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【絵本紹介】絶対読んで!「へんてこライオン」シリーズ

「絵本にはメッセージが必要だ」
と思い込んでいた若かりし頃の考えを
ひっくり返した絵本。

「へんてこライオン」シリーズ 作・絵 長新太

・しんくんとへんてこライオン
・ゆうちゃんとへんてこライオン
・ゆうちゃんとしんくんとへんてこライオン
・へんてこライオンがいっぱい
・こんにちは!へんてこライオン
・ありがとう へんてこライオン
・どうしたの?へんてこライオン
・やったね!へんてこライオン
など。
そのほかにもミニ絵本シリーズもあります。

「おひさま」(現在休刊)という絵本雑誌に連載されていて
そのDVD付録に収録されているのを観たのが
初めての出会いだったように思います。

今はEテレ「おかあさんといっしょ」のコーナーで
アニメーションが放映されていて
息子とわたしの月曜日の朝の楽しみでした。


若い頃
まだ絵本を描きたいな〜と思っていただけだった頃は
「絵本にはメッセージが必要だ」と思っていました。
それを明確にしなくては描くことなんてできない、と。

そして
「こんな優柔不断で、いろんなことに悩んでいる自分が
何を伝えられるというのだろう???
人生経験も浅いわたしなんかが
普遍的なメッセージなんて伝えられるのだろうか???」
なんて考えたり。。

歳を重ね、いろんな絵本に出会ったり
絵本作家の先生のお話に触れていくにつれ
「堅苦しく感じなくていいんじゃない?」
と思うようになっていくのですが
そんな風に思うようになったきっかけのうちの1つの絵本です。

なんてったってこの「へんてこライオン」は
理解しようとしても、不可能です。
読んでいて
「え?」「ええ?!」「えええ??!」
という感じ。
もうお手上げです。

五味太郎さんが本(「絵本作家のアトリエ3」福音館書店・母の友編集部)のインタビューの中で
「だれかを理解しようと思って一生懸命に無理することって、時に罪だと思うんだ。この人はおれを超えている、だから、よくわからない、というとらえ方のほうが、さわやかで価値があると思う。おれは長新太を理解しようとするのはとっくにあきらめてるの。長さんっていう『現象』がただそこにある、と思っている」
とおっしゃっていました。

絵本作家のアトリエ3


「へんてこライオン」を読んでいると、
「こういうことですね!五味先生!」
と叫びたくなる(笑)

理解しなくていい。
ただ、子どもとわたしが「へんてこライオン」を読んで
きゃっきゃと楽しんでいるこの状態が
素晴らしい絵本と出会ったということなんだ。
そういう風に思える絵本です。

奇想天外で、ちょっと常識に凝り固まった頭の中がほぐれ、
心が柔らかくなります。
また、文章が心地いい。
優しくてとぼけていてリズミカルで、、、

とにかく読んで楽しんでほしい
「へんてこなライオンのおはなしです。」

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