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浦和と横浜、ゴール裏女子は意識も環境も大違い。浦和のコアサポーターは女性に優しい雰囲気・・・でもないみたいです。

「ゴール裏女子」と聞いて思い浮かべるのは、どのような姿だろう?私が思い浮かべるのは日テレベレーザのコアサポエリアで、1試合を通して、ずーっと跳ね続けていた女子サポ。私は、その子を「全力さん」ならぬ「全力ちゃん」と呼んでいた。「ゴール裏女子」といっても、各クラブで応援方法、観戦環境、観戦に対する意識がかなり異なるイメージがある。果たして、その実態はどうなのだろう。

対照的なイメージの浦和レッズ女子サポと横浜F・マリノス女子サポをアンケート調査結果で比較してみたら、先入観が、そのまま数字に現れた。

あなたはゴール裏スタンドに何があると嬉しいと感じますか?
(ゴール裏スタンドがない場合はゴール裏スタンドにコアサポーターエリアのスタンドを含む)
2019年5月6日〜8日 回答総数1,117 インターネット調査

サポーター間のトラブルには慣れている!?浦和女子。

多くのサポーターが嫌がる「サポーター間のトラブル」。だが、浦和女子に限っては「サポーター間のトラブル」が少ないことを希望するのは半数以下。そして「全員が立って迫力ある応援をする」ことを望むのが43.8%。アツく応援する、浦和女子のイメージが数字に現れたようだ。

「トイレ」「屋根」「カップホルダ」・・・恵まれた施設で応援するのが横浜女子。

ピッチからの距離が遠い、傾斜が緩い・・・といった不評も多く聞く日産スタジアムだが、横浜女子は、この日本最大のスタジアムの整った設備を高く評価している。そして「早い時間から並ばなくても良い」も、今シーズンから実現しつつある。2018年から試験導入していた「LINE」の整理券取得システムが本格的に稼働し始めたのだ。

元々、女子サポの多いことで知られた横浜F・マリノスのゴール裏だが、その特徴を生かした応援方法が採られているのも面白い。例えば、最近に追加導入されたチャント(応援歌)では、歌詞に「俺」のような男性をイメージする単語を使わないようにしているというのだ。

「あなたの好きなクラブのコアサポーターは女性に優しい雰囲気ですか?」

横浜F・マリノスのコアサポーターは女性に優しい雰囲気がある。

57.7%が「思う」または「やや思う」と回答している。

横浜(n=97)回答者は女性のみ

実は、Jリーグのコアサポーターは女性に優しい雰囲気がある。

横浜F・マリノスを含むJリーグクラブの全体で集計しても、「思う」または「やや思う」は過半数を超えている。つまり、横浜F・マリノスのみならず、Jリーグのコアサポーターは全体に女性に優しい雰囲気を持っていることがわかる。

Jリーグ全体(n=698)回答者は女性のみ

ただし、浦和レッズのコアサポーターだけに回答者を絞ると、グラフの形が一変する。

浦和(n=69)回答者は女性のみ

「思う」または「やや思う」は27.5%とJリーグのコアサポーター全体と比較すると約半分の少数派に。そして、「思わない」「やや思わない」よりも少数となる逆転現象が起きている。

これまでの浦和ゴール裏の歴史の積み重ねが、浦和女子を強くしたのだろうか。そして、浦和女子は少なくない。

ゴール裏だけではなくスタジアム全体ではどうだろう。Jリーグが発表した観戦者調査2017年、2018年の合計で比較すると、浦和レッズのホームゲームの、ゴール裏以外の席も含めた観客全体の女性率は低いわけではない。38.8%となっている。J1全体が38.0%なので、ほぼ平均的。つまり、浦和レッズサポーターは「コアサポーターは女性に優しい雰囲気がないが、座席やポジションの棲み分けをうまく行って男女ともにスタジアム全体で応援している」のであろうと考えられる。それが、あの迫力ある応援を継続できる理由なのだ。

アンケート調査全体の集計・分析は、こちらをご覧ください。




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