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雪降る夜に妖精絵本

『長くつ下のピッピ』の著者アストリッド・リンドグレーンが、北欧の妖精トムテにまつわるリードベリの詩を絵本テキストとして脚色した絵本。初版は1961年。

Adapted by Astrid Lindgren from a poem by Viktor Rydberg & Illustrated by Harald Wiberg,
The Tomten (Sandcastle Books, 1990)

北欧の妖精トムテは農家の守護神。日本でいえば座敷わらしに相当するのだろう。皆が寝静まっている時にひとり農場の見回りをしている。

The Tomten is awake.  He lives in a corner of the hayloft and comes out at night when human beings are asleep.  He is an old, old tomten who has seen the snow of many hundreds of winters.  No one knows when he came to the farm.  No one has ever seen him, but they know he is there.  Sometimes when they wake up they see the prints of his feet in the snow.  But no one has seen the Tomten.

Cited from The Tomten

トムテがいつ来たのか誰も知らないし見た者もいない。でも、いることはわかっている。雪に妖精トムテの足跡が残るからだ。

Winters come and summers go, years follows year, but as long as people live at the old farm in the forest, every night the Tomten will trip around between the houses on his small silent feet.

Cited from The Tomten

この北欧の妖精トムテの絵本はR.S.C. Bookstore で入手した(のは忘れていたけど値札シールで判明)。編みぐるみは英国滞在時に次男がシュタイナー学校の小1の授業内で編んだ。赤い帽子と長い髭から、おそらくトムテだろうと思う。

The Tomten 裏表紙

日本語版『トムテ』は山内清子訳により1979年に偕成社から出ているが、そちらはリンドグレーンではなく原作リードベリの詩に基づく邦訳。絵本ナビに素敵な読者レビューが多く寄せられており、日本でも愛されてきたことがうかがわれる。
リンドグレーンの英語版はネットA書店でも入手可能だが、ペーパーバックは別物にすり替わっていたのでご注意を。ハードカバーは色彩が鮮やかに生まれ変わり、いまだにロングセラーなのは良いけれど、価格もバージョンアップ⤴️している🤔

雪解けの農場(マサチューセッツ州)
トムテが住んでいるhayloft(干し草置き場)が見える


今宵どうか大雪による被害が出ませんように ☃️暖かくしてお過ごしくださいね❄️