見出し画像

「生理と私・社会」をアップデート

アラサー・アラフォー時期を心身健やかに生き生きと過ごしていきたい、という欲張り3人組が始めたポッドキャスト番組の8回目。今回は次女ともこがピックした、こちらのテーマについて話しました。

1. 日本の外の「生理と社会」

世界の貧困問題に取り組んでいる非営利団体に勤める次女ともこから生理にまつわる社会問題をピックアップしてもらいました。大きく分けて4種類。

一つ目は商品とインフラが行き渡っていない問題
2019年現時点においても、世界のまだまだ多くの地域では、タンポンや生理用品が普及していなかったり、そもそも安全で個人のプライバシーが守られているようなトイレが身近になかったりという、状況が生理中の女性たちの生活に影響を与えています。生理用品の代わりに泥・葉・動物の皮などを使わざるを得ない地域も。

二つ目は生理に関する教育が届いていない問題
広い意味でリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)教育に含まれますが、UNICEFの調査によると南アジア地域の女性の三人に一人は初潮を迎えるまで生理に対する知識を全く持っていないというデータがあったり、イランの同時期の女の子の48%が生理は病気だと思っていたっというデータがあったりします。(参考:Normalising menstruation, empowering girls(2018)

三つ目は社会全体において生理のことをオープンに話せる環境が整っていない問題
これは一つ目の問題と重なって女子学生が学校を就学期に休みがちになることにつながったり(ひどい場合は4分の1を休む)、最終的に学校を中退することにつながったりと、生理中の女子学生を取り巻く環境はなかなか厳しい・・

最後に紹介されたのは経済的に定期的に消耗品として生理用品を購入することができない「period poverty(月経の貧困)」層が存在するという問題。
これはイギリスやアメリカでも存在する、むしろ近年拡大している社会課題で、イギリスの14−21歳の女性の10人に一人がperiod povertyを体験しているという衝撃のデータも。

One in ten girls aged 14–21 years in the UK can't regularly afford menstrual products, forcing some to stay home from school, and 42% have resorted to using makeshift sanitary ware such as paper and socks - Plan International UK

2. 日本の外の「生理と社会」課題解決策の色々

このPeriod poverty。日本では聞いたことのない概念ですが、対応に国や州ベースで色々な対策を出しているというのが印象的でした。

もちろんベンチャーもアフリカ大陸にはたくさん。

また、生理のことをもっとオープンに話せる環境へ、という動きの流れでMenstrual Hygene Dayという日が2014年以降始まったようです。

ミッションは「To break taboos surrounding menstruation, raise awareness of the importance of good menstrual hygiene management worldwide.」- https://menstrualhygieneday.org/

アフリカのみならず、インドを含む南アジアでもまだまだ生理をタブー視する文化的要素は根強いもの。それに対して映画というエンターテイメントを通じて問題提起していたヒット映画のことも話題になりました。実話に基づいた映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』です。

劇中、生理中の女性は「穢(けが)れているから」という理由で、家の中に入るのも許されず、ベランダや屋外の小屋で生理が終わるまで過ごさなければいけないという描写があります。「ハァ? いつの時代の話?」とお思いになるでしょう。私も思いました。しかしこれは2001年のインドでの日常の風景

あとはスウェーデン発ですが、こういうのもタブー視されていたところに切り込んでいく感じが素敵ですね。「経血を連想させる赤い血液を、堂々と広告クリエイティブで使用した、スウェーデンの生理用品を展開する」企業「リブレッセ」の広告です。

いやー、色々日本の外は想定外のことがいっぱいです。

3. 日本における「生理と社会」

日本での生理用品の出発点として、三女まりから「アンネナプキン」の紹介があったあとに

今年の6月にスタートした、「#NoBagForMe」というプロジェクトの紹介がありました。「生理は隠すものでも恥ずかしいものでもない」という考えのもと、「紙袋いりません」と言う選択肢をもつことを推進するプロジェクトで紙袋に入れる必要性を感じさせないような、従来のパッケージとは異なるデザインの商品を開発中の動きのようなのです。

パッケージデザインを担当しているのは、ユニ・チャームに所属する若手の男性デザイナーで、彼は美大の卒業制作では「デザインにおける性差」をテーマにしていたそう。彼の素敵なインタビュー記事はこちら↓

冒頭に紹介されていたような日本国外とは全然置かれている環境が違う日本国内でも、まだまだ「生理と社会」がアップデートしていく余地はありそうですね(生理周期のある女性のみに負担がかかる経済的コストへの考慮なども含め)。

労働基準法で女性のために定められている制度「生理休暇」の存在を知らない人や、それを取ることが難しい状況にいる人のほうが多いのではないでしょうか・・。

4. 「生理と私」をアップデート

他にエピソードでは、生理と引き続き向き合い続けるedamame姉妹として、耳寄り情報の交換をいくつかしえいました。

例えば最近ローンチされたウェブメディア「ランドリーボックス」。生理を起点に女性が抱えるカラダやココロの悩みに寄り添うコンテンツやアイテムの紹介がされています

また今年後半にデビュー予定のサニタリーブランドamiee(アミー)。第一弾商品として「使い捨て布ナプキン」の販売を予定しているようです。気になりますね。

ちなみにニューヨークの地下鉄内に広告が貼ってあったこちらのThinxという会社の下着もなかなか斬新です。(でもこの会社が広告をニューヨークの地下鉄に2015年にのせる過程には色々と反対意見&試行錯誤があったというストーリーも興味深いです)

あとは、自分の周囲に対して自分の生理についてどうコミュニケーションしているか、という話にもなりました。Sputniko!さんが作った「生理マシーン」のことも話題にあがりました。

アプリの「ルナルナ」もパートナーに周期を知ってもらう機能がついていたり、

伝え方、理解してもらうための工夫のあり方などは人それぞれだとしても、生理を体験する側もその周りにいる側の人たちにも、皆が快適に毎月を過ごしていけるような状況を作っていけるといいな、と思います。

皆さんの周りにはどういう「生理と私・社会のアップデート」がありますか?ぜひお聞かせください。

5. Thank you

・・・・と、こんな感じで引き続きedamameメンバーは、様々なテーマに興味を持ちながら、情報収集&振り返りを続けていきます。「今後こんなテーマについて話してほしい」などがあればFacebookにでも、website上のお問い合わせフォームからもご連絡いただければと思っています。

また他エピソードのアーカイブなどはウェブサイトをご覧ください。また、私たちの発信内容に興味を持ちそうなご友人がいれば、ぜひリンクをシェアしていただけると嬉しいです。

それではまた次回!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?