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「人と犬が幸せに暮らすお部屋」 わが家のわんこの話 #いい部屋ペット

プロフィール
金子志緒/ライター・編集者
レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作に携わる。主な取得資格は愛玩動物飼養管理士、防災士、いけばな草月流師範。甲斐犬のジュウザに続いてサウザーを迎え、おもしろおかしく暮らしている。
ブログ:https://www.shimashimaoffice.work

これから犬を迎えるために引っ越しを検討する場合、お部屋探しや希望条件に迷うこともありますよね。人の希望条件はペット可、駅近、間取り……などいろいろありますが、未来の愛犬はどんなお部屋を望んでいるのでしょうか?

筆者の私は実家に住んでいるときに犬を迎え、その後犬と一緒に実家から独立して一人と一頭の暮らしをスタート。それから15年が経ち、2代目の愛犬と今もペット可物件で工夫しながら暮らしています。

その間に犬好きが高じてペット雑誌のライターに転職し、愛玩動物飼養管理士の資格も取得。私の経験から、人と動物が幸せに暮らせるお部屋を考えてみました!


犬と暮らすために知っておきたい3つ条件

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筆者が飼っている甲斐犬


まず犬と暮らすためには、ペットと一緒に入居できるお部屋に住むことが大前提! かわいい愛犬も住人として迎えてくれる「ペット可物件」にしましょう。

近年はペット可物件に犬猫などの動物用の設備を整えた「ペット共生型物件」も登場しています。比較的築浅の物件が多く、設備の分だけ家賃や管理費がやや高めに設定されていることもあります。

私が住んでいるのは築30年近い「ペット可物件」。約15年前に引っ越した当時はペット可物件の数が少なくて、犬と住めて自分の希望(30平米以上、日当たりが良い、ベランダ付きなど)に合うお部屋を探すのに1年ほどかかりました。

犬のための設備は特にありませんが、アイデア次第で住まいのレベルアップができることを実感しています。犬に配慮した部屋づくりのポイントを紹介していきましょう。

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最初に考えたいのは、人と犬お互いが住みやすいお部屋ですよね。基本的には「安心」「安全」「快適」の3つ!

「安心」は不安や恐怖のない穏やかな環境であること。「安全」はけがの心配がないこと。「快適」は心地よいこと。これらを犬の気持ちや目線でも考えてみました。



「犬部屋」は必要なし。間取りや広さは人優先でOK

「犬のために広いスペースが必要で、部屋数も多いほうがいい」と思っていませんか?

犬は散歩で外に行く習慣のあるペットなので、安心して休める“サークル(犬の移動範囲を制限する柵)”や“クレート(プラスティック製のキャリーケースで扉面が格子になっているもの)”を置くスペースがあればOK。

サークルやクレートで安心して落ち着ける空間を確保できれば、子ども部屋のようにプライベートな部屋を設ける必要もありません。

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犬は家族の日常生活を観察し、家庭内のルールを学んでいくこともあります。むしろ部屋を分けないほうがメリットはあるわけですね。サークルやクレートはリビングに置きましょう。

犬は社会生活を営む動物で、仲間はずれやひとりぼっちが苦手。甘えん坊のプードルやマルチーズだけでなく、自立心の強い柴犬も家族の近くにいることが大好きです。

広さや間取りは人の希望条件を優先して決めましょう。ただしサークルは小型犬でも90×60cm程度のサイズになるので、家具の配置は考えたほうがいいかもしませんね。クレートは犬が中で回転できるくらいの大きさでOKです。



安全・快適なお部屋づくりの第一歩は床材から

素敵なお部屋を見つけて契約したら、引っ越す前に犬にとって安全で快適なお部屋作りの下準備をしましょう。まず見直したいのは「床材」。犬は足裏の肉球で衝撃を吸収し、爪で地面を蹴って歩きます。

最初にすべりにくいカーペットなどを敷いておくのがおすすめです。家具を搬入した後でも、タイル状のカーペット。必要な部分に敷くことができ、汚れた部分だけ交換できるのが便利です。

そのほか、クッションフロア、バネル状のシート、半屋外用シートなどを利用するのも一案。人にとってもリーズナブルで掃除しやすい床材を選べば快適に暮らせますよね。

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実は犬の足裏の毛が伸びている場合、床材に関係なくすべりやすくなります。特にトイ・プードルは人の髪と同じで被毛が伸び続けるため、定期的にカットしましょう。


自然に触れるだけでも犬のストレス解消に!

人にとっては寝るために帰る部屋だとしても、留守中の犬のことも考えたいもの。ぬいぐるみのようにかわいいチワワやダックスフンドでも、野生の本能を受け継いでいる動物。

室内で過ごすときも自然に触れる機会をつくってあげましょう。難しいことではなく、日向ぼっこができる場所を作り、気候に合わせて空調を調節するだけでもOKです。

もし日当たりや風通しがいまひとつのお部屋でも、今はエアコンやサーキュレーター、ホットカーペットなどの便利がアイテムがたくさん。温度管理などに使えば人も犬も快適に過ごせます。

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さらに犬は散歩で自然に触れる機会がありますよね。森林浴をしたり四季を感じたりしたとき、「気持ちいいなぁ」と思うのは、人も犬も共通の感覚ではないでしょうか? 犬との暮らしは人にとっても心身の健康に役立ちます。


人ファーストと犬ファーストの折り合いをつける

人と犬が幸せに暮らせるお部屋は、最初にお伝えしたとおり「安全」「安心」「快適」です。未来の愛犬のことを大切に思うあまり、なんでもかんでも“犬ファースト”で考えてるのはちょっと待って!

突き詰めるとプードルは冷暖房付きの豪邸で、柴犬は自然が豊かな野山で暮らすことになってしまいます……。

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人間の暮らしも考え、“人ファースト”の部分と折り合いをつけて部屋づくりをしてみませんか? お互いにちょっとずつ譲り合い、住みやすいお部屋をつくっていくのが理想。

未来の愛犬が望むのは、あなたと「安全」「安心」「快適」に暮らせるお部屋なのです!


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