ネタバレ注意 Leben様.鬼神口碑 感想

Twitterでも軽く呟いたんですが2度聞いてぼんやりしてたところまで見えてきたのでこちらで改めて書きます。

先に申し上げますと当方言葉選びが大変に苦手で色んな感情が溢れ出て来て、その結果一言二言になってしまうことが多々ありますので語彙力はお察しください。

実はLeben様の作品は初見で、浅見ゆいさんが出演されてるということで買ったんですね(脳死)

災厄の力を持つ鬼の鬼城吉宗と、それぞれ異なる方法で災厄を封じる力を持った渡辺兄妹、こんなん絶対最後だれかいなくなっちゃうやつじゃないですかー!と思いつつ拝聴。

結論といたしましては「男同士ってイイよなぁ…」って感じです…はふぅ…。シーン2での暁から昔から仲が良いと言われた吉宗と藤の声を揃えての「「どこがだ」」、もうこの時点でごちそうさまです。

お互いにそんな風に言っておきながら、藤が調伏のためにもう一度太刀を握れるのか疑問視する暁に対し「藤はそんなにやわじゃない」と吉宗、里の人達から恐れられ吉宗を異形と言い放つ誠二に対し「恐ろしい人ではない、普通の人間です」と藤、憎まれ口を言い合いながらその実誰よりもお互いを評価してるのが大変に尊い。

そして物語のキーとなる藤の妹の美鈴。まーこの娘がとってもいい子なんですよねぇ…箱入りだとか世間知らずとかそういうことじゃなく本当に真っ直ぐなんですねぇ…。藤もそうですがこんな真っ直ぐで素直な兄妹と一緒に育ったらそりゃ吉宗も影響受けるわな…。

シーン5、舞の装束を着た美鈴を吉宗が「羞月閉花」と評する場面、最初に聞いたときは自分もよくわからなかったのですが調べてみると「月も花も恥じらい閉じるほど美しい」という意味だったのですね。意味が分かった瞬間それはもう悶えました。このシーン5はこの場面に限らず吉宗がぶっきらぼうに見えて何よりも渡辺兄妹を大事に思っているかがわかります。

シーン6、シーン5で入念に自分を封じる準備を描写しておきながら黒幕の薫子によって災厄の力が目覚めてしまう吉宗、ここちょっと疑問なんですけど「災厄の力の前には麻酔程度だが、人間としての命を削るには十分」というのは、吉宗という人間の肉体や命はあくまで災厄の力の宿る器、という認識でいいんですかね?

それはさておき、備えが無に帰されても渡辺兄妹が宿命に囚われないよう、その芽を摘むため鬼城家を襲い、その後美鈴に別れを告げに行く吉宗。美鈴も血の匂いが吉宗の物じゃないと聞いたとき全部察したんだろうな…。美鈴に名前呼ばせるところカッコよすぎるんじゃぁ…。お互い想い合っているのにそれを告げない、告げてはいけない、とっても切ないけど一番好きな場面の1つです。

同じ頃、薫子の術によって吉宗の幻に蝕まれそうな藤が術を破ったのは藤が吉宗を心から信頼しているから。シーン1の冒頭の布石がここで来ましたね。災厄の力が暴走しながらも藤に語り掛けた吉宗の言葉が藤を救ったんですね…。シーン1のサブタイ「阿頼耶識」とは仏教用語で出来事や経験を集積して心を形成する深層の意識とかなんとか。藤を救った「お前は強い」という言葉は藤にどれだけ強い影響を与えていたのかうかがい知れます。

暁から事の次第を聞いて覚悟を決める藤がカッコイイ…。ちょっと危うい感じだったのが嘘のようだ…。

シーン6のラスト、災厄に飲まれてしまった吉宗が美鈴の声で正気を取り戻す場面泣ける…そりゃ惚れるわ…。

シーン7、正直このシーンは感情がピンボールのように跳ね回りすぎてうまく言葉が見つからない…!自分で約束させたくせに…。吉宗カッコよすぎるよ…。

シーン8、会者定離、出会ったものは必ず分かれるということ。…もっと素直になっていれば違う結末になったのかな…と思わずにいられない。

「妹と思ったことなんてない」「弟と思ったことなどなかった」姉弟揃って同じ言い回しするんだな…。

このシーンもこれ以上言葉が見つからないなぁ…感想とは…。


もうね!吉宗役の天合正太郎さんの演技がヤバいの!マジ最高にカッコよすぎるんだよなぁ!!

むせたり咳き込んだりするのまでカッコいいってどういうことなの!?はぁ…すき…。

演出やBGMも最高で、話の構成もテンポが良いって言うのかな?情報量の割にすんなり入ってきて、とても聞きやすく濃密で面白かったです!

冗長で頭の悪い駄文をここまで読んでいただきありがとうございました。願わくばこの名作がもっと世に広まりますように。

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