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『未来派野郎』 坂本龍一

【私の音楽履歴書】 #25  追悼 坂本龍一

坂本龍一さんがお亡くなりになった。
高橋幸宏さんに続いての訃報に愕然とする。


彼の作品をあらためて振り返り、私が好きな楽曲をいくつか紹介して、ここにご冥福をお祈りしたい。

私が彼を知ったのはYMOからであるが、当時は、彼自身の作品と、彼が関わるミュージシャン何人かを後追いで遡って聴いてもいた。
山下達郎や大貫妙子などがそうである。


先ずは坂本龍一を語る上で外せないこの曲から…

Merry Christmas Mr. Lawrence

昨年12月11日に配信されたオンラインライブが、我々が目にする最期の演奏となった。
このライブは氏の体力を考慮した上で、NHK509スタジオにて時間をかけ、収録された演奏を編集したというものであった。

1919
1996年に発表されたアルバム『1996』から。
収録されている声は1919年のレーニンの演説だという。この楽曲はライブでも様々なアレンジで披露され、多くの音楽家も演奏してきた。

そのうちの一つとして紹介したいのが箏によって素晴らしいアプローチを試みているこちらを。


私が彼のアルバム作品で好きなのは『音楽図鑑』(84.10/24)『未来派野郎』(86.4/21) である。

その『未来派野郎』から〜

Broadway Boogie Woogie

作詞はピーター・バラカン、ボーカルはバーナード・ファウラーと吉田美奈子。映画『ブレードランナー』内の台詞をサンプリングしているのが権利関係で複雑な問題となり課題は継続しているらしい。

黄土高原
こちらもコーラスは吉田美奈子。
彼の作品の中で私が一番好きな楽曲。

Ballet Mecanique

岡田有希子に提供していた楽曲にアレンジを加えセルフカバーした。こちらはライブ映像で。

Parolibre

後半のボーカルはかの香織、ノイジーなギターはアンビシャス・ラバーズでも特徴的な活動をしてきたアート・リンゼイ
鍵盤へのタッチの様がまさに坂本龍一
今思えば終局の場面にふさわしい楽曲だったのかも知れない…

G.T.

作詞はピーター・バラカン 日本語原詞は矢野顕子
G.T.とは“grand tour”(大陸旅行) のことか?
スリリングなドライブを連想させることから、ある意味、“gran turismo”(グラントゥーリズモ) といった車の色彩もあり、それも含めたものととらえた方が私にはしっくりくる。



El Mar Mediterrani  地中海のテーマ

1992年のバルセロナオリンピック開会式のマスゲームの音楽を担当。「ナショナリズムを高揚させるスポーツイベントには関わらない」として、プロデューサーからの要請を一度は断ったが、熱心なオファーを受け最終的には引き受ける。その際のギャランティーは他の出演者同様1ドルだったとのこと。



時代の一歩先どころか数歩先を行き、やっと時代が追いついてくる音楽家は少なからず存在する。
坂本龍一もその一人だろう。
あらためて彼の作品を聴き直してみると、その想いで溢れ胸が熱くなった…

教授よ永遠に…

skmtgram インスタストーリーズより


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