映画評|イーダ

イーダ
2014/06/16 松竹試写室

自分の正体を探し求める見習い修道女の旅

 1962年のポーランド。終身誓願を控えた見習い修道女のアンナは、院長から呼び出されて意外な事実を告げられる。身寄りのない戦災孤児だと思っていた自分に、おばがいるというのだ。「彼女に会ってきなさい」という院長の言葉に従って都会アパートを訪ねた彼女は、おばのヴァンダから自分が本当はユダヤ人で、本名はイーダ・レベンシュタインだったことを知らされる。両親の墓を訪ねたいというイーダに、戦争中に死んだユダヤ人の墓はないと答えるヴァンダ。ふたりは一緒にイーダの両親が最後に住んでいた家を訪ね、住人からレベンシュタイン夫妻について聞き出そうとするが何もわからない。現在の住人は当時家に住んでいた男の息子で、父親は家におらず病院に入院しているらしい。ふたりは病院を探して男から情報を聞き出そうとするが、話はまるで要領を得なかった。だが彼女たちが病院の父を訪ねたとを知った息子は、イーダにひとつの提案を持ちかける。

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