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理想のPCケースの話

※この記事には多少なり個人の尖った意見も混ざってたりするけど、あくまで主観なので気にしないでね


本題

ゲーミングPC、デカいよね。
特にBTO。

世間一般的には”ゲーミング”と付くと何でも1677万色に光らせたり、赤と黒で統一したレースカーのシートのようなデスクチェアが浮かぶと思うけど、今回はそういった文化の大元になった”ゲーム用高性能マシン”のお話。

”ゲーミングPC”でググると、前述した”高性能”(CPU/GPU/メモリが最初からある程度強い)PCが、組み立て済み商品としてたくさんヒットする。
これはいわゆるBTO(Build To Order)と呼ばれているもので、ユーザの予算(価格帯)ごとに決められたパーツを、あらかじめ決まった構成で、ショップが組み立て済みPCを売るという方式。

ツクモ公式サイトBTO販売ページより引用

BTOのパーツそのものは、PCを自作する時に必要になるものとほぼ同じ。
店が組んで送ってくれるか、自分で組むかだけの違い。
快適にゲームできるPCが、自分で組み立てるのに比べて遥かに手軽に、ポチるだけで手に入る!というのがBTOの魅力で、面倒事ナシでゲームしたい、でも量販店PCじゃパワーが足りない!って人には特にうってつけの商品。
PC初心者にもやさしい。

半導体が慢性的に不足して、GPUが世界中のゴミカス転売ヤーの餌食になり、(最近マシになったとはいえ)依然として個人だと定価での入手が難しい現状。
当然、パーツを自分で集めることの多い自作PC界隈には大ダメージよ。

Amazon転売価格。バカがよ

ショップはメーカーから直接まとめて仕入れられる強みもあって、2022春現在、BTOは一番コスパ高く高性能GPUつきPCを手に入れられる手段にもなっている。

自作PC界隈にとっては冬の時代になって久しいけど、最近改めて”自作PC、趣味としてサイコー”と思えるできごとがあったので、自分の身につけてきた知識と筆者のPC構成の変遷をまじえて紹介していこうと思うよ。

しばしお付き合いくだされ。


ここでちょっと昔話。
筆者は一番最初に買ったPCから自作したんだけど、パーツ構成はよく分からなかったので、秋葉原のTsukumo EXの店員さんにアドバイスしてもらった。
7年前の事らしい。

初代

ガワを剥いた筆者初代自作PC

当時、PCについてはネットでかじった程度の知識しかなかったし、何も考えずに予算に合った組み立て済みのBTOを買ってしまうという選択肢もあった。
その点についても当時のTsukumo EXの店員さんにとうしようか相談してみたら、
「最初は断然自分で組んだほうがいいですよ。知識も身につくし、万が一どっか故障しても、故障したパーツだけを変えれば無駄な修理代もかかりませんし。ノーパソの寿命が嘘なんじゃないかってくらい、長く付き合う相棒になりますよ」と言いつつ”自作PCの組み立て方”を分かりやすく解説したサイトを教えてくれた。
アドバイス通り、当時のBTOパソコンをベースに、筆者のニーズに合わせて構成パーツをちょっとだけ変えたものを、バラバラに買って持ち帰った。
振り返ってみると、あの欲のない店員さんが居なかったらここまで自作PC沼にハマることも無かった…と思う。
恨みつつ感謝🙏
閑話休題。

最近は情勢的にも、ネットで決まった構成のBTOをそのまま買う人が多いんじゃないかな?いや多い(反語)
7年前筆者がしたように、店舗で店員さんにアドバイス聞きながらパーツを見繕って…とはなかなか行かない分、ネット通販のゲーミングPCは必然的に決まった構成、決まったケースでの通販らしい買い物になりやすい。
ケースの見た目とスペックだけを見て、
「なるほどこれなら快適にFortniteできそう!」とポチってしまう。
結果的にどうなるか?

