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ツネ様(宮本監督) 解任と成功

先日、ガンバ大阪の宮本監督の解任が発表された。

18年から監督に就任し、昨年はリーグ2位・天皇杯準優勝の好成績であったが、今シーズンは10試合を終えて1勝5敗4分で暫定18位に沈んでいました。多くの強力な外国人選手、日本代表経験者を擁しながら、この成績は厳しい評価は避けられないでしょう。特に得点は10試合で計3点と深刻な状況でした。得点数だけでなく、その内容も得点を期待できるシーンは少なく、ほぼ攻撃の形がないように感じました。レアンドロ・ペレイラ、ウエリントン・シウバ、パトリック、宇佐美など個人能力に非常に長けたアタッカー陣がいてこの状態は監督の責任と言われても仕方ないでしょう。

上記の状況、チーム全体に漂う停滞感、今シーズンは4チームが降格ということを踏まえれば、監督交代を行ったクラブの判断は間違ってはいないと思います。

ではなぜこのような状況にチームは陥ってしまったのでしょうか?当然、原因は選手にもあると思いますが、リーグ屈指の陣容を考えると監督の責任が大きいと言わざるを得ないでしょう。

宮本監督の手腕で問題だと感じた点について、述べていきます。

➀知的な印象からは意外なモチベーター型で、具体的なビジョン・指示(特に攻撃)が欠けていた。ロッカールームでの長期密着映像があったが、選手への具体的な指示はなく、ただ『先に失点するな』『もっとやれ』など精神論が多い印象でした。勿論、チームの機密事項もあるのでしょうが。試合前後のコメントもどういったプロセスを経て点を取るかといった具体性が欠けたものが多い印象でした。

②堅実・保守的過ぎるマインドのため、思い切った采配が出来なかった。現役時代からも上記の印象は受けていたが、監督になってからも慎重になり過ぎて交代が遅く、後手に回る場面が多く見受けられました。ガンバのアイデンティティは、攻撃的なサッカーなので、監督のマインドとクラブのアイデンティティにも乖離が生じ、チグハグな状況を生んだと思います。

ここまで宮本監督にとってネガティブなことを書いてきました。勿論、今シーズンの成績・内容共に悪かったのは事実です。しかし、2018年のクルピ監督解任後、苦しいチーム状況の中、火中の栗を拾う形で監督を引き受けました。さらにシーズン終盤は9連勝を達成し、降格の恐れもあったチームを9位まで導きました。さらに昨季は2位の成績を残したのですから、間違いなく功績を残した監督と言えるでしょう。

私は、このタイミングでの解任が本人にとっても良かったのではと思います。このまま続投しても根本的な改善を図れるような雰囲気は感じませんでしたし、宮本監督自身にも改善を図れるだけの具体的なビジョンが無いように感じました。

まずはゆっくり休み、落ち着いて今回の経験を振り返り、足りなかったものを手に入れ、更なる進化を遂げて欲しいと願います。

今回の解任があっても、選手時代の素晴らしいキャリア、国際経験(ワールドカップ・FIFAマスター)、語学力、教養、ガンバの監督経験を持つ彼は、日本サッカー界にとって稀有な逸材であることに変わりはありません。

きっとこの挫折がさらに彼を進化させ、さらなる飛躍へ繋がるでしょう。

最後にこの言葉で締めたいと思います。

『挫折は、成功の前兆である』

若い頃は典型的な落ちこぼれで、誰からも期待されていなかったが、最後には英国首相となり、歴史上最も偉大なイギリス人と呼ばれるウィンストン・チャーチルの言葉から引用


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