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自分についている嘘は、ずっとあなたについてくるから

「プライベートが上手くいってれば、仕事なんて上手くいくから!」

社会人一年目のとき、先輩に言われた。打ち上げの飲み会がだいぶ深まってからの話なので、本人は記憶もしていないと思うけど。ずっと、忘れられずにいる話のひとつ。

社会人一年生で「できない」が多くて毎日のように職場で泣いてたわたしには、正直まっったく理解できなかった。こんなに忙しくて、家にいる時間なんて持ち帰りの仕事して仮眠レベルの睡眠時間とることしかできないのに。プライベートなんてどうやって充実させるんだよー‼って思ってた。

だいぶ今さらだけど、ドラマ『推しの王子様』を観ていて、先輩の言いたかったことが分かった気がした。


ドラマの第8話では、乙女ゲームが大好きで小さなゲーム会社の社長、比嘉愛未さん演じる主人公の泉美がスランプに陥る。自分で育ててきた年下の社員から告白されたとき、自分も好意をもっていたのに断ったことがきっかけ。

自分の「好き」を、ごまかした。

それだけなんだけど、急にこれまで大好きでこだわりをもってきた仕事も、ハマりにハマってきた乙女ゲームも楽しくなくなった。モヤがかかったみたいな状態になり、これまで即決できていたようなことも決断できなくなってしまった。これまでしたことがないようなミスもして…


「これまで泉美ちゃんが仕事を楽しめていたのは、自分の気持ちに正直に、これが好きだってまっすぐに言うことができたからだよ。でもいまは、自分の気持ちに嘘をついて、ふたをしてしまってる。だから、分からなくなっちゃったんじゃないかな」

ディーン様演じる光井さんのこの台詞がすべてだと思う。


仕事の自分とプライベートの自分。

分けて考えてしまいがちだけど、両方あわせたものが「あなた」。

たとえば仕事面だけでの隠し事をしていたとしても、あなたにとってはプライベートな時間もふくめて自分のなかに嘘を抱え続けることになる。

そうすると、本来は直観的に分かったことも、分からなくなっていっちゃうんだよな。


週末は毎週東京通っちゃうくらいすべてを注いでる担当がいることを職場では全力で隠してた頃は、いつも仕事用の自分をつくってた。仕事用の自分が好きじゃなかったから、プライベートで「お仕事は?」って聞かれても恥ずかしくて言えなくて、適当な嘘をついていた。そうすると、仕事の話もプライベートの話も言えることが何にもなくなっちゃって。あれこれ聞かれるのも怖いから簡単な雑談もできなくて。なーんてつまらない人間だったんだって、自分でも思うよ。


対象は何であれ、「好き」の求心力はすごい。

泉美が好きなものは自社の乙女ゲーム『ラブ・マイ・ペガサス』のケント様という、結構人にいうときに恥ずかしくなっちゃうものだけど。でもその熱量に惹かれて社員たちは「泉美さんが言うならば!」ってみんなでムリをしてくれたり、小さい会社で二人の異性から好意を寄せられていたり。最初は見向きもしなかった出資してほしい会社の社長の気持ちでさえも動かした。

最近は「好き」を究めすぎている人をTVで取り上げることも増えている。『マツコの知らない世界』とか『激レアさんを連れてきた。』とか。「どうしてそんなの好きなの~?」と半分ネタにされつつも、好きを究めている人の話って全く興味ない人も惹きつけられちゃうんだよね。(気づいたらわたしが好きで録画してみてる番組、「好きがヤバイ」みたいなのばっかりだったわ…笑)


「好き」をごまかすことは、ハマり症でオタクタイプな私たちにはきっと命取りになる。好きなことは好き!って言える場所で、生きていこう。それが一番パフォーマンス上がるはず。

オタクな趣味も、みんなで出せば、怖くない。




こちらも一緒によんでみて! 『推しの王子様』の話してます。


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