ゴジラ対メガロ 〜僕とジェットジャガーと時々ラドン〜
昼。桃とモッツァレラチーズのサラダをつまみつつ、冷凍ピザを頬張っていたら、急に怪獣映画が観たくなったので、僕らのAmazon primeで観ました。ゴジラ対メガロを。
ジェットジャガーはゴジラSPでしか知らなかったので、アマプラのサムネイル画像にホイホイされた結果です。ちなみにこの時点で、メガロはジェットジャガーの巨大化した姿の別名だと勘違いしています。びっくりするぐらいジェットジャガーの両サイドに目がいかなかったんですね。本家メガロもなぜかいるガイガンも背景の更地に馴染むカラーリングだから仕方ない。
以上にある通り、今回の全く知識を仕入ずIQ2の状態で鑑賞です。さて冒頭。ナレーションにより、地球上で核実験が行われていること、そしてその被害が怪獣島にも及んでいることが語られるなり……。
ラドン! ラドンじゃないか!
興奮のあまり思わずツイート。
するとマブダチ(注1)から意味深なリプライが飛んでくるではありませんか。
マブダチ(注1)の私的に動揺のあまり、タブレットに表示された映画の映像をスマホで撮影し必死の訴え。
画像がひどすぎて我ながら笑える。もう完全にあれですね、怪獣映画の冒頭でモブが怪獣を目撃→必死に怪獣の目撃情報を世間に必死に訴えるも誰からも信じてもらえない流れですね。
見たんだ! 私はラドンを見たんだ!
ほぼゴミみたいな画像ですが、Twitter上では幸いにもゴジラ対メガロでラドンが出ていたことは信じてもらえました。
ただもうこんなリプライが飛んでくる時点でもうラドンについてはもうお察しな気がしますが、希望を捨てず、ラドンの活躍を期待して引き続きゴジラ対メガロを観ていきましょう。
対メガロを観ていてまず度肝を抜かれたのは、子供への容赦のなさでしょうか。冒頭でロクちゃんと呼ばれる少年が、足をずぶ濡れにしながら不思議なイルカの乗り物に乗って登場。その後、謎の渦に巻き込まれかけるところまでは許容範囲ですが(乗り物にロープをかけて岸まで引き寄せるんじゃなくて、乗り物捨ててロクちゃん自身がロープを括り付けたらいいんじゃないかと思ったけど)、お兄さんの研究所に謎の悪者が登場!からの、少年への容赦のない膝蹴り。驚きました。ハリウッド映画でR指定が入る刺激的なアクション映画を何本も観てきましたが、子供へ膝蹴りを入れる、こんなにショッキングな映像は他で見たことがありません。その後も子供に向かって容赦なく撃つわ、コンテナにぶち込んで数十メートル吹っ飛ばすわ。真の平等とは時としてとてつもない厳しさを伴う、それを教えてくれたような気がします。そしてまたそのたびにケロッと復帰するロクちゃんのタフなこと。次作ではきっと、成長したロクちゃんがメガロとタイマンを張って世界を救うのでしょう。
しかし対メガロの見所は子供へ怪獣がいる世界で生きることの厳しさを教えることだけではありません。カーチェイスも見所だと思いました。しかもただのカーチェイスではなく、クラシックカーでのカーチェイスです。対メガロを撮影した時代を鑑みてもクラシカルな印象を受けます。次から次へといろんなクラシックカーが出てきて、車に興味がない私でも観ていて楽しかったです。ワイルドスピードもクラシックカー縛りをしてくれたら観れるのに……と実感しました。ワイスピはいかんせん、異教徒の映画というか、蛮族の文化というか、とりあえず全く違う文化圏の人間のものとしか思えないため、弟から「全話観ろ」と圧をかけられている昨今ですが、「TAXIで勘弁してくれ」と逃げ回る日々です。
話がそれました。
そうこうするうちに登場する、映画のタイトルになったメガロの登場。
ヤゴことメガヌロンの恐怖の再来でしたね…!? いや本当、虫系の完成度の高さはなんなんでしょうかね。メガロが羽根を広げただけで質感の生々しさに気が遠くなりました。いや、開いてなくてもキモい(注2)。なんなんですかねあの羽根の模様。筆舌にし難いとはまさにこのことです。首の辺りとかちょこちょこ生えている毛のような部分もただただキモい(注2)。ワイヤーアクションでやたら機敏に動くのがまた耐え難いです。早くこいつを燃やし尽くすんだ!
