポーターはアウェイゲームでも積極的に交流会を展開。横浜、川崎、湘南、東京、浦和、柏、札幌、名古屋、大阪、広島で開催し、多くのサポーターを驚かせた。この型破りな活動の積み重ねがV・ファーレン長崎サポーターと長崎県のイメージを良好にしている。こうした活動がサッカーを通じた日本全国の交流拡大に繋がっており、人口減少による経済の低迷に悩む地方を救う原動力に繋がっている。
(下の写真は横浜中華街での交流会)

トランスコスモススタジアムNゲート(アウェイ側ゴール裏)で販売をした鶴川米穀・酒店は積極的に諫早市のアピールを行い、ここでも交流が生まれた。

「ホームスタジアムは諫早市にありますが、アウェイサポーターさんは、長崎市内に宿泊、福岡空港からレンタカーで来場されるなど、あまり諫早に経済効果がないのではないか??とJ2時代から感じておりまして、スタジアムで地元諫早の清酒杵の川や蒲鉾などを販売して、できるだけ諫早をアピールするように心がけました。」

「川崎フロンターレサポーターさんには、スタジアムでフロンターレグッズや地元の飴などもいただきました。開幕戦で、一人のサガン鳥栖サポーターさんに『今日は諫早にお金を落としに来た』と言われました。JRで帰れる時間帯でしたが、『諫早に宿取っている』とのことでした。磐田サポーターさんには『九州は全体的にアウェイサポにやさしい、その中でも長崎は特に優しい』と言われました。」

試合当日・試合後に交流しにくそうと感じるサポーターTOP3はオリジナル10の3クラブ。いずれもリーグ優勝経験がある。サポーターの引き起こした事件の記憶も。

浦和レッズサポーター、鹿島アントラーズサポーター、そしてガンバ大阪サポーターが試合当日・試合後に交流しにくそうと感じるサポーター(J1)として挙げられた。実際には、試合前後に交流が行われているケースも多々あるのだが、この3クラブのサポーターの名前が挙がることに、異論を挟むサポーターは少なそうだ。



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日本のサポーター論の入口

サポーターとは誰で何をしている人たちなのか。日本固有の文化とサッカーが融合して生まれたサポーターカルチャーを文章化した。日本のサポーター論の入口を紹介する。
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