境目

アートとイラストの境目

アートとイラストの境目は何だろう。instagramで、抽象的な絵をあげた時に、英語で「いい絵(Art)だね!」と描かれたことがあったので考えてみた。

一つには、「見せていいものとそうでないものをわきまえているかどうか」だと思う。例えば、恐怖、不安、老い、病、死、狂気、エロスなど、見るのに若干躊躇するようなものを表現する場合、アートというと何でもアリな気がする。

でもArt自体はドイツ語だと「方法」という意味だし、芸術は「Kunst」という。ネット上でドイツ人の人にイラストレーションの塾に通っていると言ってもイマイチピンと来てなかった。商業イラストレーションという分野がないのかな?確かにドイツの成人向けの広告はイラストがあんまりなかった。写真ばっかり。子どもの向けの番組Sendung mit der Mausは大好きだったけど!

イラストの語源は「図解する」と言うことらしい。なので、見る人にこれが何を表しているかを伝えるという、目的が存在するし、見せたい側の意図や意味が十分に見た人に伝わるかどうかが大事な気がする。

日本語の「絵」は一つだけど、「絵画」と「イラスト」に加えて「マンガ」「落書き」なども存在するのでよくわからない。

自分自身はちゃんと「狂気」を表せている人の絵はすごいなあ〜と思う。昨日行ったChoice展で、不二まどかさんという人のポートフォリオのチワワ?の落書きがすごかった。かわいいはずなのに怖い。あの怖さは狙ってやってるのかああしか描けないのかどっちなのか。

AC部の人たちは「狂気」をうまいことポップに仕上げてるからすごいなと思う。我喜屋いさむさんのイラストも狂気を感じるなと思ったらやっぱり鬱を経験してるみたいだった。狂気は「ポップ」に飾られてやっと人々の目に安心して晒されることが可能となる。そんまんまじゃ出しちゃいけないみたい。生々しすぎるからだろうか?

アートは、「これしか描けない」感がすごい。イラストほど「見られること」を重視してない気がする。もうちょっと自分本位というか。意味すらない。意識の向こう側の領域を覗いている気分になる。顕在意識はその意味を認識できない。嘘がないし、魂の本質を自分で暴かないとやってらんねえ!みたいな感じがする。より変態度が高い。精神的に追い詰められてる人の方が心にせまる絵を描いたりもするあの現象は何だろう。

まさになりふり構ってられないのが「アート」で、見せること、見られること、伝わることを意識してるのが「イラスト」かな?というのが今のところの結論です。

でも、Ikegami yoriyukiさんみたいに見たら幸せな気持ちになる物語性や圧倒的な世界観を持っているのはイラストというよりは絵なのかな〜。「絵」という言葉はアートとイラスト両方含んでいる気がする。う〜んやっぱり謎!!!

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