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Act-4の南早紀さんがもう白石紬そのものだったお話

かつて秋月律子役の若林直美さんが始めた『演じるアイドルを徹底的に再現する』という行為、今でこそ当たり前のように行われていますが、これがどれだけ大変かは語るまでもないと思います。その行為を始めた事への尊敬の念を込めて『神』と呼ばれる若林さんに、Act-4の南早紀さんがどうだったかをぜひともお聞きしたい。少なくとも私は、白石紬が『いる』としか思えませんでした。南早紀さんの表現力がズバ抜けているのはわかっているつもりでしたが、よもやここまでとは。そこには衣装だけでは説明できない、確かな存在感がありました。

そんなわけで、ミリオン10thライブツアーの完走、本当にお疲れ様でした。今回も南早紀さんと白石紬さんが凄過ぎたので、お二人に絞った感想を書き連ねます。
これを読んで、もし南さんと紬のことが気になったら、ぜひ今からでもアーカイブを見てください。3/4(月)の12時には販売終了する上に視聴は同じく3/4(月)の23:59までなのでお早めに!


1.衣装と髪型と美しい所作

今回まず語るべきは、なんといっても各アイドルの個別衣装です。おそらく紬なら最初のSSRの衣装である『ラピスラズリ・ノスタルジア』が選ばれると思っていました。しかし、あれは普通なら露出が多過ぎて大幅にアレンジが加わるタイプの衣装です。それでも紬を再現するために徹底的に努力してくれる南さんなら、『Code:EScape』も『十六夜ラディアータ』もほぼゲームそのままのものを着てくれた南さんなら、もしかしたら『ラピスラズリ・ノスタルジア』もそのまま再現することをOKしてくれるのではないかと、少なからず期待していました。

白石紬がそこにいました。
その圧倒的な存在感が、問答無用で白石紬だと認識させてくるんです。

現実に『ラピスラズリ・ノスタルジア』を着こなせる人が一体何人いるのか。少なくとも一番着こなせるのは南早紀さんで間違いないと思います。『似合う』なんて言葉では陳腐になってしまうほどの一体感があり、そして、とても綺麗な黒髪ロングストレートにワンポイントで紬の髪色が入っているというこの髪型が、むしろ紬の現実感を引き上げているように感じました。全て紬の色にしていたら、確実に現実感が薄れていたと思います。
冒頭で書いたことをあえてもう一度書きます。この南早紀さんをぜひ若林直美さんに見てほしい。あなたが始めたことを、ここまで真に迫るレベルで受け継いでいる人がいるんだと伝えたい。
ミリシタ感謝祭2019〜2020の時の後ろに髪をまとめることから始まり、8thの『花咲夜』の時の三つ編み、Act-2で銀髪を少し混ぜていたりと、南さんは常に紬に近づくために試行錯誤を繰り返してくれています。今回もきっとその一つで、今後もどんどん紬に近づいていくのだと思います。『リ・プロローグ・X』も声優さんの意見が取り入れられてるというお話も聞きますし、きっと和の要素が取り入れられた点や肩出しなどは、意外と露出の多い紬に合わせてくれている気がしますし、こういう努力の跡を見るたびに感謝の念でいっぱいになります。

さて、次から曲の感想を。

2.【Day1】花びらメモリーズ

いきなり泣かされた。ずっとフルメンバーで聴きたかったやつだよ!?
まさか南さんと紬の最初の出番がこの曲とは。ミリシタ感謝祭2021〜2022で南さんと大関さんだけで披露された、オリメンより重く見える『花びらメモリーズ』もそれはそれで良かったですが、やはりこの曲は恵美と桃子がいるからこそ輝く曲だなぁと感じました。キービジュアルのように4人が並ぶ日をいつかみたいね……
なんて解釈語りはともかく。直前までのほんわかしたMCの雰囲気を一気に押し潰す重厚なイントロに4人の悲痛な表情。歪んだ好意や2人に対する迷い、なんとかしたいというそれぞれの想いが込められた歌声に対し、南さんの歌声から響くのは孤高を貫こうとする悲壮な決意。この重苦しさ、そして歌詞から垣間見えるわずかな救い。これこそが『花びらメモリーズ』の真骨頂だと改めて感じました。特に2番のサビ前の、デラシネとしての紬の感情を爆発させたかのような絶唱は必聴です。まだアーカイブ間に合うから!ぜひ見て!!
そしてこの曲は立ち位置にも注目です。アルメリアの3人とデラシネの1人。2番と落ちサビの間の間奏で、そんな別れ方をする場面があるんですが、3人と1人の溝の大きさがハッキリと伝わってしまうんです。これ考えたの誰だぁ!!!!天才だけどキッツいわぁ!!!!
そして、そんな重苦しい曲をかっこよく見せてしまう後ろのモニターの演出。一見厨二的な演出でかっこいいんですけど、歌詞をよく読み解くとどうしても深読みしてしまう。曇ってたり花びらが舞ったり、お花のエンブレム的なのが分割されたりとかもうね。多分考え過ぎだと思うだけど、それだけ歌詞も背景もエグいんだよこの曲は!!!!プリザーブドになりたいとかやめてくれよ!!!!生きて花開いてくれよ、4人ともさぁ!!!!