『思ってたよりデカいのが届いてビビる』のじゃ。

ガレリア公式サイトより引用

当然サイズ表記はどの通販サイトにもあるし、置くスペースを考える時とかに「意外とデカいな…」と思いつつ、改めて実物を見てみるとウッとなるような存在感。

ゲーミングPCがデカいというイメージがここで根付いてしまう。

筆者が自作PCを初めて組んでからたった7年程度、とはいえ色んなPCケースに手を出してきたので、これだけは断言できる。
これはデカすぎ。
ゲーミングPCはもっと小さくできる。

もちろん、無駄なスペースを極端に切り詰めた、小さいBTOゲーミングパソコンもあるにはある。
そういった小さいPCはだいたい、Mini-ITXという規格の小さい(17x17cm)マザーボードをベースにした構成なんだけど、実はこれにもちょっと、ケースによってはエアフロー上の問題点があったりもする。


エアフローって?

ここで、伝統的なPCの冷却方法について言及しておこう。
さっきも見せた筆者初代ゲーミングPCを思い出してくれればイメージしやすいと思う

配線パスタで草

これはATXという一番メジャーで大きいマザーボードをベースにした、昔ならではの基本的なデスクトップPCの内部構造。
右がケース前面、左が背面。
ハードディスクやSSDを複数収納するための”ドライブベイ”は棚みたいになってて、空気は通れる。
その前方から外気を吸い込み、パーツ用冷却ファンがケース内で回って各パーツを冷やし、放出された熱気をケース後方ファンが排出…
こうしてケース内の温まった空気を、ケースの外に追い出す…
この空気の流れのことをエアフローと呼ぶ。
(Air空気のFlow流れ。そのまんまじゃねぇか)

世間の技術向上に伴って高性能パーツが増えてきた頃、当然、排熱が課題になってくる。
高性能はつまり処理速度の上昇、つまり消費電力の増加、同じく発熱量の増加を意味する。
PCケースメーカーたちは、元のケースに足を付けてケース底部からも吸気できるようにしたり、上部をメッシュにして排熱を促したり、ケースファンを後から複数追加できるようにマウントをつけたり…
ユーザと、ユーザが選ぶパーツのニーズに応じて、通り抜ける空気を増やせるように対策を始めた。

ファン取付部を増やした伝統的ケース

吸気を排気より多くしてケース内部を”加圧”だとか、排気を吸気より多くしてケースを”負圧”にするとかでずっと議論があるみたいだけど、今回は割愛。
要は、パーツを可能な限り新鮮な空気で冷やせるよう、
空気を吸って、中を通して、空気を出す
エアフローの意識は、こうしてメーカーやユーザーに根付いていった。

BTOで多く売られてるフルタワーのPCケースは、この古き悪しき時代の構造をしっかりと受け継いだ、つまりムダが多く残ったケースが大多数なのね。
内部の空気の流れも、下の図の通りめちゃくちゃ。

たすけて

上部に排気ファンをつけたPCでもコレだから、デフォルトで天板ファンがついていないケース、特にBTOパソコンは排熱が追いつかず、ケース内部の上部に熱気が溜まるばかり。
ケース上部がメッシュになってさえすれば、空気の対流のおかげである程度の熱気は逃げるとはいえ、美麗グラフィックのゲームや負荷のかかる作業をしている間ずっと、CPUやGPUは熱気を放出し続ける。
熱気が溜まって行くとパーツの冷却効率は落ちるし、せっかく大枚払った高額のパーツの寿命を削りかねない…
BTOパソコンは初心者のための最低限の構成で売られるため、シンプルな反面、上級者が気を遣う”細部の工夫”が全くないのじゃ。

筆者も、初代PCの熱が籠もるのが気になり始めてから色々調べ続けて、すっかりケースの内部構造と冷却の効率厨になってしまった。
転職してまとまったお金が手に入った所で、まだそこそこの値段で初代PCくんも売れるタイミングだったし、早速2代目ゲーミングPCの構想を練り始めた。

初代がムダにデカくて非効率的なPCだった反動からか、行き着いたPCケースがITXケース。
さっきもチラっと言及したね

ITXケースの例、Fractal era。使ったことはない。公式サイトより引用

ITXは、規格そもそもの設計理念が小型化という、17x17cmという小型マザーボード。ATXの面積の3分の1程度しかない。
メーカーはケースの小型化も簡単にできたし、限られたスペースを有効活用するために、各メーカーで色んな工夫が設計段階から施されている。

CD/DVDを読み込みたくなったら外付けドライブを繋げれば良いだけなので、デカい重い邪魔な光学ドライブ用のスロットはほぼ完全に撤廃できる。

HDDより小さくて速いSSDは、中身の容量はどんどんデカく、値段は安くなっていったし、世間的にもわざわざHDDを使う人は減って来た。
それに伴って、HDDを複数収納するためのHDDラックはほぼ絶滅
HDD入るよ!と言いつつ固定用のネジ穴が開いてるだけってケースも多い。

