河野桃子(ライター)――ブルーエゴナク 『ふくしゅうげき』応援コメント⑦

東京では4年ぶり2回目となる本公演。
その間、東京では演劇祭などで20分短編を上演していたけれど、「ブルーエゴナクまだ見せてないものがあるだろう!」と思っていました。
すっきりさせた短編ではなく、お洒落な顔したごちゃ混ぜの虚構が脅かしてくる興奮を、彼らの舞台から感じたことがあるからです。

ブルーエゴナクを最初に観た時。
なんだかよくわからない渦にぶち込まれ、それぞれの登場人物の小さな物語に耳を傾け笑っているうち、ふと視線をあげるといつの間にか四方を底なしの崖っぷちに囲まれているような感覚に陥りました。心地よい孤独。真っ暗な部屋で独りで見ているテレビの画面に、たくさんの色鮮やかな友達が映っていて目が離せないような。心地よい孤独。

穴迫さんの怒涛の音楽みたいな台詞の洪水。
そのリズムの上を駆け抜ける、勢いのいい俳優たち。

『ふくしゅうげき』は再演です。ブルーエゴナクは再演のときに、少しの変化を加えて全体の印象をガラリと変えてくることがあります。
今回、1年半ぶりの再演に伴いリ・クリエイションをするそうで、北九州でも京都でも存在しなかった東京のための作品として、誰も予想のつかない塗り替えをしてくるかもしれないと期待しています。

河野桃子(ライター)

9/13(木)東京公演開幕!ブルーエゴナク『ふくしゅうげき』公演詳細はこちら

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