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WISHING 02/23/24 デング熱拡大中

地球上でデング熱拡大の報告が増えている。

デング熱は、主にネッタイシマカ、および比較的低い割合だが、ヒトスジシマカによって媒介され、4 種のウイルス血清型すべてがデング熱または重症型デング出血熱を引き起こす可能性がある。2014年に東京代々木公園で発生したアウトブレイクでは、国内の普通の蚊であるヒトスジシマカによって媒介された。

個別の血清型羅患率は地理、地域、国や季節によって異なり、また時間の経過とともに変化していく。ある血清型のウイルスに感染した場合、その血清型に対する免疫は一生涯続くが、後に異なる血清型のウイルスに感染した場合、重症化のリスクが高まる。

デング熱は、高熱だけでなく、激しい頭痛、目の奥の痛み、筋肉や関節の痛みなどの激しい痛みを伴うため、「骨折熱」とも呼ばれている。これらの症状は感染後4〜10日目に現れ、2〜7日間続く。

日本では主に、東南アジア地域への渡航後に発症することが多いが、台湾、香港、沖縄、鹿児島県島嶼(とうしょ)部もデング熱のリスクのある地域に入っている。温暖化によって、その地域は北上している可能性がある。また、世界中からの渡航者の増加によって、知らず知らずのうちにウイルスが国内に持ち込まれ、ヒトスジシマカによって拡散してしまう可能性が高まっている。したがって、海外渡航歴の全くないデング熱の発生の可能性は常にある。

デング熱に感染した人の4人に1人は軽い症状ですむ。初期症状だけでは、インフルエンザなど、発熱、頭痛、全身痛で発症する他の病気と鑑別するのは難しいため、皮疹がでたり、病状が重くならない限り、見逃される可能性が高い。(もちろん、普通のクリニックでは、重症でない限り、初診時に診断される確率はかなり低い。)

子供や大人が再感染した場合は、デング出血熱やデングショック症候群と呼ばれる重症のデング熱を発症する可能性が高くなる。通常、発症から5〜7日経過し、解熱して24~48時間以内に、腹痛、圧痛、嘔吐(24時間以内に少なくとも3回)、鼻や歯ぐきからの出血、吐血、血便、さらに疲労感、落ち着きのなさ、イライラ感などの警告症状が現れる。

2023年にアメリカ大陸で記録的なデング熱の流行があった後、2024年最初の5週間は新たな感染者の急増が止まらず、11カ国で感染者の増加が報告され、中でもブラジルが最も大きな被害を受けている。

汎米保健機構は最新の疫学アラートの中で、2023年の同時期と比較して感染者が157%増加し、5年間の平均を225%上回っていると発表した。

昨年450万人を超える記録的な患者数を報告したアメリカ大陸の国々は、2024年の最初の5週間ですでに673,000人以上のデング熱感染を記録しており、その中には700人の重症患者と102人の死亡者が含まれている。今年増加が報告された国は、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、グアテマラ、グアドループ、フランス領ギアナ、マルティニーク、メキシコ、パラグアイ、ペルーの11カ国にのぼる。

南北アメリカ大陸からの今年の感染者の3分の2はブラジルからのもので、45万5,000人以上のデング熱感染が報告されている。

アメリカ大陸では今年、4つの血清型すべてが流行しており、その割合は国によって異なる。ブラジル、コスタリカ、ホンジュラス、メキシコでは4つの血清型すべてが流行している。

1月、ブラジル保健省は公衆衛生システムを通じてデング熱ワクチン接種を開始する計画の詳細を発表した。同国では武田薬品のQdengaワクチンを使用する。このキャンペーンでは、320万人を対象に2回分のワクチンを接種する予定である。

フィオクルス研究所は、ブラジル保健省からの要請に基づき、デング熱検査の生産量を倍増させたと発表した。フィオクルスは、年間を通じて30万件の検査を提供する予定であるが、2024年の最初の数ヶ月間にさらに30万件の検査を提供する予定である。

この検査では、デング熱の4つの血清型すべてと、チクングニアウイルス、ジカウイルスを確認することができる。

その他のホットスポットにはメキシコがあり、感染者数は前年同期比368%増となっている。カリブ海地域では、感染者は前年同期比741%増で、主に非ラテン地域で発生している。

汎米保健機構は最新の注意喚起の中で、各国に対し、蚊を駆除し、サーベイランスを強化し、迅速な診断と治療を行うよう呼びかけている。

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