GPUは小型化すると性能も妥協してしまうことになるので、可能な限り邪魔にならない場所に動かす工夫がなされた。
マザーボードに直刺しされるGPUは嵩張って邪魔!ということで、ライザーケーブル(GPU用の延長コードみたいなヤツ)で刺す角度を変えたり、GPUをまるごとマザーボードの背面…つまりケースの反対側に移すサンドイッチ構造という画期的なデザインも生まれた。

電源も小型の規格”SFX”を採用して、ケースの容積を可能な限り抑えたケースがどんどん発表される…
こういったスペースの最適化に筆者は機能美を見いだし、ITXの魅力にすっかり取り憑かれていった。

こうした理念で作られる小型ケースは、やはりというか、多少の犠牲が必要になった。
そもそもITXマザーボードそのものが小型化にあたって多くの犠牲を払ってるけど…長くなりそうなので後にまとめるね。

サンドイッチ構造を採用したケースは、収まるCPUクーラーやGPUの幅/高さにドギツイ制約を設けた。
SFX電源は小型化の反動でATXより低出力なのに高額で、1ワットあたりの値段がハネ上がってしまった。
CPUクーラーも、特に空冷式を使用する場合、従来の大型ヒートシンクつきの”サイドフロー型”はほとんど入られず、薄くコンパクトな”トップフロー型”じゃないと入らないなんて事も多い。

サイドフロー?トップフロー?

空冷式CPUクーラーの方式の違い。
ザックリ言ってしまうと、ヒートシンクに風を当てるファンの向きの違い。

名前の通り、トップフローはマザーボードに垂直に、サイドフローは平行に風を送る。

トップフローは、サイドフローに比べて圧倒的に全高を薄くできる反面、他のパーツに当たって跳ね返ってきた排熱がまたファンに巻き込まれてしまう…なんてこともある。
ファンの直径も、サイドフローのファンに比べて小さくせざるを得ない。
小径のファンは大径のファンに比べて、同じ量の空気を送るためにはその分高速回転をしなければいけないため、騒音が発生しやすくなる。
USBポータブル扇風機が普通の扇風機より弱くてうるさいのと同じ。

ケース内の換気をケースファンでしっかりできていれば問題はないんだけど、ITXケースはATXケースに比べてケースファンを多くは取り付けられないものが多く、パーツが密集しているせいでエアフローも乱れやすい。
CPUクーラーのヒートシンクそのものも、サイドフローのソレと比べて小さくした分、密度を高めたり質を上げる必要が出てくるので値段も上がる。
完全に個人的な好みだけど、トップフロー方式はあまり好きじゃない。
トップフロー好きの人、気に障ったらごめん…

経験者兄貴たちは”じゃあ本格水冷か簡易水冷にすればいいじゃん”って思うだろうけど、本格水冷はそもそも予算的にアウト。
(水冷式CPUクーラーはラジエーターで冷やした水をポンプでCPU表面に循環させる方式ね)
簡易水冷も小型ケースに入るサイズは限られるし高い…けど興味はあったし、簡易水冷ならコンパクトなケースでも強力にCPU冷やせるやろ
ってことで、2代目のITX構成では、当時手が出せた限界の360mm簡易水冷を試してみた。

2代目

ガワを剥いた筆者2代目自作PC。
ライザーケーブルで奥にGPUを収納するサンドイッチ構造。
ITXケースながら360mmまでのラジエーターに対応。
IO(マザーボードに色々ケーブル刺す所)がケース天板または底面に切り替えられる変態構造だった

結論から言うと、ヘッドホンをしていても聞こえる、簡易水冷ポンプのジ――という微細な音が気になってしまった。
本格水冷にすれば静かなポンプもあるらしい…けど、今手に入るレベルの水冷は、自分には向かないという結論に至った。
耳が良すぎる弊害。

ここで、
静かで効率的な冷却のためには、大型のサイドフローCPUクーラーが一番
という持論が固まった。

初めてITX、それもサンドイッチ構造のケースを使ってみて分かったこともある。
GPUのそもそもの設計として、GPUのファンでヒートシンクに送り込まれた風は、基板に当たってあちこちにぶち撒けられる。
つまり、GPUはCPUクーラーいうとほぼ全てトップフローだ。
(うるさいブロワー式は論外として)
これはGPUをどこに配置しようが変わらない設計ミス

