見出し画像

生徒の英語テストの点数が上がった!は二流英語指導者[限定無料公開]


はじめに

あなたが英語学習者だとするならば、なぜ英語を学習していますか?
あなたが英語指導者だとするならば、あなたの生徒はなぜ英語を学習していますか?


これら2つの質問の答えによって一瞬であなたが英語指導者としての優劣がわかります。ここで読むのを中断し、少し考えてみてください。

考え付きましたでしょうか?
あなたの指導方針がもし、生徒に定期テストでいい点数を取ってもらうため、受験のため、文法、単語を覚えてもらうため、これらどれかに当てはまっているのならば、あなたは英語の指導者としては二流なのかもしれません。しかし安心してください。今回読者の皆様とともになぜ英語学習をするのかという根本的なことを考えるだけであなたのぼんやりとした英語教育のイメージが変わり、生徒の関心が集められる授業をどのように構成すればいいか明確なビジョンが見えるはずです。それだけでなく、大半の指導者が気づいていない日本の英語教育における最大の弱点も見えてくるでしょう。以下三つの章に分けて話を深掘りしていきます。まずは多くの英語指導者が勘違いしている「英語を学習する目的」についてです。


1 大半の日本人は英語を学習していない


冒頭の質問をもう一度繰り返しますが、英語を学習する目的とはなんでしょう。多くの生徒は試験でいい点数を取るため、つまり己の能力の高さを数値化するために学習しているという場合がほとんどでしょう。外国人から見た日本人は勤勉で真面目、仕事や勉学に一生懸命取り組んでいるとよく言われますよね。しかし日本の英語能力の水準はアジアの中でも著しく低い位置付けです。学習している時間は長いはずなのに英語能力は一向に上がらない、原因は何かと頭を抱える指導者は多くいることかと思います。理由は単純です、英語を学習する目的、目標がズレてるからです。ゴールがないのに走り始めるマラソンランナーはいませんよね、つまり英語を何故学習するのか、学習の果てにある目標はなんだろうかというゴールが不明瞭なのです。そもそも英語とは何かという大前提を無視している指導者が多すぎます。彼らのほとんどはこの根本的な考えを誤解しているために、その指導者から学ぶ生徒は英語学習に対し完全に間違った目的意識を持ってしまうのです。まず、今あなたが考えている英語学習の常識を全て捨て、英語を学習する目的を1から考え直して見ましょう。英語とはそもそも言語です。言語はなんのために学習するのか、外国人とコミュニケーションを取るためです。つまり「話すために学習」するがいつの間にか「ペーパー試験でいい成績を収める」に変わってしまっているのです。そしてこの考えは何年もの歳月を経て「ペーパー試験でいい成績を収める」ことがあたかも英語を学習することの全てであるかのように錯覚させています。どうでしょう、あなたの生徒は英語を話すために英語を学習していますか?英語という科目は中・高等学校における主要5科目の中でも異質です。他の科目では「ペーパー試験でいい成績を収める」ことが学習する目的でもいいのかもしれません。しかし英語という科目はそうなってはいけない、英語教師とはそれほど重要な役割を担っている、ある意味では特別な指導者なのかもしれませんね。


2 英語は簡単、なのに話せない


第一章ではなぜ英語学習をするのか、その本質を再確認できたかと思います。そうは言っても生徒が英語を話せるようになることを目標立てたところで具体的に授業にどのような変化を加えればいいかわからないというのが率直な感想かと思います。もしくは私の授業では英語を音読すること、会話形式での発音を既に取り入れているという意見もあるでしょう。もちろん英語を話せるようになることが目標なのであれば声に出して話すことは必要不可欠です。しかしあなたが実践している上記の授業形態は本当に効果的なのかという疑問を持っていただきたいのです。取り入れることは自体は重要なことですが、本当に英語が話せるようになるための内容になっていますか?今から述べるポイントを押さえれば具体的にどのような変化が結果につながっていくのか。なんとなくのイメージを掴むことができると思います。それでは進めていきましょう。これは多くの日本人学生に共通して言えることですが英語をネイティブのように発音しようとしません。アクセントや強弱も同様です。それっぽく発音すると周りからの小馬鹿にされたような目を気にしてしまうことや正しい英語を話せる自信がないといったことが主な原因でしょう。あるいは授業に参加すること自体、不真面目な生徒もいることでしょう。この現象はおそらく大半の学校に共通して起こっています。その結果、いわゆるカタカナ英語と言われる英語をカタカナ読みしただけの日本特有の英語が誕生しました。グローバル化が進んでいるとはいえ、日常生活の中ではまだまだ外国人との接触が少ない英語後進国の日本において授業外で英語に触れる機会が少ないのにも関わらず、授業内でも英語を話す練習ができていないのであれば英語が話せない日本人が大量発生してしまうのは当然のことなのです。ちなみにカタカナ英語の話をすると、伝われば問題ないと主張する方がいますが結論から言うとその通りです。ただし正しく伝わると言う前提があった場合のみです。抽象的な表現でわかりづらいと思うので1つ例を挙げます。筆者の経験上、日本人が最も苦手とする発音の1つがRとLの違いです。ご存知の通りRの発音は日本語では存在しない音であるため英語特有の巻き舌を上手くできない方が多くいるのです。その結果日本人にとってのRとLは同じ発音、LightとRightでは同じライトと発音してしまいます。これでは外国人にこちらの意図を汲み取ってもらうことは難しいですよね。カタカナ英語でも伝われば問題ないですが、現状伝わらないことの方が多いのです。

