New York Times注目の「わたし、定時で帰ります」 「米国=定時上がり」は誤解?

先日公開した「あのNew York Timesも注目『わたし、定時で帰ります。』」の記事が、予想以上に多くの方に読んでいただけているようです。驚きつつも、素直に嬉しい。

ということで、noteの編集や更新の仕方も満足にわからずに「見切り発車」のままですが、もう少しこの話題を深掘りしていくことにしました。

New York Timesが「わたし、定時で帰ります。」を紹介した記事には世界中からコメントが寄せられています。

あらためて見返してみると、ある「切実な」コメントが目に留まりました。

残念ながら、残業の問題は日本に限ったことではない。アメリカのパブリック•スクールの先生に聞けば、我々の仕事が残業を強いる構造だとわかる。1日6時間半、生徒に教えるのとは別に、授業計画を書く、添削する、レポートを書く、会議に参加する、クラスのウェブサイトを更新する、生徒1人ひとりに目を配り親とコミュニケーションをとるなど…多くの仕事を抱えている。1日のスケジュールは、朝5時半に自宅で仕事を始め、出勤後は生徒が来る前に会議か書類を片付ける。午後4時まで教える。その間にある、1時間の空き時間には会議が入ることもあり、実質お昼は15分でとることもある。週末は7時間は働いている。こういうふうに働くのは、完全に仕事をコンプリートしないと、評価にかかわるからだ。9時から4時まで生徒とすごす時間は大好きだ。でも、他の仕事は私を蝕んでいく。(英語コメントを要約して翻訳)

「先生は、激務である」。これはアメリカでも変わらないようです。

では、もう少し違う職種にも目を向けてみましょう。2015年頃、「ウォール街では休みは月に4日が限度 米国で増える若手の自殺」という記事が話題になりました。

米国のウォール街で、金融パーソンやインターン学生の自殺が問題になっている。過度な競争にさらされ、心が折れてしまうケースが多いようだ。2013年夏にロンドンのバンクオブアメリカ・メリルリンチでインターンをしていたドイツ人学生モーリツ・エルハルトさん(当時21)が、72時間連続勤務した後、宿舎のシャワー室で死亡しているのが見つかった。(略)米国では経済拡大の裏で、激務が引き金となり精神的に病む人たちが増えていることが問題になっている。米紙ニューヨーク・タイムズによると、競争が激しく、仕事のプレッシャーも大きい金融パーソンの自殺が増えているという。調査によると、自殺率は全米平均の1.5倍にもなる。

ウォール街という世界経済の中心働いているというと、華やかなイメージが先行しがち。けれども、激務ゆえに身体を壊したり、最悪の場合死にいたるケースもあるのです。

こうなってくると、単純に「日本=ブラック」「アメリカ=ホワイト」と定義づけられる問題ではなさそう。中国をはじめとした経済発展中の国々でも激務は問題になっていると聞くし(「わたし、定時に帰ります。」がアジア諸国でも話題らしい)。となると、ホワイトな働き方先進国は北欧のみでしょうか? 北欧、とりわけスウェーデンの人々の働き方(育休取得なども含めて)には興味があるので、後日あらためて記事にする予定です。


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