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Microsoft Copilot(旧Windows Copilot)が、Open Interpreter程期待できない決定的な理由

あらかじめ断っておきますが、本記事でのMicrosoft Copilot (旧Windows Copilot)は、11月にリリースが予定されている Microsoft 365 Copilot のことではなく、あくまでWindows単体としてのMicrosoft Copilotのことを指しています。Microsoft 365 Copilot についてはかなり期待しております。

Microsoftは9月22日の新製品発表イベントにてそれまでWindows Copilot という名称で進められていたWindowsのAI生成機能の名称を Microsoft Copilot に改めるとともに、9月26日のWindows 11のアップデートで、この生成AIがWindows 11に標準搭載されることを発表しました。

WindowsにAIが搭載されるとなれば、OSの起動や停止はもちろん、ファイルのコピー、ファイル名変更、メモ帳やペイントブラシ等、アプリの操作や、これまでコントロールパネルを通して行っていたアプリのアンインストールやデバイスマネージャーの確認もチャットで出来るようになると想像される方が多いと思います。

かくいう私も最低限それらが出来るのだろうと期待に胸を膨らませ、以下の記事を参考に8月26日にWindows Copilot プレビュー版をインストールし、実際に試用してみました。

しかし、その結果は、惨憺たるものでした。

以下がその時のキャプチャです。

画面の右側に Bing Chat のようなChatの画面が表示され、確かにアイコンはBingではなく、Windows Copilot のアイコンへと変わっていたのですが、なんとなく嫌な予感がした私は、ひとまず Windows Copilot とBing Chat の違いについて質問しました。

すると、驚いたことに、Windows Copilot は、自分を「Windows Copilot」ではなく、「Bing Chat」と認識していました

唖然としましたが、AIがこういう錯覚、勘違いをすることはままあることです。気を取り直して、「いや、あなたは Windows Copilot でしょ?」とメッセージしたところ、以下のような返答があり、自分を Windows Copilot と認識してくれました。

そこで、Copilotにしか出来ないことをさせようとしたところ、「何かお手伝いできることはありますか?」  と、なおもBing Chatのような返答をしてきます。

この時点では、「まあ、具体的な指示がなければ、そういう返答になるのも仕方ない」と思い、「PCを診断して」と具体的に指示をしました。

しかし、その結果は、以下の通りで、単にWindows Copilot の機能(それも実際には未実装の)を説明するだけで、PCの診断は出来ないことが判明しました。

そうはいっても、これはプレビュー版ですので、全てが期待通りにならないのは、やむを得ないところです。そこで、もう少し簡単に出来そうな、チャット履歴をテキストファイルに保存するという指示を出してみました。

すると、すかさず「会話は保存されました」と期待通りの返答がありました。一瞬喜んだ私でしたが、保存先も何も書かれていません。どこに保存したのか尋ねても「システムに保存されました」と曖昧な返事しかありません。

この辺りから私は、Windows Copilot は実質的に Bing Chat の名前が変更されただけで、少なくともプレビュー版では、機能的に何も変わっていないと確信し始めていました。

Microsoft Edgeを開くように指示しても、私にアイコンのクリックを促すだけです。

極めつけは以下のやりとりです。
念のためアプリを開く能力があるのか尋ねたところ、「はい」とハッキリ返答がありましたが、メモ帳を開くように指示しても、やはりメモ帳のアイコンのクリックを促すだけでした。


以上のように、少なくとも一ヶ月前のプレビュー版では、実質Bing Chatであり、多くのユーザーが期待したようことは何一つできなかった、というのが、現実です。

私の試用から正式リリースまでに一ヶ月が経ってますので、その間にいくらかのアップデートはあるにせよ、あまり大きな期待は出来ないと考えるのが妥当でしょう。

現にMicrosoftの公式のデモ動画では、オススメの曲をCopilotに提案させると、Spotifyのオススメ曲のページのリンクがチャット上に現れますが、そんなことは今のBing Chatでも出来ることです。

デモ動画の画面
Bing Chatのキャプチャ

Microsoft Copilot(旧Windows Copilot)がBing Chatから大幅にアップデートされているのなら、何故このようなBing Chatにも出来る機能をアピールするのでしょうか?その理由は、「アピールしたくてもアピールできる新機能がない」からだとしか思えません。 

当初、Windows Copilot という名称でリリース予定だったこの機能が、Microsoft Copilot という名称に変更されたのも、Windows の Copilot と呼ぶにはあまりにも機能が貧弱過ぎるため、名前負けすることを恐れたからだと想像しています。

なお、比較対象としている Open Interpreter の方はどうかと言えば、Copilot プレビュー版が出来なかったPCの診断、ブラウザの起動、メモ帳の起動、等を難なく実行してくれました。

Open Interpreter はKillian Lucas氏を中心とした有志によるオープンソース・プロジェクトで、Microsoft のような大企業による開発ではありませんが、オープンソースだけに、世界中のプログラマーによって今後急速に進化するでしょうし、何より、個人や法人が、自分(自社)とって最適なAIツールにカスタマイズできるのが強みです。

ただ、Open Interpreter にもいくつかの欠陥があります。
それらの欠陥から使いにくい、使えないと判断する方もいらっしゃいますが、私は以下のような改修版をNoteで販売しています。この改修版でアップデートすれば、一層利用価値の高いツールとしてご利用頂けると思いますので、今回の記事を読んで、Microsoft Copilot より Open Interpreter の方が期待できると思った方は、ご利用をご検討ください。

Open Interpreter をエラーで中断させない方法+ログを保存する方法 (改修済みソース・ファイル付)
https://note.com/eichi_hashimoto/n/n3f0fa62b031c?nt=_289988


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