これは余談ですがTOEICの国内平均スコアが日本と大差ない国、タイでは観光客とコミュニケーションを取るために英語を話せる人は多くいます。文法や単語の知識、いわゆる点数上では日本の英語力と同等なのに英語の本質である「話す力」はタイの方が高いことは実際に訪れてみたらすぐに体感できると思います。


3 英語は方言で考える


少し話がそれましたが、ここからは具体的に「授業にどのような変化を加えていくべきか」ということに焦点を当て、話を進めていきましょう。英語科目に限らずどの授業でも共通して言えることは生徒に興味・関心を持ってもらうことです。たまに生徒が授業に集中できていないことを教師自身の責任でなく生徒のやる気がないからということで完結し、授業の改善を図ろうとしない方がいます。これは全くの誤解です。生徒に関心を持ってもらうように試行錯誤を繰り返し、日々工夫を凝らしていくのが教師としての義務です。算数、数学であれば計算が解けた時の達成感や楽しさを生徒に体験させることができれば、国語であれば筆者の気持ちを理解できたり論理的に物語を読み進めていくことができたりすれば生徒に関心を持ってもらえるかもしれません。では英語ではどうでしょう、皆さんは何か生徒に興味・関心を持ってもらえるような工夫を取り入れていますでしょうか?今回は筆者が考える英語科目において生徒に興味・関心を持ってもらえる簡単な方法をお伝えできればと考えています。まず英語科目が積極的に学習されない大きな理由の一つとして英語を話すことは難しいという固定観念が広まっていることが挙げられます。おそらく多くの生徒は英語といえばアメリカ人やイギリス人が話す流暢な英語が真っ先に頭に浮かび無意識に英語のハードルが高くなってしまっているのではないでしょうか。しかし、英語という言語は世界中で話されておりアメリカ人やイギリス人が話す、いわゆる日本人からして聞き取りやすい英語があれば癖や訛りが強く見られる英語、第二外国語として話されているため母国語の発音から影響を受けている英語(例えばタイ)といった具合に世界では様々な英語が話されています。上記でも述べた日本語の発音から大きく影響を受けている日本語英語もこの英語という大きな枠組みに入っていてもなんらおかしいことはないのです。ここから見出される英語教育を改変する一つのヒントとして英語を話すことは生徒が思っているよりもずっと簡単であることを広めることが挙げられます。これだけでは読者の皆さんの頭の中は?で埋まっていると思うのでもっと具体的な話をしていきます。上記のことから英語は様々な国と人に話されていてそれぞれに癖や訛りがあることが分かったかと思います。これを生徒にわかりやすく説明し実感してもらうために方言を例に使いたいと思います。仮に英語の標準をアメリカ英語だとします、日本語における東京弁です。英語は様々な地域で話されているためアメリカ英語を標準とした場合、他の国(イギリス、オーストラリア、カナダ等)で話されている英語は方言ということになります。そしてこれは日本語にも共通して言えることなのです。日本語における標準は東京で話されている日本語だとしばしば言われていますが、日本には関西弁があれば沖縄弁があり北海道や青森県でも地域独特の方言がありますよね。もしかしたら皆さんの中にも方言によって相手の意思が汲み取れなかったなんて経験をした方がいるのではないでしょうか。しかしこれら全ての方言は日本語であり、どちらがより優れているかは誰も定義することはできません。英語でも同じことが言えるわけです。つまりカナダで話されている英語もインドで話されている英語もドイツや中国といった英語を母国語としない国で話されている英語もそれら全ては英語であり、そこに優劣をつけることはできないのです。記述量が多くなってしまったのでまとめると日本人が方言に対し必要以上に何も思わないことと同じことを英語でも言えるということです。方言を例にして英語のハードルを下げる方法はとても効果的です。以前、英語に関連することを長く研究されている大学教授とお話をする機会があったのでこの話をしたところ早速大学内での講義で取り入れてくれるそうです。

まとめ


日本の生徒における英語を学習する目的はペーパー試験で点数を取るため、つまり能力の数値化のためになっています。この事実は紛れもなく日本の英語教育者が改善しなくてはいけない課題になっています。そしてこの課題を解決するための先駆けとなり貢献してくのが今画面の向こう側にいるあなたです。まだまだ生徒の英語学習の目的を「話せるようになること」に設定できていない指導者が多くいます。中高学校合わせて6年もの学習時間を費やしてここまで英語が話せないのは世界を見ても日本くらいなのかもしれません。それくらい日本の英語教育が遅れているということです。私たち英語指導者はこの問題を解決する義務があります。学校や学習塾で生徒にいい点数をとってもらおうなんて考えている指導者ははっきりいって二流です。何をすればいいかわからないと悩む方も目標設定を改め、生徒と共有するだけでも次に何を変えていけばいいかが見えてくると思います。英語に携わる者としてこれからも高め合っていきましょう。目指せ一流の指導者!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?