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鈴木隆太─『愛のえんえん』インタビュー⑤

2020年2月22日(土)にゆめアール大橋[福岡]にて幕が上がる、ブルーエゴナク新作公演『愛のえんえん』。2019年にブルーエゴナクに入団した5人が一同に出演する新劇団員公演である今作の魅力や、入団を決めたきっかけについてインタビューを行った。                                                        

第五回目 鈴木隆太 / suzuki ryuta
------『愛のえんえん』熊井
1996年生。山口県宇部市出身。現在東京都在住。
北九州芸術劇場の企画公演への出演をはじめ、北九州を拠点とする劇団へ客演として多数出演。俳優、モデルとしても活動中。

ー劇団に入ったきっかけ

役者を始める前のことになります。
当時、色んな劇団の作品を見ていたんですけど、ブルーエゴナクの作品に出会ってとても心が動きました。その時の作品は特にラストシーンが印象的で、そこまで90分くらいの流れとはある意味ぶつ切りのような形で、突如ラップのシーンが挿入されます。俳優がすごい熱量で歌い上げる中で、作中の色んなことが思い起こされて、一番ラストの台詞もぽつりと全く意味のない言葉で終わるのが鮮やかでした。当時、それを見て何だか分からないけど演劇ってすごい!って思ってしまって。こんな作品に出たいと強く思いました。

ー愛のえんえんについて

僕の知っているブルーエゴナクの作品の中ではライトで、演劇を初めて見る人にも見やすい作品だと思います。と言いつつも、演劇で新しい事をやっていこうっていうエゴナクらしさもちゃんとあって。エゴナクを好きでいてくれている方にも、しっかり楽しんで頂ける作品だと思います。

僕がそうなんですが「今ひとりだなあ」とかよく考えることがあって。そういう寂しさを抱えている人にはぜひ見てほしいです。

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ー自分の演じた役について

稽古中は、あんまりお話に関われていない役どころだなあと思っていました。だけど、北九州での本番を終えて気付いたことがあって。
他の役はどこかの誰かやいつかのことについて思いを巡らしているけど、熊井だけは今目の前のことに対してずっと全力なんです。だからこそ空回っちゃって上手く周りに馴染めない感じもあるんですけど。そのやりきれなさは色んな人に共感してもらえそうな気がします。あと、お客さんとの距離が1番近い人でもあるので、しっかり作品の世界と繋げていきたいと思っています。

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ー愛のえんえんの見どころ

忘れてしまっているかもしれない、大切な誰かを思い出させる作品だと思います。
今近くにいる人、例えば一緒に見に来ている人もそうかもしれないし、もう近くにはいないけど大切だった人のことかもしれない。そうやって自分自身の記憶と触れ合って完成するというのはエゴナクの作品の特徴だと思います。

あと、今は東京で色んな演劇を観ていますが、当たり前と言えば当たり前だけどエゴナクみたいな演劇は見たことないですね(笑)。

ー稽古で大変だったこと

お客さんとの距離の近さですね。福岡公演では広さ的にも余裕があるみたいですが、北九州公演は目の前がすぐお客さんでした。表情だったり動きだったりをきちんと作り込まないと、全部バレる距離感だったので、その緊張感はすごくありましたね。あと劇団員のみんなとも初めての共演で、年齢的にも経験的にも引っ張っていかなきゃと意気込んでいました。稽古場に早く馴染めるように仲良くならなきゃとか、そういうところにも気を配ってましたね。

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ー印象的なシーン

西瓜と少女のシーンですね。
実際にあったのか夢なのか現実なのか分からないのに、西瓜の人柄というか魅力がとても伝わるシーンになっています。

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《キビるフェス2020 福岡きびる舞台芸術祭》参加作品
ブルーエゴナク『愛のえんえん』
2020.2/22(土)-24(月祝) ゆめアール大橋

▼ブルーエゴナク『愛のえんえん』特設HP
http://buru-egonaku.com/ainoenen/

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