下絵

絵を描くまで

絵のテーマとなる材料を探しに、結構現地に行ってしまう。わざわざ現地に行くのは大変だよと言う人もいるけど、画力がないうちはそうした方がいい気がする。

感受性に乏しいから。どちらかというと、授業中に寝ないために落書きしていたので、いざ描きたいものがない自分に結構ビビる。そんなんで、誰かに感動してもらえる絵なんて描けるんだろうか。

絵の構図も、現地に行った時に浮かぶこともあれば、帰ってきてラフを描いた時に思い浮かぶこともある。もう一回行かなきゃダメかみたいな時もある。

自分が感動できないのは本当に死活問題だ。楽しんで絵を描いてるかどうかというのはわかる人にはわかってしまう。恐ろしい。

苦しんで描いててもそれなりにいいものはできるのかもしれないけども。自分の場合はモチーフになるものに一定レベル以上の「思い入れ」がないと絵を描こうとならない。それか、落書きのような気の抜けたレベル。極端。でも落書きの方がいい線が描けたりする。

Ikegamiyoriyukiさんみたいに、自分の中の物語やイメージを膨らませたり、心象風景みたいな心の中から湧き上がるモノを絵にできる人はすごいなと思う。LÉON SPILLIAERTさんみたいな絵は見ているだけで癒されるけど、私にはああいう絵は描けない(画集にFROM THE DEPTHS OF THE SOULって描いてあるけどほんとそんな感じ)

そこまで自分に深く潜ることができない。起きてる時は。まだ寝てる時の方が不思議なイメージが浮かぶ。leonさんは不眠症だったらしい。私も不眠症になるくらい深刻になれたらいいんだけど神経が図太くて絶対に不眠症にならない自信がある。前に長野で国道19号で居眠り運転しそうな時に、生命の危険を感じてアスファルトの上で仮眠をとった。どこでも寝れるのは特技の一つかもしれない。

leonさんの絵には夜の海が出てくる。あの圧倒的静けさを絵にできるのはすごいなと思う。時々夜の海に行くけど、絵に描こうとはまだ思わない。ムーミン谷の冬の住人としては、夏の湘南の海に昼間には絶対に行かない。焼け死んでしまう。海の家も生まれてこのかた行ったことない。湘南に住んでる意味あんまりない。

この感動できない感性をどうにかするために、たまにトンチキな行動をする羽目になる。自分に潜れる人には全然必要のない作業だ。鈍い人は、外界に働きかけないと自分が何を感じているかがわからない。身体性を感じて初めて感動できるというのかな?ということで夏の旅の計画を立てて、猫を誰かに預かってもらわなきゃ。

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