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【学生に興味をもってもらう方法3】「講義の最初を質疑応答スライドにする」(大学講義コラムvol.5)


こんにちは、主にウェブマーケティングのクライアントワークや講師業を生業としている株式会社イーグッドの榎本晋作と申します。

「研修や大学の講義、自社のセミナ(ウェブグッドゼミナール)
培った"教え方"についてお伝えするシリーズ」

ですが、今回は第5回です。(大学での"教え方"シリーズ。

*ちなみに、第1,2,3,4回は、こちらです。

→「大学講師で一番大変なことはなんですか?」(大学講義コラムvol.1)

→「そもそも、大学の教員(先生)ってどうなってなるのですか?」(大学講義コラムvol.2)

→【学生に興味をもってもらう方法1】「40分前に教室に入り、なるべく1人1人と話す機会を設ける」(大学講義コラムvol.3)

→【学生に興味をもってもらう方法2】「大教室ではパワポのフォントサイズは24pt以上にする」(大学講義コラムvol.4)

さて、今回は、よくいただく

「学生が興味を持って聞いてくれるためのパワポの作り方」

の第2弾で「QA形式の導入」です。

QA形式の導入とは?

ブランディング論での講義でのQAのスライド。

QA方式の導入とは、本当にそのままで

「前回の講義のリフレクションシート(アンケート)で受け付けた質問を答える」

というシンプルなものです。

ヒントはYoutuberのTwitterでの質問受け付けから!
自分の質問に答えてもらえるとうれしい!

▲大学生に大人気のコスメYoutuber関根りささん。Twitterで「 #りさに聞きたい 」というハッシュタグを作り、Youtubeで答える形式を取られています。


「講師と学生の距離を縮める」

まぁ、マーケティング的に言うと、「顧客のロイヤリティーを高める」とか難しい言い方をするのですが、簡単に言うと「ファン度を高める」ということです。

昔、ラジオで自分の質問をDJさんが取り上げてくれると、テンションが上がった人も多いと思うのですが、まさにそれと同じです。

講師:ラジオDJ
学生:視聴者

というと

「教育的な側面から、その考え方はどうなんだ?」

と言われてしまいそうですが、ある意味、

「講義作りって、番組作りに考え方は似ているかなぁ〜。」

と、個人的には教壇に立っていて感じて、この方法をとってみました。

まぁ、きっかけは、Youtuberを研究していると、みなさん、様々な方法で、視聴者とコミュニケーションをとっていて、その中でもTwitterハッシュタグを活用した、QA番組が、すごく印象的でしたので、講義に応用してみました。

学生に聞いてみても、やはり、自分の質問が取り上げられると、すごくうれしく、講義に集中できるみたいです。


基本的には、どんな質問にも答える!
最初は関係作り、そのあとは将来に関する質問から優先的に!

▲ブランディング話を恋愛に例えて説明することが多く、このような学生っぽい質問もよくいただきます^^;。ちなみに、学生時代に裁判の傍聴が好きだったので、裁判の仕組みについて説明する意味で、上記の回答(画像)を使いました。


「真面目な質問以外ダメです!」

にすると、すごく息苦しい時間になってしまいますので、原則、

「どんな質問でOKで、取捨選択はこちらで行います。」

*170名ほどが受講するときもあるのですが、毎回、答えられるのは20〜30くらいなので取捨選択の必要があります。

まぁ、このような感じで質問を取ると、だいたい、感覚値ですが、

・結構まじめな悩み相談(試験や将来):20%
・講義に関する質問:20%
・たわいもない話:20%
・講師(榎本)に関する質問:25%
・そのほか:5%

みたいな感じで結構、散って行く傾向があるみたいでした。

何気に、私に関する質問が多くあるみたいで、やはり、
「現役の経営者」に対して、色々と聞きたいことがあるのかもしれません。
(まぁ、かなりプライベートなことも聞かれるのですが^^;)

*ちなみに、講義に関しては別途、感想の記述箇所があるので、QAのところでは少なくなってしまうようです。

答える質問で講義の雰囲気が結構決まってしまいますので、私として意識しているのは、このような感じです。

====================================

・講義の最初の方の回(3回目くらいまで)
→たわいもない質問も結構答える(目的は、関係作り)

・だんだんと関係ができてきたら(4回目以降)
→就活や進路選択などをメイン。

====================================

この辺は、学生とのさじ加減や講義の雰囲気、学生の状態などによって、かなり臨機応変に変わります・

どんな質問が来るかを3つほど紹介します!!

