頭の上に雨雲が当然な顔して居続ける
後ろは既に晴天で目の前ばかりが土砂降りだ
傘は無いのが世の常と言わんばかりに野晒しの
花も草木も額突いて「明日くらいは晴れます様に」

そんな希望を淡々と吹き荒んでは削り取り
いじける心にこれ以上雨を降らせて何になる
根腐れするのを待っている、とか言わなくても分かるよ

産まれた時の母の血も悔し涙の行く末も
ぜんぶお前に帰結して巡り巡ってまたお前
些末な一滴一滴を糧とするには足りない人生
だからせめて口を開け喉の渇きを潤した

幼い左右の掌と両膝の跡がまだ見える
開き直れば台無しか、大逆転への歩路になるか
それまで続く泥濘とどうしようもない雨天決行

どうせ止む気はないんだろ 言わなくても分かるよ
当然な顔して生き続けるお前と俺の仲じゃないか

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