よく確かめもせずに配信開始されたので見始めたら、結構面白くて最後まで見てしまいました。原題はスペイン語でトガリネズミの意。英語のタイトルが『トガリネズミの巣』でDVD化の際に邦題が『ネスト』になりました。

このヴィジュアルになんとなく惹かれたのです。シスターフッド物語が転じて後半一気にスペインホラーに舵を切ります。そのアクセルの踏み込み方が良かった。

ヤバいのは、この姉モンセ（マカレナ・ゴメス）です。ある理由から巣ごもり生活。過去のトラウマと大きな秘密を抱えています。

ストーリーのフォーマットは『ビガイルド欲望のめざめ』に近いです。

『ミザリー』を挙げている人もいますが、ある1箇所が似ているだけで違う種類のホラー映画です。

むしろ、配給会社は『エスター』を引き合いに出して宣伝していました。

邦題もカタカナ3文字にこだわったのでしょうね。スペインのホラー映画はどこか悲しみを湛えた登場人物が多いのが特徴です。この姉も妹も運命に従属的。ある沸点に達した狂気の描き方と姉の職業を結びつけているところがクレバー。