取材者の初期衝動

この間、あるアーティストのライブを拝見しました。

昔から音楽が大好きだった私は、高校2年のときに初めて“コンサート”なるものに行ってから、ずっとライブの虜でした。

音楽に興味がない人よりかは、多くのライブを観てきた自負もあります。

だからこそ、若い頃はライブレポートを書いたり、アーティストにインタビューをしたりする取材者側にものすごい憧れを抱いていました。ライブ会場で取材ライターらしき人がいたら、どんな動きをしているのかこっそり観察したりもしました。

当時は若かったし、好きなアーティストのライブに新鮮な衝撃を受けていて、少しでもそのクリエイションの源に触れていたかった。いつか仕事で書くことを想像しながら、個人的に熱いライブレポートを執筆しては、ブログやmixiに公開したりもしていました(今でもその記事が残っていてたまに読んでは悶絶する)。

そんな私が大人になって、取材する側にまわって。

もちろん今でも趣味で音楽のライブには行きますが、ライブレポートのために行くライブではおおはしゃぎすることもできないし、ちゃんと書けるようにメモを取ったりするようになりました。

ファン目線で感動して泣き崩れたり、大きな声援を送ったり、モッシュピットに突っ込んだり拳を上げたり、そういうことがたやすく出来る状況ではなくなったと思います。


で、冒頭の話に戻りますが。

そのアーティストは、活動し始めて比較的初期からライブを観させていただいていて。

お仕事で関わったことも何回もあります。

私は彼らの音楽がすごく好きで、4年ほど前に初めてライブを観てから応援していたのです。大きな会場のワンマンやイベント、節目のライブにはだいたい足を運びました。

そんな彼らの節目の周年記念ライブ。

今までは、応援はもちろんしていましたが、彼らの音楽も好きでしたが、「仕事相手として冷静に観なければならない」というある意味では冷めた目線を意識していました。

でも、そのライブを見て、私は涙が止まらないくらい感動してしまいました。

彼らの音楽を客観的に見ることなんて出来ない。だって本当にかっこいいし、天才だと思う。どの曲も衝撃的に、新鮮に、心に直接響いてくる。

ヤバいと思いながらも、ライブ中号泣しっぱなしでした。

客観的に見られないのは自分でも取材者として問題だと思うけど、掛け値無しの感動で涙を流させてくれた彼らに感謝しました。

そんな素晴らしいライブをしてくれた彼らに敬意を表して、これからもずっと応援していこうと固く決意しました。

アーティストとは、表現で人の心を動かす、衝撃を与える人たちのこと。

そんなアーティストに憧れて、感動して、少しでも近いところでクリエイションの源に触れていたくて、取材者を目指したことを、彼らのライブを観て思い出しました。

私はそんな人たちを取材できる立場を手に入れたことを、心から幸せに思いながら、日々の仕事をがんばろうと改めて思いました。素晴らしいアーティストが多数存在してくれている世の中に感謝をしながら。


もしライターや編集、取材者側にまわりたいファンの人がいたら、その立場を手に入れるために全力で頑張ってほしい。

憧れたアーティストに取材する楽しさ、自分でアーティストの素晴らしさを世の中に伝える楽しさを、ぜひ知ってほしいです。

熱く語ってしまいました。長々と失礼しました!!

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