何かと耐え難いメガロですが、ダムでの登場は圧巻でした。水に濡れてさらに気持ち悪い(迫真)ながらも、破壊の限りを尽くすメガロ。あのシーン、本当にメガロがダムの側の橋を破壊しているようにしか見えませんでしたね。あんなの実在してたら舌を噛み切って死ぬ覚悟があるので、何回か死を覚悟しました。
そんなこんなでメガロの初対戦相手。それがまさかのジェットジャガーでした。そもそも、初登場では人間サイズだったジェットジャガー。そんなジェットジャガーは、対メガロをまだ観ぬ人間が想像する100億倍、特に理由もなく巨大化します。
そこでジェットジャガー製作者の貴重な一言「信じられん」
でしょうね。
しかしこの製作者さん、信じられんと言う割にはあっさりジェットジャガーの巨大化を受け入れます。それでいいのかロボット工学者。分析しなくていいのか理系(サチコと神ねこ様の影響)。
困惑が隠しきれない視聴者を置き去りに、ジェットジャガーは地球の平和を守るため、メガロと戦います。この直前にジェットジャガーは怪獣島からゴジラを呼んでいるのですが、ゴジラは海を泳いで来るので間に合わず、メガロに日本を破壊される前にジェットジャガーが食い止めなければならないからです。
メガロに力およばず、倒れ伏すジェットジャガーを前に私は思いました。
ラドン呼んだら良かったんじゃないか?
ゴジラと違って飛べますからね? ジェットジャガーの後をついていくぐらい余裕ですよ? マーベルのロキの如く、兄上の雷に予算を割かれてロキは魔術を使わない(注3)並みに、その素早さを完璧に表現してもらうことが少ないラドン。でも設定上、音速で飛べるからな?
呼んだら秒で来る(確信)。ガイガンが飛んでも余裕で追いつくし、ジェットジャガーと一緒に火の海に巻かれることもない。だって飛べばいいんだもの。音速の「たいあたり」と音速の「つつく」でメガロ&ガイガンコンビは完封ですよ!
しかし残念ながら、この映画の見所はゴジラ&ジェットジャガーのタッグ……。2人はプリキュアマックスハートかと見紛うくらいの、共に困難に立ち向かい、協力して強敵を倒すところが見所なのです。
ジェットジャガーがメガロを羽交い締めにしたところに、ゴジラが垂直飛び蹴りを二度もかますシーンは、ラドン呼べよと思いつつもフフフッとなってしまいました。
本当になんとなく観た映画でしたが、始まりから終わりまで一切飽きずに観ることができました。精巧なミニチュアや、派手でかつ圧巻の爆発の連続で、ツッコミどころも愛嬌のように感じる、素晴らしい映画でした。
ただ一点、気になることと言えば……。
アンギラスは爆発に巻き込まれた後、のしのし歩くシーンがあったけれど、ラドンはこのシーンを最後にその姿を見せることはなく……。どういうことなのか、公式の見解が待たれます。
注1:筆者は直接会わなくともclubhouseとかで話が合うとみなすと友達認定をするタイプのサイコパスです。
注2:人の手でこんなに気持ち悪いものが作れるなんて凄いなぁという賞賛の意。
注3:ディズニープラス独占配信ドラマ「LOKI」にて、ソーの映画本編でいかにロキの魔法が兄上の雷に予算を吸い取られているか証明されてしまった。
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