見出し画像

櫻坂46 8th『何歳の頃に戻りたいのか?』の収録曲を聴いて〜

2月21日 (水) 発売の櫻坂46 8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』の収録曲を聴いてみた。
今回もリアミー目的もあり、僅かばかりの枚数を複数のショップに注文したのだが、一部が20日にフラゲ出来たので早速CD音源に耳を傾ける。
その今回の7曲について、現時点での印象をまとめてみたい。


何歳の頃に戻りたいのか? ❲表題/ C 山﨑天❳
              作曲 ナスカ
              編曲 APAZZI

「最新のポルシェが最良のポルシェ」という言葉がある。もちろん私ごときはポルシェなぞに乗れる身分ではないが、ものづくりの誇り〜矜持を表すこの言葉には以前から惹かれていた。
12日のCDTVにおけるフルでの初披露には思わず震えた。
17日のVENUE101、20日のうたコンのパフォーマンスはさらに精度を増していて、怖いくらいにグループが躍進する、眩しいほどのエネルギーを放っていた。
これらをみて冒頭の言葉を思い出した。
櫻坂に当てはめれば「最新の櫻坂が最良の櫻坂」ということだ。

さて、“Go on back”はどう訳するのが正解なのだろうか?私は、ずっとそこが引っかかっている。そしてそれに“Those days”を重ねる意味とは…
今、言えるのは”Start over!“と同様に、櫻坂の現在の座標軸を示すキーワードであることには違いないのだろう。
そして、ナスカとの相性の良さにも今回も唸らせれるものであった。


何度 LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう                                           ❲共通カップリング / C 村山美羽❳
                作曲 温詞
                編曲 TomoLow

19日にプレミア公開されたMV三曲目は、5曲目の三期生曲、3連続の三期生による共通カップリング曲だった〜
今回も三期生曲があるとは、私には予想外だった。それも共通カップリングで〜とはと…

今、グループで最も勢いがあると言ってもいい村山をセンターに持ってきた。これをみると、ちゅけと美羽はこのために選抜から外した…との見方も一方ではできるのか?
とにかくMVの出来上がりが素晴らしい。演出もカメラワークもヘアメイクもスタイリングも…三期生と全てのスタッフが、全力でいい作品を創ろうとしている気迫がひしひしと伝わってくる。
制服のデザイン〜スカートのミントグリーン (ピスタチオグリーン?) の色合いがとても印象的で楽曲のイメージを高めている。
ヘアアレンジもみんなそれぞれに特徴的で可愛く、私は特に小田倉麗奈のお嬢様スタイルがお気に入りだ。まさに”小田倉嬢“といった感じ♪

センチミリメンタル温詞の曲とTomoLowのアレンジは『五月雨よ』とも『僕なんか』とも少し違うものだが、アップテンポの曲調の中でも感じるセンチメンタリズムとも言える情感や儚さは通底しているものがある。
一言で言えば〜あぁ青春〜の1ページか…
CDを聴けば、あらためてイントロのピアノの旋律とドラミングが印象的だ。

黒板に記したLOVE SONGの散文はむしろ「若き日の恋唄」という方がマッチするのかも知れない。
事前に各自に投げかけられていたであろう「宿題」を発表する機会をこうして得られたのも三期生には大きいと思う。
その想いはやがてかき消され、或いは上書きされ、そこから少女は大人になっていくのだろう…

君は季節が変わるみたいに 大人になった

『いつのまにか少女は』  井上陽水

最初にあったサムネの3つの机の並びは、三期生曲だと〜或いは一期・二期・三期の歴史の流れを暗示しているのだろうか…

眠れない夜と 雨の日には
忘れかけてた 愛がよみがえる

『眠れぬ夜』  オフコース


油を注せ! 
             ❲BACKS/ C 武元唯衣❳
             作曲 辻村有記 伊藤賢
             編曲 辻村有記 伊藤賢

MVの曲中、ちゅけがみせるハンドサインに、既視感に近い何かが引っかかるものがあった。
やがてXで指摘された、ロバート・デ・ニーロの『タクシードライバー』の一コマのオマージュと訊いて「あっ!」っとなった。そうだったのか…と…

CDで聴いてみると、このBACKS曲が今回の中で一番ボーカルが安定しているように思える。


真夏に何か起きるのかしら 
                    ❲山﨑天・小島凪紗・向井純葉❳ TYPE-B
                 作曲 春行
                 編曲 あらケン

今回の三組のユニット曲の構成に、当然意味〜意図があるものだとは思うが、正直、何とか別の形態でも組めなかったものか?と残念にも思う。

先ず一曲目は、いきなりのテクノ調のイントロにハードなギターリフを絡めてきた。
詞はいかにもな、ありがち”ひと夏の経験“願望モノだ。秋元康だから令和のおニャン子クラブ的アプローチと言ったところ?

