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クリップスタジオペイントを使ったアニメ表現ーガンファイヤ

クリップスタジオペイントを使ったアニメーション表現についてプチ研究しています。

アニメ―ションと言えば、テレビや映画などのストーリー物を連想されると思います。ここでは、主に一枚絵をループで動かすショートアニメーションを取り上げます。

この記事では、「ガンファイヤ」について考察しましたので、その内容をお伝えします。

ガンファイヤとはどのようなもの?

アニメーションの教科書に「アニメの基本バイブル」という本があります。恐らく絶版になっており、今は古本でしか入手できない本です。

この本の中にピストルを撃つアニメーションが何例か紹介されています。最初はその線図をベースにアニメーションを作ってみようと思ったのですが、どうにもその表現になじめません。

教科書にあったサンプルは、ピストルの先から出る炎が、あたかもホースから噴き出す水のように描かれていました。そして、炎と共に噴き出したうろこ雲のような煙が周りに散っていくというものです。

これはちょっと違うなあ、と感じました。

いくつかの動画を見てみましたが、最近のピストルは、銃口から噴き出す炎は非常に小さなものです。また同様に煙も少なくたちまちのうちに消えてしまいます。ただ、やはり火力があるからでしょうか、発射した瞬間、透明で真っ赤な炎が一瞬立ち上ります。

イメージとしてはこんな感じでしょうか。

まずはイメージに沿って描いてみようと思いました。

射手のアニメーション

射手のアニメーションをいつものようにデッサン人形で作りました。たまたまクリスタの素材の中にリボルバーがあったので、これを持たせました。

炎のアニメーション

いきなりですが、描き終えたアニメーションです。おおよそイメージ通りに描けました。

銃口から出る炎は、黄色と赤の2種類ですが、どちらも2コマだけ表示しています。

銃口から真直ぐに吹き出す黄色い炎は普通に手描きですが、赤い炎の描画はちょっと苦労しました。

形のないモノの形を描く

この赤い炎には形がありません。本物の銃による実弾の発射映像をじっくりと観察しましたが、打つたびに微妙に形が変化します。ただ、熱を帯びた炎だけに、銃口から出た後は上昇する傾向があります。

最初は、手描きで描いてみたのですが、雰囲気を出すのが非常に難しく、今回は以下のようなプロセスで描画しました。

  1.  ツールはなんでもいいので塊を描く

  2.  水彩のにじみぼかしツールで、描いた図形の外周をにじませる

  3.  図形を適当なサイズに拡大する

  4.  拡大した図形の外周に境界線を作る。この際、境界線がややなまるように設定する。そして、できた境界線の中に適当な色を流す。


出来上がったギザギザな図形をさらにサイズ調整して、おいしい部分を切り出し、炎らしい形につないでいきました。

そしてできたのがこちらです。

クリスタは、非常に優秀な描画ツールなのですが、ランダムなパターンや形状を作る機能が乏しく、このような「形のない形」を描くのにちょっと苦労します。

煙を描く

ただ、同じ形のない形であっても、煙や雲は適切なツールを使うことで比較的容易に描くことが可能です。

例えば「にじみ縁水彩」を使うことで、煙や雲はかなりそれっぽく描くことができます。

この煙は、発射と同時に現れ、次の発射までに拡散して消えてしまいます。煙の拡散は、キーフレームに拡大と不透明度を設定することで表現しました。

まとめ

以上が自分なりに表現してみた「ガンファイヤ」です。

ここでは射手が横向きの例をご紹介しましたが、デッサン人形の向きは自由に変えられます。黄色い炎、赤い炎、煙の3つの要素のうち、赤い炎と煙については、デッサン人形の向きに関わらず使えそうです。

この記事はここまでになりますが、機会があればデッサン人形の向きを変えたものや、イラスト化したものをご紹介したいと思います。

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