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映像エッジAIデバイスの種類と最適なシーンの紹介

映像エッジAIとは、映像解析するAIを現場(エッジ)で実行して推論することです。クラウドに映像を送る必要がなく、高速でリアルタイムな処理が可能になります。しかし、映像エッジAIデバイスには様々な種類があり、それぞれに特徴や用途が異なります。この記事では、映像エッジAIデバイスの4つの主な分類と、それぞれのメリットやデメリット、適したシーンについて解説します。

1. ラズパイ

ラズパイとは、Raspberry Piの略称で、小型コンピュータの一種です。ラズパイは、低コストでコンパクトなサイズが特徴で、独自のAIアルゴリズムを使って映像エッジAIを実現できます。ラズパイは、小型店舗で陳列棚の前にいる人の数や滞在時間などのマーケティングデータ収集に多く使われています。

メリット
- 低コストで手軽に導入できる
- 独自のAIアルゴリズムを使える
- コンパクトで設置場所に制限が少ない

デメリット
- 処理能力が限られており、複雑な分析は難しい
- カメラや電源などの周辺機器を別途用意する必要がある
- 屋外での使用には防水や防塵などの対策が必要

適したシーン
- 小規模な店舗や施設での人流や動線の分析
- 簡単な物体検出や顔認識などのタスク
- 低コストで映像エッジAIを試したい場合

2. AIカメラ

AIカメラとは、カメラとAI処理用コンピュータが一体化した小型装置です。AIカメラは、置くだけで使えるなど設定が非常に簡単です。同様に小型店舗の人流や特定の場所への人の侵入などの検知に使われます。

メリット
- 設定が簡単で、すぐに使える
- カメラとAI処理用コンピュータが一体化しているので、配線や接続の手間がない
- 一部の製品は屋外での使用にも対応している

デメリット
- カメラの種類や角度などが固定されており、環境に合わせて変更できない
- AIアルゴリズムはメーカーが提供するものに限られる
- 処理能力はラズパイよりは高いが、高度な分析は難しい

適したシーン
- 人の出入りや侵入の検知などのセキュリティ用途
- 人数や年齢層などの基本的な属性分析
- 設置や設定が簡単な映像エッジAIを求める場合

3. 専用装置

専用装置とは、高度な映像解析を行うGPUが内蔵されており、LTE/WiFi/5Gの無線通信機能があり、屋外にも設置できる堅牢な装置です。カメラは環境に合わせて自由に選ぶことができるというメリットもあります。例えば、遠距離は望遠カメラ、夜間用には赤外線カメラといった具合です。EDGEMATRIXのEdge AI Boxは、この種の専用装置の一例です。

メリット
- 高度な映像解析が可能で、複雑な物体検出や姿勢推定などのタスクに対応できる
- カメラを自由に選べるので、環境に合わせて最適なものを使える
- 無線通信機能があるので、インターネットに接続できる場所ならどこでも使える
- 屋外での使用にも耐えられる堅牢な設計である

デメリット
- コストが高く、導入には予算や計画が必要である
- 設置や設定には専門的な知識や技術が必要である
- カメラや電源などの周辺機器を別途用意する必要がある

適したシーン
- 高速道路や駅などの屋外での交通量や人流の分析
- 工場や倉庫などの物流や生産の効率化や品質管理
- スポーツやエンターテイメントなどの高度な映像表現や分析

4. 小型サーバー

小型サーバーとは、現場の近傍の施設(エッジ)で使う小型サーバーです。こちらは汎用的なサーバーですので、処理能力は高く、同時に多数のカメラを接続したAI処理も可能です。クラウドに映像を送りたくない施設や工場内での映像エッジAIに向いています。

メリット
- 処理能力が高く、多様な映像解析が可能である
- 多数のカメラを接続できるので、広範囲の映像エッジAIができる
- クラウドに映像を送らないので、プライバシーやセキュリティが保たれる

デメリット
- コストが高く、導入には予算や計画が必要である
- 設置や設定には専門的な知識や技術が必要である
- 屋外での使用には防水や防塵などの対策が必要

適したシーン
- 病院や学校などのプライバシーが重要な施設での映像エッジAI
- 工場や倉庫などの広範囲での物流や生産の効率化や品質管理
- 複数のカメラからの映像エッジAIデバイスの種類と使い分けの続きです。

映像エッジAIデバイスの選び方

以上のように、映像エッジAIデバイスには様々な種類がありますが、どのように選ぶべきでしょうか?ここでは、以下の4つの観点から、映像エッジAIデバイスの選び方を考えてみます。