心の影絵 
   ❲森田ひかる・谷口愛季・山下瞳月❳ TYPE-C
              作曲 YSU.今村良太
              編曲 YSU.今村良太

こちらもE.ギターから入るノスタルジック調の曲。かつての歌謡曲風にも受け取れる。
ポエトリーリーディングの箇所がいい。詞は、まぁ男の強がりを歌ったものか…
作・編曲者の今村良太は調べてみたらベーシストととのことで、この曲もベースの音がシッカリ聴こえている。

恋は向いていない 
     ❲藤吉夏鈴・中嶋優月・村井優❳ TYPE-D
                作曲 藤田卓也
                編曲 藤田卓也

ユニット三曲の中では、この曲が一番私にはシックリきた。こちらはシティポップを意識した80〜90年代歌謡曲テイストだ。
“やめておく”〜女優 藤吉夏鈴の台詞回しだ。

さて、藤田卓也といえば乃木坂の『アトノマツリ』の作者。四期5人(遠藤・賀喜・北川・林・弓木)のユニットでヒップホップを取り入れた斬新な作品だった。敢えて乃木姐さんに近づく必要もないが、櫻坂もそんなアプローチがあってもよいなぁ…と思ったりもした。

ユニット曲それぞれのブックレットのライナー部分でのカット(優・いのり・ゆーづ)が素晴らしい。
また、特典映像でのAAAのオフタイムでの、いのりとあいりの表情がいい。そして、しーちゃんの髪がなびく時の表情にドキッとした…

                          
泣かせて Hold me tight ! 
              ❲表題選抜❳ 通常盤
              作曲 TomoLow.温詞
                                                         編曲 TomoLow

今回、最も攻めた曲だろう。
アラビアンかインディアか〜そんな乾いた風が吹くかの如くのサウンドとなっている。
ライブでのパフォーマンスが楽しみな一曲だ。
7thの『Don't cut in line !』に通じるものと言えるか。
「!」もついているし〜

しかし、タイトルと実際の曲の印象がなかなか一致しない秋元曲だが、今回のどこかで訊いたかのようなタイトルにはやはり苦笑してしまう。御大もお疲れなんだろうな…


今回のシングルほど、表題と他の収録曲との関連を意識させるものはないように思える。
E.ギターをガンガン鳴らしロックテイストに寄せた構成は私の好みでもある。
一方で「あの頃」を想起させるタイトルや詞の世界は懐かしくもほろ苦い感情を思い起こさせる。

さて、メンバーの各曲への起用配分に関して、X上では様々な呟きがあった。新二期推しの私にとっても疑問を呈したポストに対して全面的に否定する感情には到底なれない。
20日の遠藤光莉からのトーク(hikarintalk) を読むとその辺りの苦悩も痛いほどよくわかるし、我々はそこに寄り添うしかないのであろう。
あるFFさんのポストでは、数字が全てでもないし正義でもないが、評価基準として現実にそれを受け入れた上で、数字に見えない貢献を別に評価したものがあるはず〜との声があり、(外仕事などでの)グループへの貢献度を評価する基準があって然るべきだし、運営にはそうあって欲しいからこそ、まさに、この指摘はその通りだろうと思った。
それに加えて、こう理解することで私自身納得させているのは、先ず発売ありきのタイトなスケジュールが生み出した歪みが、残念ながら出てしまっているのでは…ということだ。
作品の精度が落ちているとは言わないまでも、短期間で作品を作る難しさがところどころに表れていると言わざるを得ない。

大前提として、コンスタントに楽曲が提供される機会があるのは、ファンにしてみれば大変ありがたいことである。ただ、現実にハードなスケジュールとグループの方向性を打ち出すタイミングが上手く噛み合わないと今回のようなケースもあり得るのだということ。いや、今回だけじゃなくこれまでも、そしてこれからも起こり得るバランスの悪さだよ…との指摘も当然あるだろう。
しかし、ここはグループとしての「過渡期」であると現状を飲み込むしかないのではないだろうか?
前回の7thでも指摘したが、受け手側の厳しい声が出るのは織り込み済み〜承知の上で、もう運営としては三期を中心に据える〜その準備を粛々と進める腹づもりなのは明らかだ。
櫻坂スタート時のスリーセンターるんてんりんに三期生を二人づつ絡めたユニットなどは、ともすれば安易な発想の組み合わせと受け止められても仕方あるまい。
しかしそれは、一つの大きな節目として、二期の三人に山下・谷口・村井それに小島・的野・中嶋そして村山らを加えて、次期フロントラインを形づくって行こうとの意思表明に他ならないのだろう。
恐らく次の9thは、三期センター抜擢と三期生選抜起用が顕著になるのではないか?
2ndアルバムが来るにしても、リード曲は『摩擦係数』のように三期のWセンターとするのかも知れない。

これまでは一期が二期のサポートにまわったように、今後は一期・二期が三期のサポートにまわることに対して、Buddiesもある種の覚悟を決めなければならない時期が来ているのだろう。
そのための移行期間である〜と受け止めざるを得ない。
それはBuddiesが好むと好まざるとに関わらず、必然的に訪れるものだというグループの宿命でもあるからだ。

間近に迫ったアリーナツアーの簡易的な会場レイアウトをみてみると、ステージや花道の構成に、次なるフェイズに入った櫻坂の新たなパフォーマンスのヒントがあるのかも〜と今、思っている。
走り続ける彼女たちに、少しは立ち止まれよ〜と声をかける時ではないのかも知れない。
しかし、体調管理に配意しながら活動を進めてもらいたいと願うしかないのも実際のところだ。
それは、いちBuddiesの心からの想いでもある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?