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Living apart together パートナーがいても、一緒に住まないという選択

アラサー・アラフォー時期を心身健やかに生き生きと過ごしていきたい、という欲張り3人組が始めたポッドキャスト番組の4回目。今回は三女まりがピックした、こちらのテーマについて話しました。

「Living Apart Together(通称LAT)」とは

オランダ人ジャーナリストのミシェル・バーキエルさんが提唱した新しいカップルのスタイルで、「別々の場所で暮らすカップル」のこと(LATに関する英語ウィキペディアの記事はこちら)。

イギリスではカップルの1割がLATのスタイルを取っているという統計もあるとか!日本語の記事もありますね。

パートナーとの距離感について

そんなLATという概念を踏まえた上で、今回のエピソードではedamame三姉妹それぞれの「パートナーとの距離感」について意見交換。

「結婚をしてからのほうがノビノビな感じだった」と振り返る長女さおり、「自分の周り(ニューヨーク)では期間限定LATをしている日本人が少なからずいる」という次女ともこ、「結婚してすぐに1ヶ月短期留学をしたときに周りにかけられた言葉top3」を共有した三女まり。

「ライフステージで『一緒にいるとき』『一緒にいないとき』があってもいいかもね」という長女さおりのつぶやきにうなずく2人。

「一緒にいないとき」の体験エピソードといえば、こんな素敵なものや・・

大学卒業後に就職した報道機関から、海外留学中の出産を経て34歳で国際公務員に転身。任務地は、紛争地。家族の同伴や呼び寄せはできず、夫(日本人)と幼い娘と離れて暮らす単身赴任生活は1年を越えた。
そんな学校に来て一番驚いたのは、女性のクラスメートが描く自由な未来だ。婚約者や夫を自国に残して来ている女性のみならず、夫と子供を自国に残している女性、夫を自国に残し子供と一緒に留学している女性が「普通に」いるのだ。

なんと「私たち2人がいいんだからいいでしょう」と20年以上も(!)「専業主夫」x「海外別居婚」を体験されているというこんな先端をいく人生の先輩のストーリーが流れてきたり。

edamame3姉妹も日々発見の連続です。本当に色々なかたちがある。

「パートナーと私」を最小単位にすることの注意点

また、物理的な距離ではないものの、「精神的な距離」というつながりで次女ともこが紹介したのはカップルセラピストで有名なEsther Perelの話。彼女は有名なTEDトークで、現代社会(特に欧米)における「ひとりのパートナーへ多くのものを期待する問題」について以下のように説明しています。

So we come to one person, and we basically are asking them to give us what once an entire village used to provide. Give me belonging, give me identity, give me continuity, but give me transcendence and mystery and awe all in one. Give me comfort, give me edge. Give me novelty, give me familiarity. Give me predictability, give me surprise.

今私たちがパートナーという1人の人間に求めるようになったものは、その昔は村全体が与えてくれたものでした。帰属感、アイデンティティ、継続性・安定性 さらに 優秀さや尊敬できる部分、神秘的でミステリアスな部分、刺激・・全てを1人に求めます。 安らぎ、ドキドキ、新鮮さ、 心の安らぎ・・予測可能な部分、 サプライズ、全てを期待します 。 

(おまけ:彼女はカップルセラピーのセッション内容をポッドキャストとして公開しているのですが、それもなかなか興味深い内容です)

私たちが無意識のうちに感じている「夫婦とはこうあるもの」「パートナーとの関係性はこうあるもの」・・・結局は自分たちの中にもバイアスがあるかもしれないように、物理的に「こうあるもの」というのもきっと色々な形があって、そのときそのときによるのかな、という気分にさせられます。

とはいえ長女さおりが言うように「物理的に、子の肉体は2分割できない」というのも事実ですよね。子供がいてLATを選択するには「パートナーが共にポジティブに建設的に最適解をみつけていけるような関係」であることが必要なんだろうね、と3人で話しました。

「2人だけの世界」「2人だけの空間」の閉鎖性を極力なくして、開いていくということ

最後は長女さおりによる「新婚直後に夫婦で3LDKの一軒家を借りて住みびらきをしていたときのこと」のストーリーの紹介。

LATが物理的に2人の間に距離を置くという方法で「2人の距離感や自由度を適度にチューニングする」という行為ならば、すみびらき・シェアハウスのオーナー的な役割を夫婦で担っていた長女さおりたちのケースは、似たような目的を、「間にあえて第3者を介在させて、ともすると閉鎖的で2項対立になりがちなマンツーの構造を、少しやわらかくしていくという」という方法で達成していたのかね、という話になりました。

その文脈で次女ともこがシェアした渋谷にある拡張家族ハウス「cift」は2017年にオープンしたもの。直近の雑誌GQ Japan9月号の特集「自由な家族」にも紹介されていました。

実はこういうことを考えたり模索したりしている人たちはじわじわと私たちの周りに増えてきているのかな?という気にさせられます。

今後色々な形のパートナーシップのあり方、家族のあり方などが世の中に広がっていきそうで興味深いですね!

ちなみに、Lobsterrという週次の「世界中の面白いビジネスやカルチャー、未来の兆しになるようなニュース」を届けてくれるニュースレターがあるのですが、edamame3姉妹がLATの話をしていたときにちょうどLATがLobsterrにとりあげられていて、そこの文章があまりにも素敵だったのでこちらに少し紹介しますね。

依存先を分散しながら、より軽やかにしなやかに社会と向き合っていく。
・・・伝統的な家族の枠組みを拡張・変革しうるような流れも出てきている。親友や離婚後のパートナーも含みうる、「新しい家族像」のようなものをつくっている人も多い。今後、プライバシーと独立性に配慮がなされた複数世代の家族からなる世帯や、友人や気の合うタイプの夫婦などで集まって暮らす、という新しい家族のかたちが生まれてくるだろう。ロマンス抜きで、子育てのためだけにパートナーを探す人も増えてきている。シングルマザー同士で集まる「CoAbode」という住居もある。
伝統的家族像の"伝統"には、たいした歴史もない。大戦前に国家が管理しやすい、という観点でつくられた制度も多い。せいぜい80年程度の歴史でしかない。また「理想的家族像」は誰かのつくったキャンペーンや幻想だったりする。
誰と結婚してもいいし、結婚しなくても、子どもがいてもいなくてもいい。血の繋がっていない子どもと一緒にいてもいい。どれもクールで、ユニークで、尊敬できるスタイルだ。共同体に生きる個人として、われわれは自分たちが住みたいコミュニティの在り方をデザインする自由、そして責任がある。

edamame3姉妹全員でため息をつきながら読ませていただきました。このテーマは本当に奥深いですし、これから色々なかたちがどんどん見える化していきそうですよね。興味深い流れです。

みなさんの周りにはどんなかたちのパートナーシップ・家族がありますか?今回のエピソードを受けて更に知りたくなったこと、疑問に感じていることなどはあったでしょうか?

引き続きedamameメンバーは、こんな感じで、ゆらぎの時期を生きるアラサー・アラフォーとして、様々なテーマに向き合っていきます。

4. What's Next?

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それではまた次回!

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