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1日の中で、休息する時間を増やす

「あ、このままだと体と心がもたない」

そう思い、いま僕は1日の中で仕事に費やす時間を減らし、代わりに休息する時間を増やしている。世間はちょうどお盆休みのときで、仕事関係の連絡がいつもよりは少なくなる。仕事のペースを落とすには、タイミングが良い。

フリーライターを始めて5年目を迎え、ありがたいことに仕事は増え、仕事をご一緒する方には恵まれている。おかげさまで、楽しく働けている。

ただ、育児との並行となると、苦しい面がある。いま息子は2歳2か月で、自己主張がとても激しい。何をするにも自分でやりたがり、うまくできなければかんしゃくを起こす。スプーンでうまく味噌汁の具をすくえないのは仕方がないことだ。それでも、息子は自分ですくって口に運びたい。上手にできず、悔しくて泣いてしまう。何についても好き嫌いがはっきりとしてくるので、気に入らないことは「イヤ!」と突っぱねてくる。

成長の証なので喜ばしいことだが、何をするにも時間がかかる。息子の場合、とりわけ着替えが大嫌いで、全力で拒否してくる。オムツ一枚で部屋中を逃げ回り、着替えに10分かけることもある。食事も、着替えも、歯磨きも、すべて想定よりも時間がかかるのだ。たった1日ならいいが、これが毎日続くと、愛する我が子でも疲れてくる。

育児は観察と決断の連続だ、顔色はどうか、体は熱くないか、目は赤くないか、便の色やにおいはどうか、肌は荒れていないか。いろんなチェックをして、保育園に通常通り登園させるか、病院に行くか、夫婦ともに仕事で外せなければシッターさんを手配するかなどを決めていく。仕事のスケジュールも、子どもの体調を見て決めたり、調整したりする。これは気を使うプロセスだ。

そんなわけで、子育てについてのことは常に頭の何割かを占めているから、仕事は残りの脳キャパで行わなければならない。子どものことが占める割合は、息子の成長に応じて増えてきており、こないだまでなんとかやれたことが通用しなくなり、キャパオーバーを起こしてしまうこともある。

ライティングの仕事は、とにかく頭を使う。情報を調べ、整理し、適切に並べていく。片手間にできるものではなく、原稿に向き合うための時間と、頭と心のゆとりが必要なのだ。

仕事の手を緩めようと思い始めたのは、7月に息子から手足口病をもらったときだ。

息子と近くで接していたので感染しやすかったのはあるが、多忙のあまり僕は疲れていて、体が弱っていたことも影響したと思う。あのときは、自分に送られてくるメールやメッセージの内容が頭に入ってこないほどにヘトヘトになっていた。

実際にはスケジュールがめちゃめちゃ入っていたわけではない。休む時間、やることを整理する時間はあった。もう疲れすぎていて、いま自分が休むべき、ということを考えることすらできなかったのだ。それは大きな問題だと、手足口病の高熱でうなされながら思った。

僕の仕事は、依頼者の悩みを文字(ときに写真もあるけど)で解決することだ。読み手をイメージするにはクリアな頭がいるし、主にお受けしている子育てについての書籍や雑誌を読み、勉強する時間的なゆとりもいる。記事の見せ方をいくつも思い浮かべるには、自分が仕事を楽しめる状態にないといけないと僕は思っている。なのに、疲れていては柔軟な発想が生まれない。複数の媒体に関わり、2〜3の案件が同時進行しているから、頭をスムーズに切り替えるだけの元気も必要だ。

大好きなライティングの仕事を、これからも続けるために僕は休む時間を増やす。限界まで頑張って、無理をして倒れてしまえば、仕事関係者にはもちろん、妻や息子に大きな迷惑をかけてしまうから。体力的にも、精神的にも余裕があるうちに、休息を意識的に取ることは大切だと思うのだ。




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