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人間を完全に理解した年


2023年は知的に大きく進歩した年だった。進化心理学に辿り着いたからだ。そうして自分のような人間は人生をゲームとして理解するのが一番だと気付いた。人間には目的があり、それぞれの振る舞いがある。それは端から見ると不合理だったり意味不明だったりするが、ただいい手とまずい手があるだけなのだ。

https://www.16personalities.com/ja/intj%E5%9E%8B%E3%81%AE%E6%80%A7%E6%A0%BC

人間というものの本質

 これは進化心理学にしかない。高校生のとき小説を書こうとしたが、登場人物たちの会話をどうすればいいかよくわからなかった。ひたすら不完全なものを作っている気がした。高校生までしか知らないのだから、まずもって社会人やらマフィアやらの遣り取りは書けない。作者が医者だったら登場人物たちが活き活きとした本物の医療小説を書けるだろうが、しかしそれでは原始時代の人々の会話を書ける作家はいない。「人間とはこんなものだ」という何か体得した価値観のようなものがなければ、あらゆる状況における人間の振る舞いを理解したがごとくの会話はつくれないのではないか。それなしにできるのは、せいぜい物語のためだけの登場人物をつくり、それをひたすら素晴らしいシナリオに沿って動かすことだ(推理小説、あるいは寓意小説のように)
 ヘルマン・ヘッセの「ガラス玉演戯」に「雨乞い師」というエピソードがある。それははるか昔、まだ文明が登場する以前が舞台だった。こんなシチュエーションでさえ書くことも、やはり人間というものを自分なりの理解に落とし込んでしまえばできる。
 原始時代に火の側で集まって饗宴したことと、現代においてVRChatで集まって酒を飲みたがることは同じだ。適応的な人間の振る舞いについて理解さえしてしまえば、後者の経験から前者を導き出すことができる。人間、いつの時代もだいたい同じことで揉めているので、原始時代でのそういったトラブルをつくって物語を動かすことができる。集団の中で誰でも欲しい限定的な資源、誰かがやらなければならない面倒で実のない労務――そういったものを巡っての「人間的な」ありさまについて説得力をもって描写することもできるだろう――進化心理学さえあれば。いまさら小説を書くつもりはないけれど。

余談

進化心理学の日本語youtubeチャンネルを探したがなかった。かわりに進化生物学chをみている(進化心理学のテーマもある)。進化生物学は古生物学やらの究極に具体的な分野と、進化論の応用という究極的に抽象的な分野が同居するのが興味深い学問だ。


 


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