ハレルヤ

「そんなの俺もあったよ?」
引き金にしかならない理解共感を誰もが軽はずむ

最低賃金に燻るコンビニの惣菜は酒に良く合う
昼間の公園で鳩の群れから掠めたパンくずは
失敗続きの曲線をぼかす事さえ難しい

真冬の王子公園に散らばっていた蛾の死骸を改めて数え直す
同級生の毒気のない笑い声と靴底に千切れた羽も1とする
見れば錆びたフェンスにかつての栄光の粒子が朽ちている
だからこそ遺書は多分ここにだけ存在を許されるのだろうな

恐れていた固い雨が降る
他人が空に向かって吐き散らした唾の様な恥辱が降り始める
雨音に苛立つのは母胎への嫌悪か追慕か
真夜中に付けっぱなしのテレビの砂嵐の心地良さは患った虚無か

なにかを言わなければいけない、と思った
過ぎ去った出来事になにかを言わなければ、と思った
日々の流れに磨耗して破れた絶縁体
ショートして刹那に上がる火花は剥き出しの情動だ

○○しいな、全くもって○○しいんだ、こんなにも

なにかを言わなければいけない、と思った
そしてそれは呪いの言葉であるべきだ、と思った

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