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失語症に効果のある朗読と、コミュニケーション英語の学習プロセスは同じだった!!

脳は、特定の行動に慣れると
マルチタスクができるようになるそうです。

音読による反復練習でパターン化されると
まるで「歌」のように言葉が出やすくなる。

それが、対話の土台になる。

すると、言葉を発することへの抵抗感が薄れてくる・・・。

英語学習法オタクの山口がまた
英語のことを話していると思われたと思います。

でも、実はこれ、

「失語症者にとっての朗読とは」
というテーマのトークショーで話されたお話でした。

先日、友人に誘われて
失語症の方々による朗読群像劇
「言葉つなぐ明日へ」を観にいきました。
(脚本 石原由理氏)

脳梗塞などの病に倒れ
その後遺症で
脳の機能障害に陥り
天から地に落とされたような
一気に生活が変わる経験をした方々。

どん底を味わいながらも
機能を回復する取り組みを行い

感動的な舞台を務められるまで
努力を重ねた人たちの姿に
心打たれました。

お芝居のプロはお一人だけ。

その他の方々は素人であるばかりか、
言葉にかかわる様々な機能を失っておられる。

なのに、

そのことを忘れてしまうほど
素晴らしいお芝居でした。

いつしか惹き込まれ、
純粋にストーリーに
感動している自分に気づきました!!

トークショーで語られていたこと

ご自身も失語症者である石原由理氏が脚本をかかれた
朗読群像劇のあとに
トークショーが行われました。

失語症患者を長年サポートされてきたお医者さまと、
高次脳機能障害の当事者の方が
朗読の効果について語っておられました。

その内容を聞いてビックリ!

失語症のリハビリになる朗読と、コミュニケーション英語の類似点

失語症患者が
母語である日本語を取り戻す過程は、
私が常日頃行っている
コミュニケーション英語の習得のプロセスと
ほぼ同じだったのです。

・ジェスチャーや音の表情、感情を大事にすること。

・音読を繰り返すことで
言葉の土台を作っていくこと。

・まるで「歌」のように音読を繰り返すことで
実際の会話の際に言葉が出やすくなること、等々。


言葉の習得に大事な「主体性」と「i+1」

さらに、
・主体性
・自分の持つ能力よりちょっとだけ難しいことをやる

という点まで同じで
なんだかうれしくなった次第。

押し付けられたものをやるのではなく
(ー無理やりの単語暗記や文法ドリルとか
 ー読みたくないものを読まされるリーディングとか)

自分が興味あることやるのが大事

そして

”今できることよりちょっとだけ努力がいることをやる”

というのも、

クラッシェン博士の「i+1」の考え方そのもの。

※英語の場合、難しい単語に難しい文法の入った英文でないと勉強した気がしないというのは学校英語の「負」の遺産!!
難しいものに取り組んでも
使いこなせるようになれないので注意してくださいね!

このように、
失語症の機能回復訓練と
話すための英語学習の背景にある考え方が
同じであることに最初は驚きました。

でも、落ち着いて考えれば、
どちらも脳内に言語回路を構築する作業。

同じになるのは
当然と言えば当然です。

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人生100年時代。

健康長寿なら
もちろん
もろ手を挙げて歓迎ですが、
そうそう望んだようにはいかないようです・・・。

自分や、
自分が大切に思う人が
病に倒れるリスクも増している
というのが実態だと思います。

そんな時、
たとえ障害を得ても
集う場があって
支えあえる仲間がいれば

人はどんな状況からでも
輝きをとりもどせる。

その力強さと気高さに
力をいただきました。

そして、
音読の効果に
改めて思いを馳せました。

英語を身につけたい方にも
失語症を患っている方にも
高齢になり脳の機能が衰えてきたと感じる方にも

音読って効くんです。

お金もかからず手軽にできる音読。

劇的によくなることはないけど、
「時間をかけて取り戻していくことが大事」

という言葉に大きくうなずいた次第。

最後に、ちょっと怖い一言。

努力しないと
廃用=退化していくのだそうです!!