- 処理能力
- コスト
- 設置場所
- AIアルゴリズム

処理能力

映像エッジAIデバイスの処理能力は、映像解析の精度や速度に影響します。処理能力が高いほど、複雑な分析や高速な推論が可能になりますが、それに伴ってコストや消費電力も高くなります。処理能力が低いと、簡単な分析や低速な推論しかできませんが、コストや消費電力も低くなります。処理能力の高低は、主にGPUの有無や性能によって決まります。GPUがあると、画像処理に特化した並列計算ができるので、処理能力が高くなります。GPUがないと、CPUやNPUなどの他のプロセッサで計算しなければならないので、処理能力が低くなります。また、GPUの性能も、メモリやコア数などによって異なります。一般的に、メモリやコア数が多いほど、処理能力が高くなります。処理能力の観点から見ると、映像エッジAIデバイスの種類は、以下のようにランク付けできます。

- 小型サーバー > 専用装置 > AIカメラ > ラズパイ

コスト

映像エッジAIデバイスのコストは、導入や運用にかかる費用に影響します。コストが高いほど、予算や計画が必要になりますが、高性能なデバイスやカスタマイズができます。コストが低いと、手軽に導入や試用ができますが、低性能なデバイスや汎用的なものになります。コストは、主にデバイスの性能や機能によって決まります。性能や機能が高いほど、コストが高くなります。性能や機能が低いと、コストが低くなります。コストの観点から見ると、映像エッジAIデバイスの種類は、以下のようにランク付けできます。

- 小型サーバー > 専用装置 > AIカメラ > ラズパイ

映像エッジAIデバイスの種類と使い分けの続きです。

設置場所

映像エッジAIデバイスの設置場所は、デバイスのサイズや形状、耐久性や通信性に影響します。設置場所が狭いや不規則な場合は、コンパクトで柔軟なデバイスが必要になります。設置場所が屋外や厳しい環境の場合は、防水や防塵、耐熱や耐寒などの耐久性が高いデバイスが必要になります。設置場所がインターネットに接続できない場合は、無線通信機能があるデバイスが必要になります。設置場所は、主にデバイスの形状や素材、通信モジュールによって決まります。形状や素材がコンパクトで柔軟なほど、設置場所に制限が少なくなります。形状や素材が堅牢で耐久性が高いほど、屋外や厳しい環境での使用に適します。通信モジュールがあると、インターネットに接続できない場所でも無線通信できます。設置場所の観点から見ると、映像エッジAIデバイスの種類は、以下のようにランク付けできます。

- 専用装置 > AIカメラ > ラズパイ > 小型サーバー

AIアルゴリズム

映像エッジAIデバイスのAIアルゴリズムは、映像解析の内容や目的に影響します。AIアルゴリズムが多様でカスタマイズできるほど、映像解析の内容や目的に合わせて最適なものを選べます。AIアルゴリズムが固定されていると、映像解析の内容や目的に制限がかかります。AIアルゴリズムは、主にデバイスのメーカーやプラットフォームによって決まります。メーカーやプラットフォームが多様でオープンなほど、AIアルゴリズムが多様でカスタマイズできます。メーカーやプラットフォームが限定的でクローズドなほど、AIアルゴリズムが固定されています。AIアルゴリズムの観点から見ると、映像エッジAIデバイスの種類は、以下のようにランク付けできます。

- ラズパイ > 小型サーバー > 専用装置 > AIカメラ

まとめ

この記事では、映像エッジAIデバイスの4つの主な分類と、それぞれのメリットやデメリット、適したシーンについて解説しました。また、映像エッジAIデバイスの選び方について、処理能力、コスト、設置場所、AIアルゴリズムの4つの観点から考えてみました。映像エッジAIデバイスは、それぞれに特徴や用途が異なります。映像エッジAIが広く理解されるに従って、それぞれの使い分けや特徴がわかりやすくなっていくのでしょう。

EDGEMATRIXでは、映像エッジAIデバイスの一種であるEdge AI Boxを提供しています。Edge AI Boxは、高度な映像解析を行うGPUが内蔵されており、LTE/WiFi/5Gの無線通信機能があり、屋外にも設置できる堅牢な専用装置です。カメラは環境に合わせて自由に選ぶことができるというメリットもあります。Edge AI Boxは、交通量や人流の分析、物流や生産の効率化や品質管理、スポーツやエンターテイメントなどの高度な映像表現や分析など、様々なシーンで映像エッジAIを実現できます。映像エッジAIデバイスに興味がある方は、ぜひEDGEMATRIXの[サイト]や[ブログ]をご覧ください。映像エッジAIの可能性を一緒に探っていきましょう。