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息子が生まれた日、僕が涙しながら聴いた曲を息子がいま聴いている

2017年6月3日午前5時28分、息子が元気な産声をあげて誕生した。

妻は夜中に陣痛を感じてそのまま入院。僕は陣痛室と分娩室で妻に付き添い、息子の誕生を見届けた。

夜のうちに連絡を入れていた両親が病院に駆けつけ、妻のケアを交代した。僕は睡眠をとるべく、一度自宅へと戻った。

この日は晴れていて、リビングに立つと優しい陽の光がカーテン越しに部屋に差し込んだ。コップに水を注いで喉の渇きを癒し、椅子に腰掛けて親になった喜びをかみしめていた。

自分の子どもができた。
自分の子どもが生まれた。

我が子と対面して、パパになった嬉しさから部屋でガッツポーズを繰り替えた。でも同時に、生まれて初めて体験する「親になる」という事実に、不安も抱いた。子どもが生まれた喜びと、育てていくプレッシャーが入り混じった感情を味わい尽くしていた。

着替えて寝室に向かう前、僕はスマホを手に取って、「BEYOND THE MEMORY」という曲を流した。韓国のミュージシャン「JULY」の曲で、落ち着いた曲調がお気に入りだった。

この曲を何度も何度も聴くうちに、僕の目からは涙が止まらなくなった。妊娠と出産をしてくれた妻へのありがとうの気持ち、僕らの間に元気に生まれてきてくれた息子への感謝の思いが心にあふれた。

そんな「BEYOND THE MEMORY」は、息子が好きな曲となっている。テレビをyoutubeにつなぎ、曲を流すと息子は画面の前に仁王立ちし、音楽に合わせて手を叩いている。

手を叩く息子の姿を後ろから見て、僕は親になった喜びを再び噛み締めた。2年前、息子が生まれた日にひとりで聴いた曲を、息子と一緒に聴いている。

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