映画評|あなたがいてこそ

あなたがいてこそ
2014/06/30 シネマート六本木(スクリーン2)

自分の命を狙う家族の家に招かれた青年の運命は?

 インド中部のハイデラバードで配達の仕事をしているラームは、血塗られた過去を背負った青年だ。彼の父は親戚同士の決闘騒ぎで相討ちとなって死亡。母は復讐を避けるためまだ乳飲み子だったラームを連れて都会に逃れたが、相手の一家は一族の仇敵として彼の命を狙っていたのだ。そんな彼の元に、亡き父の所有していた土地を相続するため郷里の役場を訪ねるようにという知らせが届く。これで貧乏から抜け出せると喜び勇んで出発するラーム。列車の中で美しい娘アパルナと出会って意気投合するが、彼女は自分の命を狙う男ラミニドゥの娘だった。そうとは知らぬまま、地元の有力者である彼女の父を訪ねて土地処分の相談をするラーム。最初は遠方からの客を親切に迎えていた家族たちだったが、彼の正体が知られると、家族はラームを殺すための準備を始める。だが敵の血で家を汚してはならない。家の敷居をまたいで外に出たときが、ラームの命の尽きる時だった。

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