北澤豪(元日本代表)の解説への不満88.4%。ネット時代の実況解説は「裏実況」から新時代へ。

森保ジャパンの初戦にあたるコスタリカ代表戦は3-0の快勝。TV観戦をしたファン・サポーターは、さぞかし満足だろうと考えたが、勝利の喜びとは別の怒りや嘲笑が氾濫していた。

あまりに不評だが、ツイートでは偏った意見が目立つ場合もあるため、アンケート調査を実施してみた。

キリンチャレンジカップ「日本対コスタリカ」(2018年9月11日)の解説北澤豪(元日本代表MF)、城彰二(元日本代表FW) 実況中野謙吾(日本テレビアナウンサー)についての、あなたの評価を教えてください。インターネット調査2018年9月11日〜12日

いずれも極めて評価が低い。

北澤豪(元日本代表) 回答数: 269

悪かった+とても悪かった 88.4%


城彰二(元日本代表) 回答数: 269

悪かった+とても悪かった 78.5%


中野謙吾(日本テレビ) 回答数: 269

悪かった+とても悪かった 63.6%


年間試合観戦回数(スタジアム)が10試合未満の回答者に絞ると、不満を持つ回答者の割合がやや増している。

北澤豪(元日本代表)  回答数: 69

悪かった+とても悪かった 92.7%(4.3%増)


城彰二(元日本代表) 回答数: 69

悪かった+とても悪かった 81.1%(2.6%増)


中野謙吾(日本テレビ) 回答数: 69

悪かった+とても悪かった 63.8%(0.2%増)


日本テレビの放送だけが低い評価なのか・・・最低人気であることもわかった。

地上波のサッカー中継で、最も好きなテレビ局(キー局)を教えてください。
(回答数: 269 )

地上波キー局に絞ったアンケート調査結果ではNHKの人気が圧倒的。ついで、人気解説者の松木安太郎(元日本代表)を起用するテレビ朝日が2番目の人気となった。NHKはアナウンサーのスキルが高く、サッカーに対する理解が民放よりも深い。BSでJリーグ中継をしていることもあり、徹底した教育と豊富な経験が分かりやすい放送を支えているといえよう。

実は、サッカーファンの人気を集めるサッカー中継はTVではなくネット中継に移っている。

DAZNがJ1,J2,J3を放送。欧州の人気リーグも大半をDAZNで視聴できる環境となった。DAZNはインターネット環境で視聴できる有料放送チャンネル。DAZNの放送に登場する実況アナウンサーはサッカー実況のスキルが高く、解説者も専門知識を駆使して、細かな技術や戦術を解説できる人が多く起用されている。有料放送なので、視聴者も、より詳しく深い情報を好む傾向があり、ここに番組の送り手と受け手のミスマッチは起こっていない。

地上波全国ネットでサッカー中継が行われるのは日本代表の試合と天皇杯決勝戦くらい。経験の浅い民放キー局の中継のクオリティにファン・サポーターは不満を募らせている。

そこで、これまでの日本にはなかった新しい放送スタイルが話題になった。インターネットを使った「裏解説」だ(この放送以前にも何度か近い放送は行われている)。

TV放送を見ながら二人の解説者が詳しく戦術や技術について語る。これに多くのサッカーファン・サポーターが飛びついた。画面はテレビで見ながら、この「裏解説」で音声を聴くというダブル画面の視聴スタイルが誕生したのだ。視聴数は5万を超えた。

実は、これは全く新しい放送スタイルといわけではない。1990年代からイタリアではTV放映権をもたないTV局が、この「裏実況」と同様に、スタジオでTV放送を見ている熱狂的なファンやアナウンサーの喜怒哀楽の一挙手一投足だけを放送して楽しむという番組を放送していた。

さて、今回の放送だが「自分の持ち出しで配信する為の機材やスタッフを揃えました」という戸田和幸(元日本代表)がブログでこのように語っている。

「情報の差別化はあって然るべき時代となり、サッカー中継や解説というものも様々な形があって良いと考えてきました。これまで存在していた「タレントorアイドル➕解説者」という形での裏解説ではなく、サッカーの話を大真面目にしかしない裏解説を僕はやってみたかったんです。」

2018年現在でTVは、いまだにメディアの王様である。しかし、視聴者の趣味志向は細分化され、かつてのような誰もが楽しめるTV番組は稀になってきている。この試合の視聴率も平均視聴率 が12・3%。かつての日本代表戦の視聴率と比較すると寂しい数字となっている。

一方でファン・サポーターの要求はますます厳しくなっている。放送回数が減少すれば中継のクオリティは低下し、更にファン・サポーターの不満が膨らむ悪循環が進む。そして一方で、スマートフォンやWI-FIの普及でTV放送に頼らずとも動画コミュニケーションは成立する環境が整っている。

今回の「裏解説」を契機に、番組の送り手と受け手のミスマッチを埋める、新たなサポーターコミュニケーションが拡大していくことだろう。






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