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【Edu-more plusライター企画】タイでの「ザ・男の子育て」vol.2~小学校時代


こちらは、Edu-more plus会員が海外子育て、海外での教育、帰国受験など海外赴任ファミリーの実体験を綴っていただく【Edu-more plusライター企画】の記事です。

タイのプーケットでダイビングショップを経営しながら、海外で実際に、ほぼ男一人で子育てしてみた私、ヒロの体験談。
前回の幼稚園時代に続き、今回は激動の小学校時代の話です。

前回、幼稚園時代の話はこちら



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【激動の小学校時代へ】


タイ、プーケットの「いかにもお金持ち相手の現地校(英語8割でタイ語もあり 学費年間90万程度)」で大満足な幼稚園生活の3年間を過ごし、なんと小学校はそのまま併設の付属校へ。この現地校、実は高校までついていたのです。もちろん迷う事もなくそのまま小学校へ進学した息子たち。
幼稚園児と同じメンバー、先生もタイ人1人、英語ネイティブ1人の2名が担任で、先生との連絡も英語で出来るし何も心配ないですね。

が、ですよ!奥様!! 
実はこの学校バリバリの進学校で、通常授業は15時半までですが、その後英語とタイ語の補習があって、小1にして学校が終わるのが18時近く…
さらに≪算数に弱い海外≫という概念をふっとばす小学1年生から掛け算。

12までの段を20の位まで、さらにそれを英語とタイ語で覚えるという、日本人からすると「え?え??」と思ってしまう学習カリキュラム。
ちなみに理科も英語とタイ語両方でした。

極めつけは各学期の成績優秀者学年10位までには賞状と商品。年に数回行われる校内算数コンテストではなんと賞金まで!(ちなみに1位は約5000円)…
我が家もこの波に乗らないわけにはいかない!大和魂をみせつけろ!と、日本の学習ドリル(うちは計算を繰り返しやるようなもの)を即アマゾンで購入、結果双子揃って毎年入賞できるようになりました。

賛否両論ありそうですが、我が子たちには、こうやって表彰されご褒美があるシステムが向いていたようです。
こうやっているうちに算数だけではなく、理科や社会(主に地理)を、「日本語の教材で説明(予習)→学校で英語とタイ語でダブルで学ぶ(復習も兼ねてる)」というサイクルが出来てきました。

タイの子供の日に合わせて校長自ら賞金を配ります

そして私も周りのママ友に褒められ、おだてられ、おぉ子育て良い感じ??となり… 繰り返し受賞する賞状、商品、賞金…
あー、これは親(私)と違って将来安泰だな。なんて思い始めましたが、最初の目的、「日本語を教え、日本語のマナーを身につける」はいったいどこへ? 予習こそ日本語でしていたものの、細かいところは、わかりやすいからという理由でタイ語や英語で教えてしまう…
礼儀とマナーを兼ねそろえた理想の日本男児どこへ行ってしまったのか…本末転倒のこれ以上ない見本になってしまいました…例えたら、田舎から出てきて都会にハマってしまった子のようです(笑)。

子供たちはどんどんタイ語が伸び、タイ語のスラングを覚え、授業こそ英語ですが休憩時間は常にタイ語。そう、タイののんびりした国民性にハマってしまったのです。笑

ここで日本人が非英語圏で学んだ時のあるあるなのですが、

・どうしてもガタイの良い白人よりも、背丈、体格の合うアジア人とつるみがち
・英語話せると思ってイキっていたら、英語ネイティブの冗談が理解できない
・家でどんなに両手!肘つかない!と食事のマナーを教えても、学校でみんなそんなことしてないので、一切身に付かない
・日本のアニメを自分のもののように自慢し始める

ありますよね???
私の感想では、日本的な食事マナーのような、「学校の周りの子がやらないこと」が、特に身に付きませんでした。

そして…「もう走り出したら止まれない!」と小3まではそのままのスタイルで突っ走ってしまいました。
次の転機は小4進級時。なんと小4~6年までは成績優秀者を集めたギフテッドクラス(スタークラスとも呼ばれてました)が、学年で1クラスだけできる事に。ちなみに学校内の人数ですが1クラス25名、全6クラスありました。

なんとこのクラスに入ると

・普通のクラスとは違う教科書を使い、特別カリキュラム
・なんなら制服にスターのバッジを付けられる
・年に一度スターキャンプなる特別な学習旅行(3泊4日)の開催
・学校の名を広めるべく校外の外部模試にも学校負担で参加可能
・気のせいか教室も綺麗だし設備も格上

と、親も子供も大喜びなシステムが登場。
まぁ今冷静に振り返ると、とても商売上手な学校ですよね。笑
もれなく我が家の双子もこちらのクラスを受験、合格、そして更にこの学校の虜へ。
日本で子育てしてないし、周りに日本人の子供がいなかったし、先行き不安になりはじめたのもこの頃です。だからこうやってイベントが事あるごとに、「勉学面は子育て上手くいってるな」「周りのそれなりの立場の親も同じことしてるから大丈夫」と子育ての進行先を一個一個安全確認しながらやっていた気がします。

あと日本と大きな違いで大満足していたシステムが、≪先生と直接Lineで連絡が取れる事≫でした。欠席の連絡も、持ち物の確認も、その日の良い事悪いことも。やっぱり連絡帳よりも「先生の生の声を聞きながら通わせられた」のは大きかったと思います。これってタイだけですかね?