IOシールド側から見た時の図

ライザーケーブルでケースの反対側にじゃじゃ馬GPUを追いやっても、GPUまわりの滅茶苦茶なエアフローは設計上変えられない。
追い打ちをかけるように、自分が買ったPCケースは側面自然吸気/背面排気…つまりファンは後部排気用しかない。

これは完全にケースのせい
(けどサンドイッチ構造ってそれだけエアフロー難しいのよ)

背面の3連120mmファンでいくらケース内の空気を吸い出そうとも、空気の流れが少なく熱気が籠もる部分、つまり吹き溜まりができてしまう。
ケース前面の上部は、長時間のゲームや作業後に触ると、ホッカイロ程度には温かくなっていた。
側面を完全に塞いで、前面を吸気用のメッシュにしていたらまた違う結果になってたかも…

このケース高かったし見た目も気に入ってたんだけど、これじゃパーツの寿命的にも精神衛生的にも良くない。
次のPCの構成が練れ次第、使うパーツは残して、このケースも売ってしまうことにした。

ITXの代償

TechNewsより引用

ITXケースのデメリットに加えて、マザーボードそのものにもデメリットはある。

刺せるメモリの少なさ
ATXマザーボードでは、メモリ用のスロットが最低4つある。
多いものだと8つとかにも対応している(個人的にはそんないらん)。
これに対して筆者が選んだITXマザーボードは、2つのみ。
大容量のメモリを積むことでITX構成でもRAMを64GBにすることは出来るけど、値段は張る。
筆者はVRと動画編集作業のためにもメモリは多く積みたかったので、32GBメモリを2枚刺ししている。

じゃいいじゃんと思われるかもだけど、ここにも実は隠れデメリットが存在している。
メモリの容量ももちろん大事だけど、快適な作業に欠かせないのがメモリの速度…いわゆる周波数、メモリクロックと呼ばれるもの。
大容量メモリはこのクロック速度が一定速度までしかなかったり、あってもクソ高額だったりする。
筆者のメモリは1枚32GB、周波数は3200MHz。
32GBメモリの中では、価格ドットコムで在庫が確認できる中では一番周波数が高い。
それに対して1枚8GB~16GBのメモリは、4400MHzまでしっかりとラインナップが続いている。
将来的にメモリ速度が欲しくなった時、メモリ速度を得ながらメモリの総量は減らさず、周波数だけを上げるためには、より多くのメモリスロットが必要になってくる…というワケ。
…まだメモリ買い替えの予定はないけど、やっぱり最低でも4つはメモリスロットが欲しい。

拡張スロットの少なさ
もう一つデメリットとして、ITXは拡張スロットが少ない。
→機能を拡張してくれる拡張カードを差し込めるスロットのことネ
というかGPU用のPCIeスロット除くと無い。皆無。

昔の自作PCでは必要だったサウンドカードもLANカードもその他ポート追加用のカードも、昨今のマザーボードにはデフォルトでついてたり、ソフトウェア側で対応してたりするから、拡張カードをたくさん付けられるマザーボードの存在意義は最近では薄れてきている…
というかゲーム用PCではほぼ無い。

けど、まだ完全に絶滅したわけではない。
コンソールゲームを録画するためのキャプチャボード地デジチューナー、HTC系VRのVR無線化キット(日本では電波法的にはまだ違法)など、まだまだ使い道が残ってる。
いざそういう機能を拡張したくなった時、ITXマザーボードだと物理的に機能の拡張ができない。

筆者も「拡張スロット?いらねぇやそんなもん」とタカをくくってITXベースで2代目自作PCを組んではみたものの、この頃ちょうど拡張カードへの興味が湧き始めてしまっていた。
将来何が欲しく必要になるかも分からないので、次の構成はMicro-ATX…Mini-ITXよりは大きいけど、ATXよりは小さい少しニッチなマザーボードで組むことにした。

3代目

左が前面、右が背面、IOは天板側。
ライザーケーブルを使わないGPU直刺し。
底部には18cmの大型ファン
2代目のラジエーター兼ケースファンとして使ってたNoctua A12x25三枚をCPU用ファン&排気用ファンとして流用

