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リウマチ性多発筋痛症患者の完全無欠ダイエットチャレンジ14日間 心の準備編

2015年10月中旬、43歳で「リウマチ性多発筋痛症」と診断された。多くは65歳以上に見られる病気らしい。リウマチとはまったく別の病気だ。

病名を診断される二ヶ月前から、関節を中心に強い痛みが全身に出ていた。寝ている間は特に体が硬直するらしく、朝ベッドから立ち上がるのに10分も要するほどだった。この病気については当事者には十分その痛みはわかるし、当事者以外には何の興味も惹かない話題なので痛みや苦しみについてはこれ以上ここでは言及しない。

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事(Amazonの商品ページにリンク)』に興味を持ったのは、ダイエットの効果を期待してのことだった。

処方された薬の副作用として「恐らく太ります。誰しも太るのです。」と医師から宣告された通り、自分史上最高体重を毎日更新し続けた。しかしどんなに太っても、今はまだ薬をやめるわけにはいかない。太るより痛いほうが辛い。

妻から「完全無欠バターコーヒー」を朝食の代わりとするダイエットが流行っていると聞いた。実際にそのバターコーヒーを飲んでみたら6時間ほど空腹を感じることがなかった。実行する価値を感じたので、すぐに『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』を読んでみた。その完全無欠バターコーヒーを朝食として提唱している書籍で、日本でも昨年からかなり話題になっていたらしい。

(ちなみに、本書を読まずにとにかくバターコーヒーを朝食の代わりにして痩せたいという方は注意されたい。バターはそこらへんに売ってるバターではダメなのだ。逆に脂肪を溜め込んでしまい病気になってしまう可能性もあるので、興味を持った方はまずは必ず本書を通読してほしい。)

『最強の食事』では、次の三点に強く心惹かれた。

1)痩せられる
2)これ以上馬鹿になるのを防ぐ
3)体内の炎症??

二週間はこの本の著者を100%信じて実行してみることにした。著者のデイブ・アスプレイはこれまで30万ドル以上を費やして自ら人体実験を行い、メソッドを確立したのだ。ダイエットは信仰だ。特に「痩せる」という成果を手にした経験者は絶対的な確信を持ってダイエットを語る傾向がある。間違ったことを継続しているというのは受け入れ難いことなのでその気持ちはよく理解できる。しかし、私は太り続けるのを阻止するだけでなく、自分の病気もなんとかしなければならない。その上、これ以上馬鹿になるのを防ぎたいのだ。ダイエットの敵は迷いだ。とにかく二週間は妄信してみようじゃないか、と決めた。

まずは試験的な導入期間として二週間、朝食をバターコーヒーとした。そのほかの食事はほぼこれまで通りだ。

その後の二週間を完全無欠ダイエットの完全実行期間とした。

1)痩せられる
身長165センチの私が90Kgを超えた。たぶん、もうこれ以上は太らないほうがいい。

著者のデイブ・アスプリーは完全無欠な最強の食事で体重を50Kg落としたそうだ。私はこれまで、糖質を排除したダイエットを一年間実行して半年で12Kg減、というまずまずの成功体験があった。その後半年間体重を維持することができたが、糖質の魅力に勝つことができずにその後の一年間で15Kg増という典型的なリバウンドも経験した。

完全無欠ダイエット(以下、BPD)では、白米を食べても許される。素晴らしい。

現在の体重の変動はこちら。

2)これ以上馬鹿になるのを防ぐ
著者のデイブは体重を落とした上に、IQを20ポイントあげたそうだ。

BPDを二週間完全実施する前の試験的な導入期間(こちらも二週間)では朝食を完全無欠コーヒーにして、昼食と夕食はこれまで通りの生活を試してみた。

とはいえ、あの本を読んでしまった以上、小麦をあえて積極的に取る気持ちにはなれなかった。それでも二週の間にラーメンとハンバーガーを1食ずつ食べた。以前より意識して小麦を減らしている中で摂取をすると体への影響や反応がわかりやすい。ラーメンとハンバーガーを食べた後は判断力が鈍くなったと感じた。その上頭痛と背痛まで伴う。それも食後数時間だけではなく、二日間ほど続くように感じた。具体的な例では、車の運転で信号を見落としたり、本を読む集中力が保てなかったりするようなことが途端に増えたように感じた。「・・・ように感じた」と控えめに書いているのは小麦を愛する人への遠慮である。かなり明確に認識できたのは事実だ。私もラーメンやうどん、ハンバーガーが大好きだ。しかし、それとこれとは別問題である。小麦は私を馬鹿、もしくは鈍くするということはわかった。これまでそれに気がつかなかったのは小麦を継続して摂取していたからなのだ、と信じた。本にもそう書いてあった。

