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【蓮ノ空感想文】(沙知先輩の声優が小原好美さんで本当に良かった)

あまりスポットされていない沙知先輩の声優さんについて、104期を迎えるに際し、感想文という形で残しておきたいと思う。なお、これは104期が始まる前に起草したことについてご留意頂きたい。


この声は誰なのか?

蓮の空の活動報告を見始めたとき、大賀美沙知の声優が誰なのかを知らずに見続けていた。歌も踊りもやらなくてはならず、声優としてはまだ駆け出しの6人のキャストの声には、若干の不自然さを感じることがたまにあっただけに、この沙知の声の安定感と、絶妙な感情の乗せ方から、ベテラン声優であろうということは、想像に難くなかった。

自分はほとんどアニメを見ない方ではあるが、かつて「からかい上手の高木さん」のアニメと映画を見たことがあり、脇役の声を小原好美さんが演じられていたことから名前は知っていた。ただ、その声質とはまったく違う声色で沙知を演じておられたので、当然、声優の名前を確認するまでは気づくはずもなかった。

声優の演技の重要性を再認識した小原好美さんの熱演

一度わかってしまうと、小原好美さんが、沙知の声優を務めたことが、蓮の空のストーリー、という名の料理をより一層美味しいものにしていることは火を見るよりも明らかだった。沙知の一言一言は、単にスパイスの効いた調味料ではなく、もし、キャストたちがメインディッシュとして大皿に盛ってあるのであれば、それを取り囲んでいるソースのような役目を果たしたと感じられた。つまり、すべてのキャストに個別に付け合せることで、キャストが引き立つという効果をもたらせていた。

一度たりとも歌っていないラブライブの出演者で、ここまでストーリー中に泣かされたは初めてである。リンクラのカードでこれまでどうしても入手したいカードは、自分の中では一枚もなかったが、唯一無二の沙知のリンクラのカードの登場で初めて、自分のカードリストに何としても沙知を入れておきたい(お迎えしたい)、と感じた。

生徒会長として、多くは威厳を示しつつも、後輩への愛情が垣間見える場面も随所にあったが、そのときの声の乗せ方があまりにも自然過ぎて、他の若手声優との格の違いを見せつけてしまっていた。言い換えれば、小原好美が演じる生徒会長の声の安定感と安心感が、駆け出しの声優の不安定さを補っていたとも言えよう。沙知の内に秘める後進の育成への強い思いが、沙知の具体的な行動以外に、後輩への語りかける声からも感じられたのは、小原好美さんの才能故と言っても過言ではない。

蓮の空の新人声優の声優としての成長

私は、蓮の空の声優の人選が素晴らしかったと声を大にして褒め称えたい。駆け出しの声優の中では、終始落ち着いた梢の声と、学級委員に選ばれそうな模範生徒を演じるさやかの声の良さが一際光っていた。小原好美がいなくなった後は、彼女らが代役を務めることになるのであろうか。

個人的に印象的だったシーンは、第18話で第二音楽堂に関する会話をしていた最後で、さやかが綴の隣からわざわざ沙知の隣に歩み寄り、話しかける場面である。さやかと沙知が残り5人のメンバに向ける視線は完全に同期しており、これは将来、さやかが、スクールアイドルを高所大所から引っ張っていく存在になる暗示のように思えてならなかった。

第18話(さやかは最初は反対側にいた)


第18話(さやかは最後は沙知先輩の隣に来て、残りのメンバについて語りかける)

最後に:後輩から先輩へと成長する姿が思い出と連動

自分の高校時代は何十年も前になってしまったのではあるが、上級生になったときに「昨年の先輩達と同じようにしっかりせい!」と葉っぱをかけられた。学年が変わることにより、上級生としての自覚が否が応でも芽生え、自然と責任感が高まったことは、今もはっきりと覚えている。それを地で行く今後の蓮の空では、後進の育成に勤しむ場面をより多く見ることになるのかなと楽しみになる。実時間と連動して、という謳い文句ではあるが、自分から見れば、自分の高校時代の成長の想い出とも強く連動/リンクしているようにも感じる。部活に打ち込んだ人ほど、同じ思いを持つのではないだろうか?

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