すいません、取り乱しました。この曲はミリシタの花びらメモリーズのコミュを読むと破壊力が跳ね上がります。ぜひとも読んでください。そしてもう一度ライブの花びらメモリーズを聴いてください。多分コミュを読む前後で別物と化します。

あ、これだけ言わせてください。
先代アルメリアだけは何があっても許さない。

3.【Day1】矛盾の月

イントロが流れた瞬間に変な声が出そうになって、ギリギリのところで踏みとどまった私を誰か褒めてくれ。十六夜ラディアータを着た3人がこの曲を歌うことは、それだけ特別なんです。8thの時に奪われた大切な時間をようやく取り戻せたんです。花咲夜の中に担当がいるなら、絶対にこの曲を待ち望んでいたでしょう。そして何より、花咲夜のお三方がそれを一番望んでいたはずです。良かった……もう一度歌う機会が訪れてくれて、本当に良かった……

またしても取り乱しましたが、こればかりは仕方ないです。許してください。朋花様のパートで生の歌声が聴こえてきた時の感動をどう表現すればいいか本気でわからないんだよぅ……

はい、そろそろ感想に戻ります。この曲は振り付けの可愛さと、お三方の歌声と表情の妖艶さの対比が絶妙ですよね。『百花は月下に散りぬるを』では直線的な動きもあり、かなり早い動きが多かったですが、こちらはゆったりと、ふわふわとした動きが本当に可愛くて、なのに表情は妖艶という対比を見せつけられ続けるので、良い意味で気が狂いそうになります。そしてここでまた南さんがその表現力を、そしてNG無しの十六夜ラディアータ完全再現をこれでもかと活かしてきます。普段の力強い音圧が鳴りをひそめ、すがるような甘い声が混じる歌声。誘うように目尻を下げて、こちらを見つめる瞳。髪の毛やスカートのフリルを狙ったかのようにふわっとなびかせる柔らか動き。そして十六夜ラディアータを見せつけるかのようなポーズの数々。リリイベの時から凄まじいと思っていましたが、8th、そしてAct-4を経て、回を重ねるたびに妖艶さが圧倒的に増しているんです。普段、ライブなどに行く時は後で南さんにしっかり感想を伝えるために1秒たりとも見逃さないように記憶することに全神経を傾けているんですが、矛盾の月の時はただただ魅入られてしまいます。おそらく十六夜ラディアータを着ての披露はもうないでしょうが、多分あの光景は一生忘れられないと思います。お三方が揃った記念すべき舞台としても、ただただ魅入られてしまった記憶としても。

でもやっぱり今回はこれに尽きます。
郁原ゆうさん、南早紀さん、小岩井ことりさん。3人が揃って矛盾の月を披露できたこと、本当におめでとうございます。そして、本当にありがとうございます。

4.【Day1】電波感傷

紬と歌織さん、そして南さんと香里さんの2人だけで歌う日を、私は6年近く待ちました。4thの時に出会ったお二人はもっと長い間待ったと思います。『Justice OR Voice』の時も嬉しかったですが、やはり2人だけというのは特別なもの。まして結婚してしまうほど仲の良いお二人なら尚更です。ミリラジ公録で披露された時点でほぼ完成と言っていいクオリティでしたが、さすが先輩方との4年の差をたった6年で埋め切った努力の天才のお二人。当時とはもはや別物と言えるほどの完成度でした。
交互に混じり合うお二人の歌声がだんだんと力強くなっていくのがとても心地良く、サビではお互いの歌声を交差させて自分のパートの時に相手の歌声の残響が聴こえるような歌い方をされていたのがとても印象的でした。CDやミリラジ公録でやってなかったので、あれは今回から取り入れたのでしょうか。あの残響がお二人だけのデュオ曲だというのを強調している気がして、とても嬉しいと感じたのを覚えています。
そして何よりも、お二人から『楽しい』『嬉しい』という感情が、歌を聴くまでもなく伝わってきたのが本当に嬉しかったです。いつもニコニコしている香里さんはもちろん、真剣な顔をしつつも時折笑顔が漏れる南さんがなんだか可愛くて、あんなに激しい曲中に微笑ましい気持ちになってしまいました。実際、お二人とも楽しくてはしゃいでいるようにも見えたんです。お二人にとっても念願のデュオ曲ですし、何度やっても嬉しいですよね。あの様子を見ていたら、6thライブで「ありさちゃんと一緒に歌えて本当に良かったー!!!!」と叫んでいた南さんと、それを聴いて涙ぐむ香里さんを思い出しました。また一緒に歌える日が来て本当に良かったね……また何度でも歌えると良いね……!