小4からこちらのクラスでも勉強は大変になりましたが、親も子も大満足な1年を過ごしました。ちなみにこの特別クラスは毎年入れ替え制。年に一度受験がある感じです。
うちは運よく小5でもこのクラスに入れました。ですが、そろそろ出てくる中学受験の話…
この学校は英語が多い分、タイの進学校へ行かせようと思うと、そろそろタイ語のみにしないと受験間に合わないよって話なんです。タイで医者になるのも弁護士になるのもやっぱりタイ語オンリーの進学校へ行くってのがセオリーらしく、色々と動き始めなきゃいけない時期になりました。
「そうだよなー、そもそも我が家のキッズはどうしたいんだろう?」と思って本人たちに訪ねた所で、日々言う事がコロコロ変わる彼らの中の将来。
キミ達の中には何重人格いるんだ?と思わせる程。笑。
選択肢が多いって大変なんだな、と日本で生まれ育った当時アラフォーの私は初めて知りました。

【ここまで来たら!と180度回転して、まさかのインターへ転校】


そしていよいよ周りにも動きが出てきました。
同じ特別クラスの子たちは中学受験を見据えてタイ語の学習塾へ。特に算数と理科の理数系を鍛えていた印象です。
うちも日本の教材のおかげで得意な方だったのですが、正直小学校の勉強なんてやったもの勝ちという感覚があり、私自身はこのままタイ語の道へ進むのにも不安を覚え始めていました。
何よりも不安に感じたのが、教えている私自身も英語やタイ語でこの先上手に伝えられないし、何より塾行きを見送ったキッズ達と周りの差が出始めたことです。

そんな最中、今までの頑張りを神様が見ていてくれたのか、ブリティッシュ系のインターからスカラーシップ付きで転校してこないか?とのお誘いが!! これは後から分かった事なのですが、学校外部の算数コンテストでのアチーブメントが認められたそうです。

ちょっと話が逸れるのですが(いつも逸れまくりで申し訳ございません)、ここで勘違いしないでいただきたいのが、我が子たちは決して、特に日本で学習塾に通っている子に比べて特別に凄かった訳ではない事です。
うちが特に受けていたのは英語での算数のコンテストでした。
日本では考えられないでしょうが、何故かタイには母国語タイ語ではなく、英語で受けられる算数コンテストがいっぱいあるのです。何種類かあるのですが、タイ国内で成績上位の子供は毎年シンガポールやら香港やらと近隣のアジアで行われる大会に出られるというシステム。賞状やメダルも貰え、更に海外旅行にまで行ける。そこだけ聞くと「それは一部の算数の得意な子でしょ~」という声が出て来そうですが、そうではないのです!笑 
現に当時のうちの双子に中学受験の問題を解かせてみた所、手も足も出ない状態でしたもん。

タイ代表として香港のアジア大会に参加

コンテストの参加料は2-3000円程度ですが、現地の人からしたら決して安い額ではなく、ましてや小学生の時に算数を英語で出来るの言うのは一部の限られた子たち。なので、正直そこまで算数得意じゃなくても簡単に入賞できるんです。
そして海外に行く際も飛行機やホテルは自腹、もちろん参加料も更にかかる、なんならパッケージツアーまで用意されているという業者ウハウハのシステム。
うちは子供がメダルや賞状貰えると勉強のモチベーションになるならと良く受験させていたのが功を奏し、想像していなかったインターのスカラーシップという形でリターンになりました。
スカラーは二人とも50%オフだったので、今まで使った額とは比較にならない位コスパ良しの結果になり、小5の途中からYear6の開始に合わせて転校することになりました。

ちなみに当時の子供たちは、友達と離れたくないよーなんて言うかと思いきやノリノリで快諾。どこかインターの友達の英語力に憧れていたのかもしれません。

そして次回は…?

次回は、いよいよ、とりあえずは完結編。
これまた激動の中学校生活から、高校受験真っ只中の現在!までの話に続きます。
お見逃しなく!

★Edu-more plusライター:ヒロの活動のご紹介★

今回のライター、ヒロがお届けするYouTube「Wasabi Boys」も是非ご覧ください!

タイの有名人を紹介したり、日本とタイの違いを紹介したりの楽しいチャンネル。
もちろん、今回の記事の主人公、双子の息子さんも登場していますよ!

「Wasabi Boys」のインスタグラムものぞいてみてね!