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うちの猫と去勢手術

我が家のグッドルッキングガイ、とら君。

とら♂

去年の6月、彼は一世一代の大手術を受けた。

去勢手術である。

話は1年ほど前にさかのぼる。あれはとら君を飼い始めて半年ほどが過ぎたころだったか。とら君の様子がおかしいことに気づいた。初めは鳴き声だった。

「んのぉ〜〜〜〜ご」

「むあぁ〜〜〜〜〜」

「ぬ゛ぁ〜〜〜〜〜っ!!」

酔っ払ったオヤジがクダを巻いてるようなクセのある鳴き声で鳴き出したのだ。正直聞いていてあまり気分の良い鳴き声ではない。スマホで【猫 鳴き声 変】で調べるとどうやら発情期特有の鳴き声ということがわかった。

発情期…色を知る年齢か!

最初は愛猫の成長を微笑ましく思っていたがそれから数日後ショッキングな一面を目撃する。

ある日、部屋の隅っこでとら君が香箱座りの体勢で座っているのが見えた。しかしなにやら様子がおかしい。時折フーッ!と声を荒げてモゾモゾとなにかやっている。

よく見ると丸めた毛布に馬乗りになり腰をカクカクと振って交尾の真似事をしているではないか。

そこでとら君と目が合う。殺気立った目でこちらをジロッと見つめてくる。そしてもったりとした鳴き声で「ぬ゛ぁぁぁぁ」と鳴いてきた。それはまるで「見てんじゃねえ」とこちらに訴えているようだった。

まずいところを見てしまった。こりゃ失敬とその場を離れる。年頃の子供が部屋でオナニーをしてるところノックもせずドアを開けてしまった親のような気分だ。なんとも気まずい。これがきっかけでもう甘えてこなくなったりしたら嫌だなぁ。猫にも反抗期ってあるのかしら。

そんなことを思いつつしばらくしてからとら君に近よると何食わぬ顔でいつも通り手をペロペロと舐めてくれたり頭をこすりつけてきたりしたので先ほどのことは気にしてないようだった。案外ナイーブではないのね。

しかしこのまま放っておくわけにもいくまい。猫の発情期について調べていくうちにわかったことだが、普段のトイレとは違い縄張りをアピールするため家中のあちこちにおしっこをしてマーキング行為をするようになる場合があるらしい。またそのおしっこがかなり臭いとのこと。

それに去勢手術をした方が発情期のストレスを軽減させられるし精巣の病気を未然に防止できるメリットもある。

飼い始めた時から去勢手術のことは頭にあったがついにその日が来たか。多少の出費は仕方あるまい。かかりつけの獣医の先生に相談し去勢手術の日取りが決まった。

そして手術当日。本人はなんのことやらわからぬ様子で病院にやってきた。緊張と不安でドキドキしながら先生にとら君を預けた。去勢手術と簡単にいうがあんな小指の爪ほどしかない小さい玉玉を摘出するのだからそれは大変な手術だろう。どうか何事もありませんようにと無事を祈った。


数時間後、先生から連絡が入った。手術は無事おわったとのこと。ほっと胸を撫で下ろす。少し麻酔が残っていたのかはじめは元気がなかったが次第に回復していつものように歩き回るようになっていった。

before
before

手術前、モフモフとしてぷっくりとした立派な玉ちゃん。

after

なんということでしょう。すっかり萎んで貧相な見た目に。毛も剃られてツルツル。同じ雄としてなんとも言えない感情になった。

術後のとら君

術後は傷口を舐めさせないように首回りにカラーを巻いて生活するのだがこれがなんとも鬱陶しいようでしょっちゅう壁やらドアやらに頭をゴンゴンぶつけていた。その都度しばらくの辛坊だから頑張ってねとおやつのちゅーるを与えてご機嫌をとっていた。術後の経過は良好でカラーは一週間で外せるようになった。

そして現在、手術前と変わらず元気に駆け回るとら君であった。術前は心配ばかりしていたが結果オーライ。かかりつけの獣医の先生には感謝してもしきれない。とら君、これからも元気でいてね。

転がり回るとら君

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