5.【Day2】瑠璃色金魚と花菖蒲(ミリシタVer.)

2017年9月17日(日)に初めてこの曲を聴いた時、「いつか『ラピスラズリ・ノスタルジア』を着た南さんがこの曲を歌うところを見たい」という、とても強い願いが生まれました。それが叶ったらもう死んでも良い、そう本気で思えるほど、あの日の『瑠璃色金魚と花菖蒲』は衝撃的でした。
ただ、ミリオンライブのコンセプトを考えると、それがほぼ実現不可能というのもわかっていました。そんな風に諦めていた夢が、Act-4のDay2でついに叶ったんです。これがどれだけ嬉しかったことか。もう死んでも良いと、イントロを聞いた段階では本気でそう思っていました。

南さんの最初の一音の時点で、それが間違いだと気付かされました。

Kアリーナの音響を貫かんとどこまでも伸びる歌声、優雅で水の流れのような、けれどすごく大きく見える綺麗な振り付け、そして余裕すら見えるほど自信に満ちた美しい表情。過去に聴いたどの時よりも、あらゆる面で圧倒的に洗練されていたんです。Act-3の時だって十分過ぎるほど凄かったはずなんです。それどころか南さんは最初から凄かった。単に次にステージのために努力し続けて、最高を更新してきたというだけの話です。それだけのはずなのに、今回はそれがとんでもない偉業のように見えました。多分それは、南さんからこれまで見えなかった『自信』がハッキリ見えたからで、歌声にも自信から来る声の広がりのようなものを感じたんです。この後のMCでも自信に満ちたコメントをされていましたし、ほぼ間違いないと感じています。自己評価が恐ろしく低い南さんが自信を身につけたら、もはや無敵ではないですか。そして自信をつけた南さんなら、どこまでも最高を更新し続けるに決まっている。それを見逃せるはずがないと。そんな風に感じたんだと思います。
ラスサビの「私きっとーー」という歌声、生の歌声が300レベルの後方にいた私にまで間違いなく届きました。それほどまでに南さんの歌唱力が高いレベルに達しているということなんです。私は本当にとんでもない人を応援しているんだと、そして6年前にこの人を応援したいと思ったことは間違いではなかったと、改めて感じました。ミリシタと同じサイズだったのに満足度は過去最高、しかもフルバージョンという伸び代まで残している。南さんの大きな可能性にただただ感動で打ち震えるばかりでした。さっきまで念願叶って死んでも良いと思っていた男はもうそこには無く、ただ南さんと紬のこの先を見守りたいと願う愚か者が存在するだけとなりました。

6.【Day2】REFRAIN REL@TION

この曲への想いは大体ここで語ってしまっていますが、今回は念願の5人バージョンというだけで嬉しさで泣きそうでした。もちろん39人バージョンだって尊いし、ソロコレクションも全部買っちゃうぐらいには好きです。でもそれとこれとは話が別で、やっぱりこの曲は『Team8th』の曲であってほしいと、そう願っています。だって歌詞はこの5人のことを歌っているんですから。

さて、今回の『REFRAIN REL@TION』ですが、2つ推したいポイントがあります。一つは1番の紬と翼のパートの『くれるのはその笑顔』のところ。南さん特有の弓のように目を細めて笑う、最高に可愛い笑顔を見せてくれています。カメラさんグッジョブ。マジグッジョブ。歌詞に合わせての笑顔だと思うのですが、紬もあんな風に笑ったら可愛いんだろうなぁと自然に思えました。南さんのあの笑顔、本当に好きなんです。
そしてもう一つ、5人バージョンといえば落ちサビラストの3回目の『ここでーー!』を紬が担当していることです。歌に込めた想いを全部解き放つような高らかな歌声を聴けて、自然と涙が流れていました。凄く大事なところを紬に任せてもらえたことが本当に嬉しかったですし、やっぱり現地で聴きたいと強く願っていたんです。
この5人がただキービジュアルにいるというだけでなく、『Teams8th』という絆ができたことがミリアニでは1、2を争うぐらい嬉しい出来事だったかもしれません。なにせ、ミリシタ配信直後から始めた私は、なんの疑いもなくこの5人がすぐに一緒に歌うと思ってたからです。それがまさか6年も待たされるとは……本当に思い入れがある5人なので、時間と資金に余裕があれば、Team8thにもお花を出してあげたかった……それが数少ない10thライブツアーの心残りになってしまいました。いつかタイミングが来たら今度こそ出してあげたいな……