▲このような質問に対して、マーケティング的な要素を入れて回答すると、講義にも役立ち、かつ距離縮まっていくのを感じます。


量が多くてきりがないので、3つくらい最後に紹介して、締めせてください。

*全部見たい方はスライドシェアに上がってます。
https://www.slideshare.net/shinsakuenomoto/presentations


1.「就活に受かりたいです!どうすればいいですか!」進路相談系


3,4年生を担当していることから、このような質問が多いです。

ただし、就活の専門家ではないので、あくまで自分の意見であることを最初に述べて、なるべくシンプルに回答を作り、講義で解説補足します。

*講義を欠席した学生でもスライドシェアを見ると、確認できるのですが、講義中は、掘り下げて説明します。


2.「榎本さんはどこの国に行ったことがありますか?」(海外系)


私がもともと、イギリス留学ブロガーであったり、会社で『留学person』と『留学マネー』という留学メディアを動かしていることから、講義では「海外ネタ」は結構多くなります。

あまり、海外について調べたり、触れる機会がないだけに、海外ネタは学生もかなり興味があるらしく、結構、質問も多くもらいます。

「新しいこと(学生が知らないこと)を伝える」

将来の選択肢を増やす上では、とても大切なことですので、なるべく

「好奇心が源泉となっている質問」

には、積極的に答えるようにしています。


3.「ストレス解消法は何ですか?」(その奥に深いことが隠れてきそうな質問系)


最後に、私が結構大切にしている

「一見、よくある質問に見えて、
深い悩みが隠れていそうな質問」

についてです。

上記の質問は一見

「ストレス解消法をなんとなく聞きたい。」

くらいに思えますが、実はその奥には

「自分がとても大きなストレスを抱えているというサイン」

の可能性があります。

学生の話を聞くと、結構メンタル的にやられている方も多く、中には学校に通うことも困難になるケースも少なくないようです。

実は私も、学生時代に、メンタルに関しては何度かダメージをもらってしまったことがあり、同じような相談を匿名をした経験がありました。

このほかにも

「人間関係に悩んだ時はどうしていますか?」
「大学に通う意味って何だと思いますか?」

など、結構、シンプルですが、奥に深い事情が隠れていそうな質問もよくいただきます。

当事者の状況を把握しているわけではないので、アドバイスもできる立場ではないのですが、私としてはこのような質問には、なるべく

「自分の場合はこうだった(経験談)」
「先日伺ってきた話ですが(賢人の話を伝達)」

のように、ある種、「強制的(〜であるべき)ではない伝え方」をするように心がけています。


大教室でもいかに双方向の講義にするか!
〜創意工夫をこれからもお届けします〜

今回はよくある方法論で、企業研修の際もよく行っている方法です。

ですが、大事なのは方法論ももちろんですが、個人的には

「いかにして、双方向(一方的でない)の講義を実現するか?」

それを常に頭に入れて講義作りをしていくことだと思います。

日本の私立大学(諸外国をあまり知らないのですが)の場合、多くの大学で、200名近い学生が集まる大教室の講義が多く存在します。

私のような非常勤講師が任されるのが、200名ほどでなくても、こういう大教室型が多いように感じますので、ここは講師の技量と工夫が試され、そして力の見せ所!

ぜひ、こちらのnoteを読んでいただいた方で

「私はこうしている!!」

というものがあれば、教えていただけましたら幸いです。

本日も、読了いただき、まことにありがとうございました。

次回は、また、このシリーズで何かお届けする予定です!
(ノープランで申し訳ありません^^;)

株式会社イーグッド
榎本晋作

*ちなみに過去の講義も下記にだいたいアップしてますので、ご興味ございましたら。(一部講演スライドなども含みます。)

https://www.slideshare.net/shinsakuenomoto/presentations

何かアイデアがあれば下記の質問箱(peing)までいただけるとうれしいです。

*教え方やウェブマーケティング、大学講義などに関する質問募集しております。Twitterの質問箱にお願いいたします。(匿名で質問可能。お名前などは公開されません。)

*榎本晋作のプロフィールは下記ページにございます。


*講演/講義等の各種・ご依頼は
senomoto☆e-good.jp
はこちらまでお願いいたします。

毎週水曜日にウェブマーケティングのセミナーやっております(毎度、定型とはいえ、お知らせが多くて申し訳ありません・・。)


完読いただきありがとうございます。今後も、1人でも多くの教育者の方のための配信がんばってまいりますので、よろしければスキボタンを押していただきると嬉しいですm(__)m