BPD実施前後のIQ変化を見たいのでオンラインの簡易なテストを受けてみた。このエントリを書いている3月30日で、すでに本番開始から二日目となっている。試験期間中の後半にはかなり本番に近い環境で生活をしていた。本来ならば試験期間前に試しておきたかったのだが、気がついたのが今日なので仕方ない。

このような診断ものは、結果をソーシャルメディアにシェアさせるために、豪勢に盛った結果が出されるご時世だ。このIQの数値の正確性はかなり疑わしいが、同一のテストで前後比較ができればいいと割り切った。

http://www.iq-test.cc/ を利用したが、結果を取得するのにメールアドレスを要求されるので使わない方がいい。40問の回答をした後にほかの測定ツールを使うのは面倒だったので私はそのままメールアドレスを入力した。

3)体内の炎症
私は今炎症している!

私は通院と投薬による治療を今も行っている。血液中の炎症の度合いを診て減薬計画などを医師が判断している。初めて病院で血液検査をした時に医師から「ひどい炎症状態です。これは痛いでしょう」と言われた。内容を理解してはいなかったが、私の体内で何か炎症していることはわかった。

リウマチ性多発筋痛症や線維筋痛症には「原因がない」と言われている。もちろん原因はあるのだろうが、それはわからないし、あったとしても生活習慣などの問題ではなく、ある日突然になってしまうものであるらしい。全身の強烈な痛みに対して、投薬以外にすることが無いというのは落ち着かないものである。他人は「酒の飲み過ぎでは無いか」「運動不足では無いか」と言う。私自身もその指摘に思い当たることがあるので「そうかもしれない」と考えた。いっそ、私の堕落した生活習慣が原因であってくれれば、と願った。それならば、その習慣を改善すればいい。しかし医師は、生活習慣から生じる病気ではないから何も生活改善する必要がないという。

本書を初めて読んだ後、BPDはハードルが高すぎて自分にはできないと感じた。必要な食材が高いのは仕方ないとしても、極端に手に入りづらいものがあり、継続していくには問題だ。

しかし、本書に度々出てくるカビ毒やアレルギーによる体内の炎症、はまさに今の私のことを書かれているようだと思った。生涯継続するのは大変そうだが、著者が推奨している二週間くらいはなんとかなりそうだ。

この期間は「誰にとっても安全な食材」のみを取る。そして毎食1分前の1回、食後30分ごとに3回脈拍を取る。この食後の脈拍の変化によってアレルギーのある食べ物がわかるのだ。例えば私はナスが好きだが、顔がナスっぽいこととは関係ない。顔がナスに似ているかどうかに関わらず、ナスのアレルギーのある人には関節炎などを引き起こす原因となるようだ。安全な食べ物をとり続ける(=リスクのある食べ物を排除し続ける)と、アレルギーのある食べ物を体内に入れた時のアレルギー反応がわかりやすくなる。そのため、BPDの開始と同時に心拍を計測するのが良いようだ。そんなに脈取るなどめんどうくさい、という心配は要らない。iPhoneのアプリが心拍計に指示を出して自動で計測してくれるのだ。

炎症の変化については、4月中旬に予定している血液検査のデータが揃い次第公開したい。いつもの検査では今回・前回・前々回の比較データをもらえるのだ。ちょうど二週間のBPD本番直後の血液検査なのでタイミングもいい。前回は高脂血症を指摘された。それまでよりもかなり高い数値が出てしまった。バターコーヒーでバターを毎日取り続けることでどう変化するか楽しみである。これまでの常識なら数値は悪化しているはずだ。

また、一番興味があるのは炎症反応だ。前回の血液検査から薬もかなり減らしている。医師によると、症状の再発が心配されるくらいの量らしい。今のところ痛みの再発はないが、炎症の原因となる食品を避け続けてどうなっているのかこれもまた楽しみだ。

これから14日間のことを書いてみたいと思う。良い結果になりますように。

次回、BPD完全実施のために揃えた食材やデバイス、スマートフォンアプリなどを紹介する【環境準備編】に続く

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