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女の子は本当にピンクが好きなのか

アラサー・アラフォー時期を心身健やかに生き生きと過ごしていきたい、という欲張り3人組が始めたポッドキャスト番組の9回目。今回は三女まりがピックした、こちらのテーマについて話しました。

1.「 女の子=ピンク」はどこからやってきた?

今回は「女の子=ピンク」に象徴されるジェンダーステレオタイプについて、企業マーケティングの影響やお下がり文化、はたまた「グレーゾーンを許容する」ってどういうことか等々、話しました。

まず三女まり紹介のこちらの本から。

「女の子は本当にピンクが好きなのか」著:堀越英美(Amazon

特にその中でも
・「『女の子=ピンク』の歴史は、実は浅い」ということ
・「子どもがピンクを好きになるのは、企業のジェンダーマーケティングの影響がとても強い」ということ
を中心に色々三人で話しました。

三女まりからは、アメリカでピンクが女の子の色として広く定着したのは、第二次世界大戦後。そして日本でピンクが女の子のものになったのは、1960年代後半の歌手「ピンクレディー」の登場がきっかけらしいという話の共有。

アメリカに住む次女ともこからはTV番組「フレンズ」(1990年代前半から2000年代前半まで放映されていた)のエピソードで「ピンクが女の子の色として広く定着していた」様子が伺えるシーンのことが紹介されました。多分2019年の今これが放映されていたら、こういうエピソードにはならないのかも?

2.侮れないマーケティングの影響

また、実際のところ、男の子と女の子がどういう色に引きつけられるのかというのは、生まれながらの好みではなく、社会化や巧みなマーケティングの結果であるという研究があるらしく、その流れで子供用品・玩具のマーケティングについても話しました。

ジェンダー別の広告が極端になってきたのは2000年代に入る頃だったと言わているようですが、2013年にはスウェーデンにあるトイザらスのジェンダー別陳列廃止が起きていたり(以下参照)、少しづつ流れは変わってきている様子。

2015年にはアメリカ(で売上高第5位の小売業者である)のディスカウント百貨店チェーン「ターゲット」では、子ども用品売り場でジェンダー別の店内表示を廃止して、「男の子用寝具」「女の子用ゲーム」ではなく、「寝具」「ゲーム」にしたとか。

そういう流れを受けてジェンダーニュートラル性を意識している衣料品メーカーがターゲットを流通先に選んだという話も数年前に話題になりました。

おもちゃの世界でいうと、STEM(science, technology, engineering, mathematicsの頭文字)系玩具で女性科学者セットを販売しているレゴや、「You can be anything (あなたは何にでもなれる)」バービー人形シリーズなども、子供たちの手が届くところに置かれるおもちゃや学びの機会を「性差の面で包括的」(上記DIGIDAYの記事にあった言い回し)にしていこうという流れを共につくっている、と感じます。

レゴブロックの商品を巡っては今年1月、7歳の少女が同社に書いた手紙がインターネット上で広まり、話題を呼んでいた。

手紙には「(レゴの世界の)女の子たちは家の中やビーチ、買い物などで時間を過ごし、仕事をしていない。男の子たちは冒険に出たり働いたり、人々を救ったり、サメと泳いだりしている」「もっと女の子の数を増やして冒険に行かせたり、楽しいことをさせたりしてほしい」と書かれていた。

「一部店舗向けの限定生産」とされる科学者セットは1日に発売され、同社のウェブサイト上では4日までに売り切れとなった。
ロボットエンジニア(2018年)古生物学者(2018年)宇宙飛行士、宇宙科学者(2017年)科学者(2017年)大統領、副大統領(2016年)ゲーム開発者(2016年)起業家(2014年)

・・・・カッコいいですね。

とはいえ、まだまだジェンダーマーケティングのインパクトは今の世の中にまだまだあります。TED Talk でちょうどいいものがあるので、それを丁寧に日本語訳してくださったこちらのブログも掲載します。子育て世代に特におすすめな内容となっていました。

イギリスのLet Toys Be Toysのポスターがかわいかったので、そちらも。

3.積極的に選択する余地があるとき、消極的・合理的な選択により受け入れているとき

番組の終盤のほうでは、必ずしも子供にどの色を与えるかという選択は積極的なものばかりではないよね、という、日本の「お下がり文化」の存在についても話しました。

もったいない精神の中から家庭間、世代間でひきつがれるものが多い場合、子供本人がピンクがいい!好きだ!と思うかどうかとは別に、消極的・合理的選択によりピンクを受け入れているという場合もあるよね、などなど。

その一方で、積極的に選択したかったけれどできなかった・・・という三女まりは自分の学生時代のエピソード(大工用具かんなに「女の子用」「男の子用」があった時の話)を紹介。次女ともこは仕事で学ぶ機会があった「アンケートにおける性別の選択肢の多様性」を紹介したり、と話が広がったり。

4.ファッションとかエンタメではすでに日本は「性差の面で包括的」で先進的なものも?!

日本特有の話では、おもちゃや子供服というところではもしかしたら他の国に少し遅れをとっているかもしれないけれど、エンタメやファッションの分野では他の国に進んでいる部分もあるのでは?という話にもなりました。

うまれもった性にかかわらず、従来の男らしさ、女らしさの尺度にはまらない「素敵さ」「美しさ」にかなう装いを個人が表現の手段として選ぶ場は実は結構ありそうです。

例えば宝塚、例えば男性向けのスキンケア・エステ・メイク。

女性が男性の役も演じるという世界でも珍しい宝塚歌劇団は、世界で高く評価されているのです。

どんな分野においても選択を尊重する、またはグレーゾーンを許容する・・そういうことに結局は帰結する話なのかな、ということを思わされたエピソードとなりました。

この記事もなかなか興味深かったので参考まで。

りゅうちぇるのメッセージは、極めてシンプルだ。自分を大切にする。家事や育児など家庭内のことは、自分たちに見合ったスタイルで行う。他人に自分のやり方を押し付けない。 ただ、そんなりゅうちぇるのスタンスがスタンダードかというと、わざわざメッセージを発信してインタビュー記事になるほど“特別”なことで、まだスタンダードとは言えないというのが実情だと思う。この社会には「男らしさ」「女らしさ」という呪縛が残っており、それを当たり前の前提として構築されたシステムがたくさんある。

この記事の後半にある「マイノリティが何かを主張するたびに、上記のような流れで嫌悪感を強めている人も少なくないのかもしれない」というところも引き続き考えていきたいポイントだと感じます。

5. Thank you

・・・・と、こんな感じで引き続きedamameメンバーは、様々なテーマに興味を持ちながら、情報収集&振り返りを続けていきます。「今後こんなテーマについて話してほしい」などがあればFacebookにでも、website上のお問い合わせフォームからもご連絡いただければと思っています。

また他エピソードのアーカイブなどはウェブサイトをご覧ください。また、私たちの発信内容に興味を持ちそうなご友人がいれば、ぜひリンクをシェアしていただけると嬉しいです。

それではまた次回!

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