3代目は新しく買ったMicro-ATXマザーボードに、もともと使っていたCPU、GPU、SFX電源を移植。
それと新しくサイドフロー式の空冷CPUクーラーを導入。
机のスペースがそんなにないので、やっぱり縦に長いやつが良い!
ってことで、もともとの構成そのままに新しい筐体に組み込んだ。
ケースとCPUクーラー以外ほぼ同じパーツだけどコレ3代目って言って良いんだろうか。いや、良い(自己肯定)

マザーボードを固定している側の側面以外は全面メッシュだし、18cmの底面吸気ファンとつよつよ背面排気ファンx2があればケース内の空気も循環するやろー!
勝ったッ!
第三部完ッッ!

そう思ってた時期が、筆者にもありました

多分、GPU周辺で温まった空気が押し出されるほど充分な空気を動かせていない。
GPUから前面のメッシュパネル(ファンなし)までが遠くて、穴の空いたストローみたいに前方からうまく空気が吸い込めず、じゃじゃ馬エアフローのGPUの周りに撒き散らされた熱気は、ゆっくりケース上部に立ち上る。
ちゃんと風洞試験とかしたわけじゃないから上図の矢印はあくまで予想だけど、IOパネルの温まり具合から見て多分かなり近い。

筆者が持ってる無線マウスのドングルは一定以上の温度に達するとトラッキングが飛び始める。
ケース上部に位置するマザーボードのUSBポートに刺してると、長時間負荷のかかる作業をしている途中で飛ぶようになるから、多分相当な熱が籠もってるんだと思う。

メッシュパネルも節操なく全面に設置されるとエアフローの予想がつかなくなるということらしい。
吸気と排気面だけしっかりと開いてて、ガラスかパネルで空気が通る部分は塞いだケースの方が良いかも…という教訓を得た。
側面がガラスなら、お金使ってきたPCパーツも見えるし、所有欲を満たすのにもいいかもしれん。
次のPCケースは、前後または上下のエアフローが良さげなら、側面ガラスパネルのケースにしてみよう…という結論に至った。


バカじゃねぇの(自己批判)

ここまでで得た教訓、定着した個人的なこだわりとニーズ、それらを解決するための希望を踏まえた個人的に理想的なPCケース…
通称「ぼくのかんがえたさいきょうのぱそこんけーす」(略してぼ考最ケ)の特徴をまとめると、

・ケースは可能な限り小さく(光学ドライブ/HDDラック不要)
・吸気と排気用のファンがそれぞれ付けられる
・エアフローは可能な限り直線的でシンプルに
・↑願わくば底部全部吸気、天板全部排気
・サンドイッチ構造めんどい、GPUは直刺しでOK
・高出力電源(ATX?)入れたい
・裏配線用のスペースは必須だよね
・サイドフローの大型CPUクーラーが入る
・IOは背面
・サイドパネルはガラス

以上をまとめた理想のPCケース…
こんな感じ?

いやこんなコンパクトにまとまったMicro-ATXとかいうニッチなマザーボード想定した完璧超人ケースあるわけないじゃんww
夢見んのも大概にせぇwww
なんて思いつつポテチぼりぼり食いながら本当に起業するか、PCケースメーカーにでも転職しようかとか本気で考え始めつつ、海外のPCケース検索サイトをポチポチ眺めてたら

ありやがりました

ぼ考最ケまんまで草

おまけに、こういう小型ケースでは省略されがちなフロントIOパネル(ケース前面のUSBポート)はあるし、Type-Cにも対応。
容積26リットル。

・光学ドライブ/HDDラックのない小さいケース ✔
・吸気用と排気用のファンがそれぞれ付けられる ✔
・エアフローは直線的でシンプル ✔
・底部全部吸気、天板全部排気 ✔
・GPUは直刺し ✔
・ATX電源入る ✔
・裏配線用のスペースアリ ✔
・サイドフローの大型CPUクーラーが入る ✔
・IOは背面 ✔
・サイドパネルはガラス ✔

