愛のえんえんA

溝口竜野─『愛のえんえん』インタビュー③

2020年2月22日(土)にゆめアール大橋[福岡]にて幕が上がる、ブルーエゴナク新作公演『愛のえんえん』。2019年にブルーエゴナクに入団した5人が一同に出演する新劇団員公演である今作の魅力や、入団を決めたきっかけについてインタビューを行った。

第三回目 溝口竜野 / mizoguchi tatsuya
------『愛のえんえん』豊秋(とよあき)
宗像市在住。2012年、地元の劇団 夢かなたに入団。2015年より、MIRAIにて朗読劇『月光の夏』出演。2019年、市民参加リーディング『川をわたる歌のうた』(作・演出 穴迫信一)の出演をきっかけに、ブルーエゴナク入団を決意

ー入団のきっかけ

穴迫さんが演出する市民参加作品の「川をわたる歌のうた」に参加させて頂いたことが、1番の大きなきっかけです。参加する前から穴迫さんのファンだったんですけど、元々は俳優としての穴迫さんを観たときに女の子の役をとてもナチュラルに演じていて「この人は何なんだろう」と興味が湧いたのがきっかけです。それからブルーエゴナクの作品を観るようになって、台詞や演出も好きだなあと思っていました。

市民参加の時は、市民向けの感じかと思ってたら普段のエゴナクそのままの作風だったので、かなり大変でした。でもそのときに穴迫さんの書く長いモノローグ、3ページくらいのを読ませてもらって、とても印象に残っています。それ以降、今後も作品に関わりたいという気持ちが強くなり、入団に至りました。

ー愛のえんえんについて

タイトルも相まって暖かい作品だと思いたいんだけど、私は切なくなってしまいます。私の演じている役というより、むしろ私以外の役のことを思うととっても切なくなります。

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ー自分の演じた役について

私には息子がいるんですけど、今作では娘の母を演じました。
親子のリアルなやりとりの中で思ったのは、娘であろうと息子であろうと鬱陶しさは変わらないんだなって(笑)。それで色々思い返してみると、むしろ私の母と私の関係に近いのかなって。まるで自分を見ているような嫌な感じがありました。それくらいリアルでしたね。

ー愛のえんえんの見どころ

野村さんが演じるムックのあるシーンなんですが、誰にもどうしようもない孤独を台詞であそこまで表現できるのはすごいなと。それを演じる野村さんも。本当に地獄の底まで引きずり込まれるような台詞で。舞台裏で待機しながら聴いていると私も引きずりこまれそうになっていました(笑)。

今作のテーマは〈境目がなく繋がっているんだよ本当は〉ってところかなと思います。死んでいるのか生きているのか、本当に存在しているのか、夢なのか現実なのか、あえてとても曖昧に描かれていて想像が膨らみますよね。あと私、量子力学がちょびっと好きで〈そこにあるもの全てのつながり〉や〈物質としての境目のなさ〉を感じますね。

ー稽古で大変だったこと、印象に残っていること

私はこれまでリーディング公演とか朗読公演の経験しかなかったので、セリフに合わせて動くということがとっても大変でした。ちょっとした動きでも苦手意識があって、最初は立ち上がるだけで緊張しました。冒頭のシーンは特に。きっとお客さんから観るとなんてことのないシーンに見えると思いますが、私の中には色んな負荷があって大変でした。

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ー印象に残っているシーン

鈴木くん演じる熊井が、小関ちゃん演じる娘とカードゲームをするシーンがあるんですけど、あれだけの大量のセリフをサラサラ言うのが好きですね。それでいて態度がとっても大人気ない感じで、情けなくて、可愛くて、面白くて、大好きなシーンです。あとはさっきも出ましたがやっぱりムックのモノローグですね。引き込まれます。

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ーお客さんへメッセージ

誰がどこでどうなってとか、あの人死んでるの生きてるのとか、そうやって探って観ていくよりも、ぼんやり眺めるように楽に見てほしいです。
そしたらきっと、その全体から伝わる〈何か〉があるはずです。

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《キビるフェス2020 福岡きびる舞台芸術祭》参加作品
ブルーエゴナク『愛のえんえん』
2020.2/22(土)-24(月祝) ゆめアール大橋

▼ブルーエゴナク『愛のえんえん』特設HP

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