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『So』 Peter Gabriel

【私の音楽履歴書】#6 Peter Gabriel

音楽を聴くのに、今ではダウンロード配信、定額制 サブスク ストリーミング配信が主流になり、CDが売れない時代と言われている。一方でレコードが再注目され、回帰する傾向も顕著である。それだけ人々が音楽に接する機会が多様化、細分化されてきているのだろう。

80年代半ばであったろうか。かつて音楽市場がレコードからCDに移行する時期があった。私もCDプレイヤーを買い、CDに移ろうとしていた。そこで最初に何を聴くか?が問題だが、私が最初に買ったCDは、Peter Gabriel(ピーター·ゲイブリエル) の《So》(86.3/19発売)であった。

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なぜ彼で彼の作品だったのかは、明確には覚えていない。だが今思うに、当時は“ワールドミュージック”という呼び名で、世界各地の音楽に注目が集まり出していて (特にアフリカ地域) 私自身も興味を持ち始めていた時期だったと思う。この作品にもセネガルのユッスー・ンドゥールが参加している。ピーター自身「WOMAD」の主宰者として、ワールドミュージック普及の第一人者でもあった。そんな彼に注目していたのだろうと自身を推測する。

もう「針を落とす」という表現は使えない。まずプレーヤーにセットしてスピーカーから飛び出したイントロに驚いた。音自体がクリアなことに加え、そのサウンドの押し寄せる波の様な重奏感に圧倒された。

①『Red Rain』

あぁ「これがCDというものか…」といたく感動した。これは正解だな…と。

②『Sledgehammer』
シングルカットされ、彼にとって初の全米No.1となった作品である。この曲自体を聴いたことはなくとも、イントロ等で使われるの尺八の音を、CX系列にて放送されていた『とんねるずのみなさんのおかげでした』の番組内コーナー「食わず嫌い王決定戦」の色紙「披露」の際に使用されていたのを聴いたことがある人は多いはずだ。

③『Don't Give up』
当時のイギリスのサッチャー政権下での労働者の悲哀を謳ったものとされる。
kate Bush(ケイト・ブッシュ)との掛け合いも印象的なバラードである。MVはいささか演出過多ではあるが…

④『That Voice Again』

⑤『In Your Eyes』
バックボーカルのユッスー・ンドゥールが強烈な印象を残した。

⑥『Mercy Street』

⑦『Big Time』

⑧『We Do What we're Told (Milgram's37)』

このアルバムの最後はかつてのプログレ色も垣間見える特異な一曲である。ミルグラム実験を題材にして、この時代に提起した佳曲。

One doubt(一つの疑問)

One voice(一つの声)

One war(一つの戦争)

One truth(一つの真実)

One dream(一つの夢)

⑨『This Is the Picture』
この曲はCDにボーナストラックとして収められたものである。
Laurie Anderson (ローリー・アンダーソン) との共作デュエットで、これもまた不思議な楽曲だ。


私が、このアルバムを聴いたことでピーター自身はもとより、彼との関わりのあるミュージシャン達も聴くようになったきっかけの一作でもある。


最後に紹介するのは、ジョニ・ミッチェルのアルバムにピーターが参加して謳っている曲。まるで対話しているかのようだ。とてもお気に入りの一曲です。
《Chalk Mark in a Rain Storm》(88.3/23発売) の一曲目。

『My Secret Place』

        

                                                                   № 10

※ 彼の名前のカタカナ表記として「ガブリエル」「ゲイブリエル」があり、「ガブリエル」が一般的ではあるが、この稿では「ゲイブリエル」表記とさせていただく。



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