完璧すぎる。
ケースの名前はJonsbo D30。
Jonsboは中国のメーカーで、メーカー名だけなら価格ドットコムにも一応名前は載ってるけど、D30は見当たらないし、日本向けの公式直販サイトとかもない。
D30は日本向けには売り出してないらしく、そもそも去年末に発売されたばかりで、取り扱い通販サイトも少ない。
その中でも、日本への発送に対応してる通販サイトは更に少ないし、対応してても送料がべらぼうに高い。Paypalにも対応してないので個人情報の流出も怖い。
Amazonにも一応あるんだけど、中国国内向け通販サイトの倍の値段する上にお届けまで最長1ヶ月💢

このご時世、アリババやタオバオに登録するために電話認証をするのも怖いので、泣く泣く定価の倍の17800円を払ってAmazonで買うことにした。
注文から2日後、大陸から発送通知が来た。
到着まで結局丸2週間かかったけど、この待ちながら追跡情報をチラチラ見る時間がまた中毒性が高い(病気)
届いて即日、3代目の中身を移植した。

4代目(現行)

箱めっちゃ角取れてたけどケースは無事だった

左側面(画像正面)はスモークの入った強化ガラスパネル。
奥も強化ガラスだけど裏配線を隠すためにも不透明。
今まで中身の見えないケースだった分、覗き込んだ時に所有欲が鬼のような勢いで満たされていく…
世のゲーミングPC所有者が軽率にPCを光らせたくなるのも何となく分かる。
やんないけど。

新スペック
CPU: Intel i5 11600K
GPU: RTX3080 10GB
RAM: 64GB DDR43200MHz
PSU: 1250W Gold

このケースのためにATX電源を新調した。
inwinのP125、ドドンと1250WのGold認証で21000円。
(〇〇認証は出力の安定度を示す評価システムみたいなもの)
現状手に入るSFX電源は最強でも1000Wまでで、最安値の店舗でも3万弱する上に、厳密にはSFXよりチョット長いSFX-Lという規格だから入らないITXケースも多い。

新電源の2万も出費的には充分イタいし、ケースで定価の倍払ってしまっているので、SFXに比べて安いってだけのお得感なんか実質チャラ…
それでも、仮にケースが定価で買えてたら、元のケースと750WのSFX電源を売った額を差し引いて、実質タダで電源容量を750Wから1250Wに強化したことになる。
さっきもちょっと触れたけど、SFX電源もITXケースもATXのソレと比べるとたっけぇんだ。
逆にパーツ売るときにはその高さがありがたいんだけどね

D30がドンピシャ理想通りのケースだったということもあって、不満はほぼ無い。一点だけ強いて上げるなら、このケースは薄いアルミ板をビス止めしたものらしく、滅茶苦茶軽いし剛性は期待できそうにない…というか捻ると少し歪む(!?)
持ち歩くものでもないし、まあ良いでしょう。
動かす時には気をつけなきゃね…

上下のファンはArgus Monitorというソフトでコントロールしてみた
GPUとCPU、どちらかの温度が高い方に応じてケース上下のファンの回転数を上げることができる。

おかげでMetro Exodus Enhanced Editionのベンチマークを1080p/最上級のExtreme設定でブン回しても、CPU/GPU温度はどちらも安全帯で安定。

急な温度上昇に弱いのは空冷のさだめか

平均fpsは94だった。


まとめ

自分が必要になるスペック的には、もうこの構成が現状の理想と言ってもいいかもしれん。
ケースも理想通りのものが見つかったし、スペックも充分バケモンで大満足。
何か嫌なことがあっても、このケースと中身に目をやれば自然と口角が上がるし、そんなものが作れたことが今はとにかく嬉しいし誇らしい。

思えば7年前から色んな知識とこだわりを身に着けつつ「何が自分にとって一番満足のいく構成か」を考え続けてきた。
出費は決して安いものではなかったし、授業料として払うこともあった。

それでも趣味としてやってきてよかったと思うだけの満足感があるし、この魅力が分かる人がもっと増えて欲しいとも思う。
パーツの大きさと互換性にだけ気をつければ、BTOでパソコン買ったよ~って人でも、好みのケースへの移植なら想像以上に簡単にできる。
パーツ1つからでもこだわりを持ち始めた瞬間から、自作は始まってる。
自作PCはいいぞ。

語ったら10000文字オーバーのクソデカ感情noteになってしまった。
出し切った感もあって次書くことなんも思いつかんな…
決まったらまた勝手に書くんで、そんときはよろしく~


いつもスキありがとうございます🙏
またこんど


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