動画とキッズアプリ

キッズアプリを制作していて、常々思うことは、競合は業界内の企業やプロダクトではなく、YouTubeであるということだ。

子どもは、本当にYouTubeが好きだ。昔は、NHKの教育番組が鉄板であったが、今は、タブレットやスマホでYouTubeにアップされている動画を見るほうが、多いかもしれない。YouTubeのほうが好きだという子どもも居るだろう。それに、1本の動画の長さも10分以内のものが多く、見せる方としても、区切りがつけやすい。

もちろん、教育番組だって現役だし、そういった最近の流れを危惧してか、NHKが新しい動画視聴アプリをリリースして、人気番組の一部をアプリで視聴できるようにしている。テレビから離れた場所でも、教育番組のブランドに触れることが出来るようになったのだ。YouTubeと言う他社のプラットフォームを用いるのではなく、あくまで、自社のプラットフォームで展開することに、こだわっているのかもしれない。

また、今は過去の番組を見せるだけのものとなっているが、「あそび」をテーマにしているのも面白い。スマホを使うアプリを通して、スマホ以外のリアルな遊びの大切さを伝えるというコンセプトは、面白いことだし、とても共感できる。(実は自分も、とある企業と この辺りの仕掛けを考えているためだ)

キッズアプリの競合は、動画(YouTube)である。アプリは動画と違ってインタラクティブという利点があるが、動画の技術が進歩すれば、この辺りの垣根は、一気に無くなるだろう。動画にも、いずれインタラクティブ性は実装される日が来る。そうなったときに大切なのは、NHKのアプリのような、信念となる「コンセプト」であり、ツールを使って子どもたちに何を伝えたいのか、と言う、作り手側の「熱い想い」の部分だと感じる。

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