またこの5人が揃って歌う日を、いつまでもお待ちしています。

7.【Day2】ESPADA

コロナ禍の中で生まれたこともあって、『ESPADA』を含む『MILLION THEATER SEASON』はライブでのお披露目が非常に貴重です。9thでメドレーでの披露はあったもの、『ESPADA』は『MILLION THEATER SEASON』の中でも特に熱い曲なので、是非ともフルバージョンを現地で聴きたいと思っていました。そして実際に披露されたこの曲の熱さは想像をはるかに超えるものでした。半分ぐらいは『可愛い』というイメージが強い子なのに、この曲でのかっこよさは何事か。特にセンターを務める末柄里恵さんの、ラスサビ前の絶唱はものすごい迫力でした。
そして南さんと紬だって負けてはいません。元々音圧の強い歌声を得意とする南さんにとっては得意分野とも言える曲でしょうし、真っ直ぐに突き刺すかのような歌声と、剣のように鋭い振り付けには目を奪われました。どちらかといえば守られる側のイメージな紬が凛々しく剣を振る姿は本当にかっこよかったです。ただでさえ凛々しい女性が剣を振る姿に弱いので、この曲は何度も何度もツボを突かれています。いつかAS入りのフルメンバーでも聴きたいですね……

8.【Day2】夢にかけるRainbow

ミリオンで南さんと紬がいるのに現地に行けなかったイベントはそれなりにありますが、その中でも5周年生配信に行けなかった事はかなり大きな傷になっています。何せ紬が周年曲のセンターとして立つ記念すべき機会だったのですから。そこで披露された『夢にかけるRainbow』は9thで披露されたものと違い、5人バージョンということもあって紬のソロパートが多かったんです。これはこたえました。狭き門だったとはいえ、南さんのいるステージをこの目で見れない事のダメージの大きさに、当時かなり心を蝕まれていました。
そんな5人バージョンの『夢にかけるRainbow』をまさか聴くことができるなんて夢にも思いませんでした。ソロパートで真っ直ぐに伸びる歌声はもちろん、自信に満ちた笑顔でセンターに立ち、途中でウインクをする余裕すらあって、そんな南さんが本当に頼もしく映りました。『Justice OR Voice』の時に「自分がセンターで良いのか」と思い悩んだという話をご自身の番組でお話されてましたが、そんな自信の無さを微塵も感じさせない、センターでの堂々としたパフォーマンスが本当にかっこよかったです。気がつけば忘れ物を回収できた喜びよりも、南さんが自信を持ってセンターに立っていることの方が嬉しくなっていました。どんだけ南さんが好きなんだよ私は。
いつか南さんが公演そのもののセンターに立って、「これからも、アイマスですよ、アイマス!」を言う日が来るのでしょうか。これだけはまだ生で聴けてないですし、公演そのもののリーダーとして立つ南さんはきっと頼もしくてかっこいいと思うので、これが私の新しい夢になりそうです。

9.最後に

今回のライブで一番強く感じたのは、やはり南さんが自信に満ちた表情をしていることが多かったということでした。「異次元フェスでラブライブの皆さんの練習量とパフォーマンスを見て見習わなきゃと感じた」とご自身の番組で語っていましたが、それが自信につながったのでしょうか。ただでさえストイックな南さんがこれ以上頑張ったら身体を壊さないかが心配ではありますが、少なくとも今は身体を壊すどころか絶好調と言っていいほど良い状態だと感じています。体調面の自己管理はできる方だとは思っていますが、どうか無理だけはしないでほしいですね……

南さんを応援し始めてもうすぐ7年。ここに来てまだ伸び代の広さを認識できていなかったことに気づけて、この先の南さんがどこまで凄くなるのか、本当に楽しみにで仕方がありません。もしこの記事を読んで南早紀さんのことが気になったなら、まずはAct-4のアーカイブを見てみてください。3/4(月)の12時には販売終了する上に視聴は同じく3/4(月)の23:59までなのでお早めに!

そして、もし南さんのことを好きになってくれたら、ぜひ現地で南さんの歌や演技に触れてみてください。きっと配信とは別次元の表現力を見せてくれると思います。

そんな布教をもって、この駄文を〆たいと思います。
最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。

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