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棚田の景色には、継ぎたい歴史がある

「#未来に残したい風景」。このタグを見つけて、ふと書きたくなったので、今衝動で書いている。

この1年で、劇的にハマった「棚田」をより多くの人に知ってもらいたいし、ぜひ棚田を私たちでも守っていきたいと思っている。

きっかけは、大学の卒業研究。
テーマ決めの段階では「環境と観光を結び付けた内容が出来たらいいと思っている」と教授に伝えた。正直ぼくが所属しているゼミとは少しずれていたので、この時点でかなり不安があった。けど、教授は「いいんじゃない」と言ってくれた。
ただ、ご時世はコロナ真っ盛りで緊急事態宣言も辞さない状況だった。だから、行動範囲がかなり絞られるため、研究のやり方を検討し直す必要があった。(元々は、湿地帯を研究したいと言っていて、釧路湿原での研究を考えていた。)
そして、その検討の中で、「うちの県内に棚田があるから、それをメインに研究してみたらいいんじゃないか?」となった。

こうして、棚田の研究に決まったことで、卒業研究は一気に進み始めた。
現地への訪問時期や焦点の当てどころなどを検討し、現地に住む方々に何を聞くべきかをリストアップしていった。
そこで、教授から同じ大学で現地で活動している学生を紹介してくれた。そして、メールでのやり取りが始まり、早速その学生の活動のオンラインミーティングに参加させてもらうことになった。そして、あれよあれよと現地へ行く日が決まり、そこで草取りのお手伝いをすることになった。

そして、初めて現地入りして、目の前に広がる景色に思わず声が漏れ出た。

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これまでに何度か山間の集落の景色を見てきたが、こんなに棚田と共存している光景はテレビでしか見たことがなかった。
実際にこの棚田に入り作業を手伝わせていただいた。途中にわか雨に降られながらも、夏にしては涼しい中で作業を終えることが出来た。

それから2度、ここに訪れさせていただき、多くの場所を見て撮った。

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これだけ素晴らしい景色は日本でしか見られないと思う。
しかし、この棚田の景色が今、消滅の危機に直面している。
棚田を持つ地域は現在も、棚田を受け継ぐ担い手の不足,耕作放棄地の増加などの問題に悩まされている。
それを救おうと行政や各団体が動いているが、まだまだ根本的な解決にはなっていない。
ぼくはこの解決に至るには、「認知度」が必要だと思っている。

こんなフレーズをどこかで聞いたかもしれない。
「守りたい・助けたいなら、まずは知ることから始めよう」
このフレーズに尽きると思います。

もしかしたら、あなたも一度は棚田の風景を写真や観光で見たかもしれない。
そんなあなたにはぜひ、その棚田がある地域の歴史も見てほしい
その地域にはただ棚田が広がっているわけではなく、そこで生き抜こうとした人たちの歴史が詰まっている
ぼくも現地の方や教授からこの土地の歴史を知り、過去の背景を知った。
それを知った後に見た棚田は少し違って見えた。
そんな経験をあなたにもしてもらいたい。


ここまで触れていなかったが、その学生(ここからは彼)が行っている活動は、「地産クラフトビールの作成」。
その地域の新たな名産を作り、地域振興につなげようとしている。
ぼくも縁あってこの活動に参加させてもらっている。
SNSも運営しており、Instagram「@irokawa_craftbeerproject」と検索すれば出てくるので、ぜひのぞいてみてほしい。

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ちなみに、その現地まで彼に乗せてもらったのだが、対面では初対面にも関わらず道中話が盛り上がったので、全く退屈ではなかった。(ほんとお世話になってます。ありがとう!)

ここは、和歌山県那智勝浦町色川地区。
興味を抱いてくださった方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

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