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マダム カラン・カランを読んで

 句集と、句友の自費出版本と今週二冊の本を頂いた。その一冊の自費出版本を紹介しよう。
かなり前に文章講座で書き上げたエッセー集と聞いていたからパラパラッと捲り義務を果たそうと読み始めた。「マダム カラン・カラン」の舞台(暮らしていた場所)がフランスだから冒頭の「アパルトマン」の名詞の一言から映像の世界でしか見ることが出来なかったパリの生活に誘い込む景色が書かれていて、憧れていたパリの生活羨ましくエピソード一つ一つが興味深く時間を忘れて読んだ。

 「ベルサイユ宮殿の噴水の開始祭は一斉に大音響とともに噴き上がり見事なものだが、その水が臭い臭い、たまらなく臭かった」と、言っていたことも出るかと今読んでいるところだ。
シーズン開始の日だから臭かったのだろう。調べると、大量に使う水を水道から調達できないから貯めて使っているらしい。同じ水を使い込んでいれば水が臭くなることも納得したが年中臭いのではと疑問が湧いてきた。

 ガチャガチャ手で扉を開け閉めするエレベーターが出て来るか期待したが四階に住んでいて階段を息も切らさず登っていたようだ。日本の階段と違い優雅な螺旋階段をこのエッセイに登場するトレンチコートとソフト帽の出達の刑事も映画のように上り下りしていただろう。
八百屋、魚屋、肉屋と其々の店へ行く昭和の話と変わらないが店主の容貌が一言も書いてないのに想像できる。これらもフランスが頭にあるからだろうか、勝手に想像してしまう
興味ある内容以上に文章に角がなくすっと読める文章で「私も文章教室に通えばこのようないい文章が書けたのに」と悔やんでいる。

母の日に送る「カーネーション」がフランスでは忌嫌う花と知らず失敗をしたようだ。ごみ箱に捨てられた赤いカーネーションをみて頭に血が上っただろう。いずれ去る人と見て、風習を教えてくれなかったのだろう。

もうこれ以上は内容の暴露になってしまうからこれまでにする。テレビで日本とフランスの違いなど紹介するが上滑りで生活感が感じなくこの本には敵わない。
ここに書かれていなかったヴェルサイユの噴水の話などこの続きが読みたくなる。


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