見出し画像

【シリーズA調達note】ミッション実現のために現状の成長スピードでは遅すぎる。代表片山が資金調達を決意した2つの転換点

Introduction
「ホテルの新たなインフラをともに創る」をミッションに、デジタル清掃サービス「Jtas」を提供するスタートアップ EDEYANS は、2024年1月、WMパートナーズおよびオリエンタルランド・イノベーションズを引受先とした第三者割当増資に加え、みずほ銀行および日本政策金融公庫からのデットファイナンスにより、総額4.3億円の資金調達を行いました。

今回から3回にわたり「資金調達 note」と題し、この資金調達に焦点を当てたインタビュー記事をお送りします。

第1弾となる今回は、代表片山のインタビュー記事です。エクイティでの資金調達をまったく考えていなかった EDEYANS が増資へと踏み切った背景には何があったのか?本音で語っていただきました。


なぜ EDEYANS は資金調達をしたのか?

ーー ズバリ、なぜいま資金調達したのか理由をお聞かせいただけますか。
より大きな挑戦をするためです。
「ホテルの新たなインフラをともに創る」というEDEYANSのミッションを絵空事で終わらせないためには、資金調達をしながら、事業拡大していく必要があると判断しました。

ーー なるほど。逆にいうと、自己資金による経営では限界があると感じられたのでしょうか?
そうですね。ここ3年ほどは、生み出す粗利益の範囲内で投資を行う経営を続けてきました。しかし、それだとミッション達成のためにあまりに時間がかかりすぎると気づいたんです。自己資金だけで経営することにこだわっていた時期もありましたが、いくつかの転換点があり、少しずつ考え方が変わっていきましたね。

ーー ということは、いままでに資金調達を検討されたことは一度もなかったのですか。
いえ、創業期(2018-2019頃)に検討したことがあります。
ただ、清掃という労働集約のビジネスモデル上、Jカーブ的成長を好むベンチャーキャピタルの方からは興味をもってもらえなかった、というのが正直なところです。

あとはなにより私自身に魅力がなかったんだろうなと、振り返ってみて思います(苦笑) 当時は「労働集約モデルだから興味を持ってもらえない」と整理して、エクイティによる資金調達を実施して事業を成長させるという選択肢を考えていませんでした。

資金調達決断の2つの転換点 

ーー 出資を受け入れるまでに、片山さんの中でいくつか転換点があったとおっしゃいました。 具体的にどのような転換点があったのか教えてください。
1つ目の転換点は、 EDEYANS の事業に対して「いける!」という確信を持てたタイミングです。私たちは、2018年に民泊事業からスタートし、2021年にホテルの客室清掃へと事業をピボットしました。

右も左もわからないところからホテル客室清掃の最前線で汗をかき続けること、早3年。現場の解像度の高まりとともに、どのようにすればホテルスタッフ、客室清掃を請け負う清掃会社、そこで働く清掃スタッフなどのすべてのステークホルダーにとってより高い価値提供ができるのかをイメージできるようになりました。

特にこの1年は、解像度の高まりと呼応するように、市場の反応も返ってくるようになりました。事業に対する確かな手応えを感じられたことは、資金調達を受け入れるための “前提条件” として何より大きかったと思います。

ただ、逆にいうと、見通しを持てたことはあくまでも “前提条件” にすぎなかったんですよね。

というのも、粗利益からプロダクトに投資しても、利益を十分に確保できる状態ではあったので。「自己資金だけでもいけるのでは?」と正直思っていましたし、手応えを感じたからといって、わざわざ外部から資金調達しようという発想に、すぐになったわけではありませんでした。

ーー ということは、資金調達を本気で考えるようになった転換点が、ほかにもあったんですね。
はい。2つ目の転換点は、上場企業の創業者の方にメンタリングをしてもらう機会があり、「マイペースに取り組んでいる間にカテゴリーリーダーを奪われるとめっちゃ悔しいと思うよ」と客観的かつ率直な意見をもらったことです。

取締役 兼 コーポレート本部長である野村と

その方からは1年前にメンタリングしていただく機会があり、 EDEYANS の事業はすごく面白いし、可能性があると評価いただいたことがありました。「これだけ面白い市場でチャンスも大きいのであれば、自分がファンドに在籍していたら間違いなく参入する」「いまのペースで事業を続けていても、自分たちが業界のカテゴリーリーダーなって、イノベーションを起こせると思っているんだろうけど、そんなに甘くないと思うよ」と伝えられたんです…。

ーー それまでとは考え方がガラッと変わる、まさに転換点になったわけですね。
まさに胸に突き刺さりましたね。
そのあともその方ならではの視点で経験をシェアしてもらいながら、「to Be 像が見えていて自信があるなら、しっかり腹を括って、投資した方がいい」とアドバイスいただきました。

そこから改めて「ホテルの新たなインフラをともに創る」という自分たちのミッションに立ち返り、人手不足を始めとした業界課題を解決し、クリーナーさんの地位向上を本気で実現するためには、いま資金調達を行い、一気にアクセルを踏むしかないと覚悟を決めました。

EDEYANS の可能性を信じてくださったWMパートナーズ、オリエンタルランド・イノベーションズとの出会い

ーー 今回、第三者割当増資の引受先となったのが、WMパートナーズ、オリエンタルランド・イノベーションズでした。この2社の決め手となったのは、どのようなポイントだったのでしょうか。

今回投資してくださった2社に共通するのは、私たちのビジョンに共感し、客室清掃の可能性を信じてくださったことです。

EDEYANS は、ホテル客室清掃管理SaaS「Jtas」の開発をしていますが、ソフトウェアの会社なのではなく、あくまでもホテルに客室清掃を提供しているサービス業の会社です。そのことをしっかりと理解してくださったことが最大のポイントでした。

増資をきっかけに ”ホテルのインフラをともに創る” という大きなミッション達成のために退路を完全に断ったというか、「自分たちがやるしかない」という使命感をより一層強く持ちました。投資のリターンを出す形で事業を成長させないといけないことはプレッシャーでもありますが、期待に応えられるよう、全力で駆け抜けていきます。

資金調達 note 第1弾、「なぜ EDEYANS は資金調達をしたのか」はここまで。第2弾では WM パートナーズ、第3弾ではオリエンタルランド・イノベーションズのインタビュー記事を予定しています。ぜひあわせてお楽しみください!

取材企画・協力 / 世界線株式会社

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?